種を蒔く者 | 月歌夜奏

月歌夜奏

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ライブハウスに遊びに行ったことが有るだろうか?
初めてライブハウスに行ったのは中学生の終わりのことだったと思う。
20歳未満お断りのイベントに、ダブルのスーツを着て髪の毛を上げて
年齢を誤魔化してオールディーズのライブハウスに行った。

精一杯背伸びしての参加だったが、
自分以外は明らかにバリバリ仕事をしている年齢の人達で、
その中で独りぼっちで観ていた。

それが最初だったので一人で観に行くことが主で、
高校生になるとライブに行ってみたいって人から声が掛かり
一緒に行く人間が増えていった。

バンドブームの直中に在っても、周りの人間はDISCOが多かったが
ナンパが出来ない自分には興味が無かった。
ライブハウスならではの楽しみ方が自分には見付けられたのだ。

そして今、ライブハウスを取巻く現状はあまりにも厳しい。

特に静かに暮らしたい近隣住民と、
外からライブハウスに訪れる楽しみを求める人の温度差もトラブルの一つの原因。

ライブハウス側が出している注意書き貼出しやスタッフの呼び掛け等で
施設周囲にまで注意喚起が及んでいるのはどういった周辺環境なのだろうか。
注意喚起の効力が無い場合に効果が高く見込めるはどういう対応が望ましいか。

これは残念なことなのですが、注意を繰り返されている状況を視れば
「本人が問題だと感じなければ直らない」と感じています。
 

そしてこの現象が何かに似ていると思っていたのですが漸く判りました。

飲み会で特に参加人数が多いほど顕著に見受けられるのですが、
居酒屋の前で溜まってる人達って居ますよね?アレです。

私は個人的にアレがカッコイイ姿には見得ませんので
次の店への移動か帰路に就くのかを決めてから店を出ます。

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私自身は「祭りの終わりを残念がり、中々帰らない奴」です。

これは治すべきかどうかを考えつつ今日まで来てしまいました。

この春から「ライブが終わったらさっさと帰る」を心掛け始めました。
そんな自分だからこそ、この問題が非常に重いのだと感じます。

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私にはライブハウス空白期間が有ります。
1993年~2013年の間は全くと言っていいほどライブハウスを訪れて居ません。
精々ブルーノート東京くらいです。

演劇の小劇場には出没していました。

この空白期間前にこの問題を感じたことは一度も有りません。

考えられるのは2つ。
『昔はそんなに地域がうるさくない、または直ぐに移動していた』
『当人は迷惑がられているのに氣付いていないか御構い無し』

後者はお話にならないので前者を考えたのですが、
よくよく考えてみたら、当時行っていたライブハウスは
近隣住民の住居が有る様な立地では無いのと、
隣が飲食店などのお店でその前に溜まっている状態になってしまうので
営業妨害になり兼ねず、残留が憚られる場所だと思います。

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小劇場で演劇を見た場合、
矢張り劇場前に溜まって話をしたりすることも有ったのですが、
ほぼ誰も酒を飲んでいないので声も然程に大きくはなく、
またいつまでも其処に居続けることが無かったのではと記憶しています。

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ライブハウスはお酒も飲めて音楽も聴けて演者とも交流出来る場所。
これは凄いことなんだと思います。

ブルーノート東京でもライブを楽しんでいましたが観客はテーブル席に着かされます。
演者と話したりなんて先ず有りません。
音源を直接手売りで販売している場合、その一瞬だけ一言交わすくらい。

確かに楽しい思い出の場所にはなりますが、
ライブハウスに私が持っている『文化の発信地で在り中心』と云う印象は
其処からは感じられませんでした。

こんな状況にも関わらず、客同士の口喧嘩が始まるんだから笑えます。

喧嘩の理由は嬌声を上げる客に対して別の客が発する「あんたうるさいよ」と云う文句(笑)
つまんないですよねこんなことって。

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注意喚起されるライブハウスは住居や店舗が隣接して有る場合では無いでしょうか。

自分の家や店の前で、見たことも無い明らかにテンション高く飲酒をしている連中が
毎日の様に取っ換え引っ換えでたむろして大声で喋って居たら、
どうなるか自分の立場に置き換えたら簡単では無いでしょうか。

更にそうされたらその対応策に何を考えて何をしてしまうかも。


当たり前ですが「酒を飲まなきゃいい」なんて本末転倒なことは言ってません。

実際にライブハウスで酔っ払った人間から暴力行為や暴言などの迷惑を
私自身が掛けられているのは、このたった3年あまりで10回程度では済みません。

それでも我慢して黙っているのは揉め事の一端を担うことで
大好きな場所であるライブハウスに迷惑掛けたく無いからです。
正直、いい大人が酒に飲まれて酒の所為にする姿がカッコ悪いと思っています。
子供の頃に自分たちを踏み付けに虐げて来たオトナの姿そのもの。

