足立の灰になるまで勝ち続けるブログ -4ページ目



不動産会社を舞台にした名著「狭小邸宅」の熱いメッセージ
 
オープンハウスという急成長中の不動産会社をご存知でしょうか。
商売の特徴上、関東圏以外ではなじみがないかもしれません。
 
オープンハウス社の特徴は
・めっちゃ狭い土地にめっちゃ狭い家を建てる
・そのぶん価格が抑えめでそこそこの立地の戸建てがサラリーマンでも購入可能というニーズに応えている
・営業がゴリゴリで力強い
 
という特徴で、近年は海外展開やマンション事業、関西のプレサンスコーポレーションを買収するなど飛ぶ鳥を落とす勢いの会社です。
 
オープンハウスの営業のしつこさは尊敬すらします。
駅前でチラシ配ってる人をちらっとみると(チラシは受け取っていないてのがミソ)
「この辺にお住まいですが 賃貸ですか 家賃いくらですか インターネット未掲載の物件があるので今から一緒に行きませんか?」
と多少「急いでるんで」と断ってもついてきてPRしてきます。
僕は5分くらい駅の改札までついてこられ「せめて連絡先でも」と言われ、確かにぱっと見安かったのは事実なので連絡先を渡すと、鬼のように電話がかかってきます。
2年前くらいの話ですが先週も電話ありました。
着信拒否や無視を決め込んでいると番号をかえて何回もかけてきます。
 
オープンハウスの家は工場生産のようなコストカットを徹底した建売であり安価ですが、営業マンの知識はそこそこです。建物もしょぼいとか言われてますが「安い」のです。
 
「東京に家を持とう」のキャッチフレーズを過去使っており(今は全国展開しているため差し替え)、そのフレーズの通り、4人家族で3LDKか4LDKがほしい でも通勤は50分以内で~ 予算は4000万くらいかな?新築がいいよねやっぱり!となるとオープンハウスしか選択肢にありません。
ニーズはあるのです。
 
ただし、「買わせる」というテクニックは業界トップクラスだと思います。
厳しい体育会系の会社で評判ですが、売れた人には金をはずむなど、一昔前の佐川急便、プルデンシャル生命のような覚悟を持って金を稼ぎたいという人からも人気の企業です。
採用ページのキャッチコピーに「常識を超えろ」「限界を超えろ」と記載があるのが全てを表現している気がします。
 
 
さて、今回紹介したい 新庄 耕 著 狭小邸宅という本ですが、まさにこの都心で3階建ての戸建てを販売する営業マンが主人公の熱いストーリとなっております
 
最初は「俺はできるんだ」「俺は稼ぐぞ」という気分の主人公ですが、伸び悩む成績に上司から叱責、そのうちいない者扱いされ、どんどん闇落ちしていく様子がリアルに描かれています。
 
上司からの叱責のセリフは臨場感とパワハラの中に、真理が隠されており、不動産業界以外の業種の方でも胸にささる名台詞のオンパレードでありいくつか紹介したいと思います。
 
 
「いいか、不動産の営業はな、臨場感が全てだ。 一世一代の買い物が素面で買えるか、 臨場感を演出できない奴は絶対に売れない。 客の気分を盛り上げてぶっ殺せ。 いいな、臨場感だ、テンションだっ、臨場感を演出しろっ」
 
ぶっ殺せ と言う単語が出てきますが「契約を決める」という意味なので誤解しないでください。
 
たしかに住宅購入というのは人生で一番高い買い物といってもいいでしょう。
そこで盛り上げて盛り上げて、テンションを高めて勢いで決めさせる この要素が必要不可欠なのです。どんな物件もいいところがあれば悪いところもある。悩んで悩んでと時間をかければデメリットが目立ち、様子見ということになります。
なので「盛り上げて」「ぶっ殺す」のです。
 
主人公は「まわし」というテクニックで最初いくつか内見させます。最初に紹介してく物件はどこも癖があったり、予算を超えたりする、成約にはいたらない物件を紹介します。
購入権当社は「いや~最初の物件はいいんだけどあそこが気になるな~ 次のは最高なんだけど高すぎるな~ ぴったりくるのってないな~」って思わせといて、本来買わせたい本命を紹介します。
その本命もよくよく考えればデメリットはあるのですが、「家というのはご紹介してきたとおり良いところも悪いところもありますよ でもこの物件でしたらいい落としどころだと思います」と言う風に「それもそうだな 最初紹介してもらったところと比べればここが一番いい!」となり「ぶっ殺し」ます。
 
