転勤して、旦那様の仕事内容はガラリと変わった。

毎日身を粉にしてあちこち動き回っていたのに、

今は長閑な田舎を車で移動する毎日。


私が訪れるときのために、あそこへ行こうだの

ここの温泉が良いだの。。。仕事しているのだか

遊んでいるのだかわからない。

それでも、以前のようなとげとげしさや、イライラ

している感は無くなったので、私としては

幾分ホッとしている。


当初は山方面へ行くことばかり考えていたが、

大鎚町へ行った旦那様の話を聞いて、やはり

行くべき時が来たのだと実感した。

震災以来、何もできずにただテレビの画面を

見ることしかできなかった無力な自分がいた。


幾ら募金をしたところで、その先は目に見えない。

実際に自分の気持ちが届いているのかどうか

さえもわからない。

月下美人は巫女さん

幾千もの魂の叫びは聞こえるのに、同じ国に

住むものとして何もできないことを悔やむ日が

続いていた。


来月訪れる機会ができたことは、本当に

ある意味ありがたいことである。ようやくお導きが

あったのだから。


もちろん旦那様も同じことを考えていた。