若かりし頃にと或るライブハウスに暴力行為で迷惑を掛けた
自分の贖罪なので甘んじて受け容れるべきなのでしょうか。

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何よりも「音楽をライブで楽しみながらお酒を提供して貰える文化」を否定したく無いのです。

でも今度からは捕り手に回ってしまおうかなとも考えて居るのです。
どっちがこの場所にとって良いことなのかずっと悩んでいます。

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私自身の見解ですが、所謂、「学生」の頃と大きく違うのは
「明日は仕事が控えています。自分を頼りにし、支え合う者が存在します。
 話をする為に場を別の座として設け、長っ尻でお酒飲んだりは出来ません」
という状況に変化したことでは無いでしょうか。
 

健康に氣遣いして深酒出来ない・しない人や、
酒も悪くないけど別のことに投資したい人もいるかも知れない。

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私は人一倍お話し好きです。

バンドは意思の表現だと考えていますので
サウンドのことや歌詞に反映されるで在ろう生活を取巻く環境のことや
音楽遍歴、今、何を面白いと感じているか、
こういう問題を感じどう対処しているか、などなど、
色んな意見を言葉で意見交換するのが大好きです。


ああ、
これは自分のバンドでやることにしますので割と他所様には求めなくなりました。
音楽活動の枠以外の席で意見交換をした時に、
「仲間」たるものは何ぞやを再確認したと覚えたからです。

勝手に他者に期待して失望するのは貪欲であさましいと感じ始めたからです。
引き続き『<七人の侍>方式』でそういう仲間を探し続けようと思います。


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自分独りでの考えが巡ってしまった場合に、
自分とは違う個体の価値観で視たり考えている他者の話を
ライブハウスに訪れた時にしている・したい人は居ないのでしょうか?

話す内容は置いておくとしても、演者以外の顔馴染みと会っても、
演奏だけ聴いて、お酒をささっと飲んでハイ帰りますという人も居るでしょうから
一概に決めつけるのは乱暴かも知れませんが。

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打ち上げというのはとても楽しいものです。
「終演後のライブハウスの中でやればよいのでは?」
という意見も有るでしょうが、
ゆったり座って居られる場所は少なく、
バラエティに富んだ食べ物が飲食店並には出て来ません。
(当たり前ですが)

余談ではありますが、
ショットバーで飲むのが好きです。
また安価で雰囲気の良いHUBなどのPUBで雑談するのも大好き。
赤ちょうちんでの語らいも代え難いものが在ります。
ライブハウスに同じものを求めている訳では御座いませんが(笑)

都内某所のライブハウスは二階がBARとしての機能を持っています。
かなり安定して座ることも出来ますし、
お酒の価格も抑えられており、何よりも広い。
それにも関わらず、地域住民の苦情が寄せられる。
人がライブハウスから溢れて(はみ出して)しまっていることもある。

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海外からの有名バンド来日公演時に特に酷かったことがあります。

演奏後にフロアに残された外から持ち込まれた飲料容器の廃棄物の無断投棄。
ゴミ処分の代金は楽しみの場を提供してくれたライブハウスに押し付けて逃げ帰る。
何ですかね?『Do it yourself』って?

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そこのライブハウスの近所に大手資本のスーパーマーケットが出来ました。

今まで以上にやろうと思えば持ち込みがし易い環境になっています。
ライブハウスのフロアやごみ箱に残されなかった分の持ち込み飲料の空の容器ですが、
それは購入した店に設置されたゴミ箱まで持って行って廃棄した人は少ないのでは?

じゃあ何処に廃棄したのだろう。

そして都内の街中でスーパーマーケットが出来たなんてことは、
それだけの購買顧客がその近隣で見込めるから設置されている訳で、
つまりはそれだけ住民が此処に住んでいるってことですよね。

ベッドタウンや繁華街ばかりじゃ無いんですよ。

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私は東京出身の東京在住の人間です。
おそらく誰よりも「村社会人間」に知らず知らずになってしまっていると思います。
私が大嫌いな『田舎者』の典型にならないようにとても注意しています。

東京を愛してくれて他の地域から来て頑張っている人が大好きです。
凄く感謝していますし、東京人としてゲストを歓迎しています。
そして次はゲストだった人がホストになってくれたらって思っています。

その反面、東京はその懐の広さから、
譲ったところ以上に踏み込まれてレイプされて滅茶苦茶にされた側面も有ると思っています。

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『失敗したら田舎に帰りゃあいい』
この言葉が憤死するほど大嫌いです。

じゃあ私みたいな東京人は失敗したらどこに帰るんだ?

