共産党

 

厳しい結果だったと思います。

 

議席が、7議席から1議席減の6議席、現職2名が落選というにとどまりません。

 

当選した候補者も、41位~45位の間に、なんと4名がいます。

 

また、落選した現職が、51位、55位でした。

 

共産党は組織票や熱心な支持者の票もあると思いますが、公明党と比べると浮動票が占める割合も多く、新興政党や多数の候補者が立候補した影響は小さくなかったと思います。

 

新しいものを求める有権者心理や、最近の党内のもめ事も影響したかなと思っています。

 

55位の候補者の票を他の共産党候補者が獲得できれば、理論上は、改選前と同じ議席を獲得することも可能でした。

 

改選前議席を上回る8名を擁立したことが、結果的には裏目に出たということだと思います。

 

議席増、党勢拡大を目指して積極的に擁立する姿勢は分かるのですが、共産党をとりまく厳しい状況に跳ね返されたということでしょうか。

 

 

疑問に思ったこと

 

ただ一点、私がどうしても理解ができない選挙戦術がありました。

 

それは、共産党の現職候補(母親)の娘が、母と同時に区議選に出馬したことでした。

 

親が共産党支持者・党員であれば、子が同じ政治的思想を持つことは不思議なことではないと思います。

 

親の背中を見て、子も政治を志すこともあるでしょう。

 

そうだとしても、なぜ、親子で同じ選挙に同じ選挙区から出馬したのでしょうか?

 

共産党は、候補者の活動地域を割り当てているので、その点が親子で重複することはないかもしれません。

 

しかし、候補者に入る票は、その地域の票だけではなく、個人的なつながりから入る票もあります。

 

親子であれば、知人等関係者が重複することは容易に想像できます。

 

また、例えば、娘の知人で、今まで、「○○さん(娘)のお母さんだから、投票する!」と言い、投票してくれていた方がいるとします。

 

しかし、娘本人が立候補した場合、それまでは母親に行っていた票が、娘に行くことは十分あり得ます。

 

このような問題は、その知人が、候補者の他の家族の知人であるような場合も当てはまるでしょう。

 

例えば現職に息子(新人の娘にとっては兄弟)がおり、その知人であるような場合にも、当てはまることだと思います。

 

この場合も、その知人は、知り合いの母、姉?妹?のどちらに投票すればいいのか迷うこともあるはずです。

 

親子の間で、票の食い合いが起きてしまうことになります。

 

しかも、現職の母親は、前回令和元年の区議選で、45人中39位で当選した方で、上位で当選したわけではありません。

 

そこに、娘が出馬し、母親の票が減れば、母親の当選そのものが危うくなることは容易に想像がつくと思います。

 

これがもし、政令指定都市の市議選などのように、選挙区が複数あり、別々の選挙区から親子で出馬するというのであれば、まだ分かります。

 

しかし、同じ選挙区から出馬すれば、どうしても票の食い合いを避けることができないと思います。

 

娘さんは、共産党の候補者がいない地域の担当として出馬したようですが、党としてその地域を担当する候補者を擁立必要があったとしても、共産党は、別の候補者を立てようとは考えなかったのでしょうか。不思議でなりません。

 

もちろん、政党には政党の事情がありますし、はた目から見て分からない、いろいろな事情があるのだろうとは思います。

 

共産党からすれば、色々な事情があるのに、事情を知らずに、勝手なことを言っていると思われるかもしれません。

 

しかし、この選挙方法だけは、どうしても理解することができませんでした。

 

結果を見ても、新人の娘さんは当選(41位)しましたが、現職である母親は前回の票(3,649票)を850票以上減らして(2,780.316票)落選(51位)してしまいました。

 

一般の有権者である私には、どうにも理解できない出来事でした。

 

 

今後のこと

 

次の区議選のことはさすがにまだ分かりませんが、順当に考えれば、共産党は、次の区議選で、今回失った議席の回復を第一に考えるのではないかと思います。

 

その場合、よほど共産党が上げ潮になっていない限り、候補者の人数を抑え、適切な票割り・地域割りをして全員を当選させるという考えになるのではないかと考えているのですが、どうなるでしょうか。

 

4年後にどうなるか、関心を持ってみていきたいと思います。