都会と呼ばれる場所で思いっ切り振り切ってやるのは結構だけど、
失敗だけを押し付けられて旅は恥のかき捨てとばかりに
外から来て何か有ったら逃げ出してしまう気持ちでやられては堪らない。

東京にやられて文句を言う人は少なく有りません。
何なら「そういう場所でしょ?東京って」くらいのセリフも聴いて来ています。
あなたにツラく当たった人は本当に東京の土着の人なんですかね?
地方出身者を馬鹿にするのは元・地方出身者じゃないですかね?
地方出身者のその土地出身の特性を知っているのはどんな人でしょうね?

私は江戸っ子の祖母に厳しく仕込まれましたので
出身地で他者を侮ったり下には見ません。
東京だって一地方に過ぎないし、
本郷から黒門町が江戸っ子だと教えられていますが、
それは自分に箔を着けるものでは無く、
それを背負ってるのだから恥ずかしいことをするなの金看板だと思う様にしています。

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上記の「東京」を「自分がよく利用しているライブハウス」に置き換えてみてください。
私が考えているのはそういうことです。

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ライブハウスを楽しみの為に利用する人は減少していると聴きます。

音楽が衰退したなんてことも聴きます。
(衰退したのは<音楽産業>だけなんじゃないだろうかと邪推しています)

事実、私自身も20年以上、ライブハウスに行かず、
一時期は音楽そのものをシャットアウトしてカネだの格だのを
追い掛け回していた時期も在ります。

それでもどんなカタチで在れ、音楽は世の中で鳴っていますし、
自分の信じた音楽と人生を磨き上げて立っている人がいます。

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BARを設けて忙しくお酒を売っているのに
責任者は売上が運営資金を潤沢には出来ず頭を悩ませている。
剰(あまつさ)え別の仕事を営業時間外にして
持ち出しで頑張っている責任者が存在する。

せめて自分の家の家賃光熱水道通信食費くらいは
労働対価としてライブハウスの売り上げで賄って貰いたい。

世の中カネじゃ無いけど、衣食住が整わない滅私奉公は
本人が望まなければそれは暴力にしか感じない。

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今回だらだらと説教じみて上から何かを言っているみたいにお感じになられましたら
大変申し訳ありません。

「じゃあ貴様は何をどんな風に具体的にやってるんだ?
 それで実際にライブハウスにプラスの効果が出てるのか?」

そう言われても確かな答えは出来ません。

しかし色々とこうすれば良い方向に向かうのではを前提に試させて貰っています。

ライブハウスの応援はそこに出演するア-ティストへの
応援の一つのカタチでもあるのだと信じてやっています。

私もいずれはもう一回、またこの場所のステージに立ちたいので
自分の場所のことだと思って向き合っています。

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応援のやり方は人それぞれですので、
贔屓にして足しげく通うもよし、お酒をいっぱいオーダーするもよし、
来てる初めて見る顔の同じ客同士で過ごし易い空間にするもよし、
ゴミ拾ったり、灰皿やグラスをついででいいから回収して返却するもよし、
ライブハウス未経験者や暫く離れている人を連れて来て、
「こういう楽しい場所も在る」と教え広めるのもよし。

どうでしょうか、こういうの。

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演者さんも凄く考えてる様に感じる方が沢山いらっしゃいます。
天然でやってるなら「ああ、やっぱりこの人は凄いな」って思います。


幾つかのパターンが在りますが、どれもこれも凄く勉強になります。
それは「ライブハウス」って枠だけでは無く、
「社会」に於ける在り方や、その人の生き様に視得るのです。

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最後に

面白い場所とか面白いことが在るとしますね
そうすると「わーっ!」っと人がそこに集まり、楽しさを享受しようとしますね
人が集まれば更に状況か変わることで変化し、進化し、そしてピークに向かいますね

そして育ったものをどんどん食い潰しに来てるだけの人と、
育ったと感じているものを守ろうとしだす奴と、
ボーっと状況の流れにただ身を任せる受け身な奴に分かれて来る氣がするのです。


食い潰す奴は「もう飽きた」とか「今時かよ」なんて勝手をほざいて
見切りをつけて他を食いに行って、
再度隆盛し出したら先人面してまた戻って来るイナゴの大群みたいな存在。
 

守ってるんだなんて言い出してる奴は矢鱈とルールを設けて雁字搦めにして、
新しい風を入れることを忘れて
自分の知り得る形式以外を排斥すれば解決出来ると妄信している進化を忘れた存在。


傍観者。受け身だけの者。隷属するだけの存在。
私はこいつにだけはならない様にしたい。

どんなカタチの者に振り分けられてもいいよ。
これ以外のミュータントは最高だよ。
どんなカタチだと分けられても、その立場で在っても「種を蒔く者」で在りたい。

進化しよう。

生き残るのは優れた能力を持つ者ではない。
環境に対応し変化し得る進化出来るものだ。