最初にこの本命物件を紹介していればおそらく保留になったでしょう。でも比較対象を作ったことで、その中では最高というのを全ての物件の中でも最高という風に誤認させるのです。
最初の「まわし」用として買われもしない、ただ利用される物件の売主に心を痛め、内心この買主ならもっといい選択肢もあると考える主人公ですが「これが臨場感を演出することなんだ」と心を鬼にしていきます。
 
 
「てめえ、冷やかしの客じゃねえだろうな。その客、絶対ぶっ殺せよ」「はい、絶対殺します」中田は静かに答えた。
 
馳星周の不夜城からの引用ではありません。住宅お仕事小説です。
 
 
「おい、お前、今人生考えてたろ。何でこんなことしてんだろって思ってたろ、なぁ。なに人生考えてんだよ。てめぇ、人生考えてる暇あったら客みつけてこいよ」
 
人生なんて考えても無駄です。1円にもなりません。そんな暇があったら1人でも多く案内をとってくるべきです。
 
 
「いや、お前は思っている。自分は特別な存在だと思っている。自分には大きな可能性が残されていて、いつかは自分は何者かになるとどこかで思っている。俺はお前のことが嫌いでも憎いわけでもない、事実を事実として言う。お前は特別でも何でも無い。何かを成し遂げることはないし、何者にもならない」
 
厳しく、顧客にとって必ずしも最良の提案をせずだまし込むような不動産業界に対し、反感を覚え、ここまで詰めてくる上司は自分が嫌いでは?と考えていた主人公に対しての上司のセリフです。
このセリフで主人公は覚醒し、「家を売る鬼」となります。
 
 
「松尾 、未公開物件あるから 、サンチャの駅前でサンドイッチマンやれ 」
サンドイッチマンとは東北の芸人ではなく、物件情報を書いたプレートを体の前と後ろに背負ってチラシを配れということです。
 
ちなみにサンドイッチマンのシーンはこうです。
「奥沢 、駅徒歩十分 、二十坪 、四千五百万円 、土地 、未公開物件 。早いもの勝ちですっ 」街の賑わいにまじって太い声が聞こえてくる 。通りの先で体が隠れるほど大きな看板を首からぶら下げた男が声を張りあげていた 。
 
平日は物件PR活動や書類作業、土日は客からの要望を受けて内見をするのが不動産営業マンですが、土日にもかかわらず客がついてない営業マンはサンドイッチマンという屈辱的な業務に駆り出されます。
 
 
「お前、案内入っていないのに昨日よく帰れたな。てめぇ、なめてんだろ」
「これまで会社にいくら金入れた 」
シンプルかつ、真理な詰めです。
案内とってないということは、利益をあげるステージにすらたどり着いてないのです。
 
 
「おかしいよなぁ、何で会社に金を入れない学生気分のお前に給料ださなきゃなんねぇんだ、何で案内ひとつとれないお前に女の尻追っかけるための軍資金こっちが出してやんなきゃいけねぇんだろ」
 
休日にサンドイッチマンやれと言われ、明日はデートなんですという主人公に対する、上司の独り言です。
 
 
「自営業は客じゃねぇ」
見込み客の属性を応えた時の上司の返しです。
自営業はローン審査が通りにくいので、買えない=客じゃない のです。
 
 
「よそで売れなかった奴は駄目なんだ 、売れたためしがない 。だから 、悪いが早いところ辞めてほしい 」
 
主人公が成績不振で、別の営業所に飛ばされた時、新しい上司の第一声です。
この新しい上司は殴ったり叫んだりしませんが、冷たかったのです。
 
ちなみに異動させられる前の上司のセリフは
「てめぇ 、何だその顔は 。お前 、全然使えねぇから戦力外通告 。売れねぇし 、辞めねぇし 、明王出て偉そうだし 、だから異動 。いらねぇ 。うちも明王大学のお坊ちゃん抱えられるほど余裕ないんだ 、わかったらさっさと行け 」
 
「問題は、強い動機もなく、売れもしない、お前みたいな奴だ。強い動機もないくせに全く使えない。大概、そんな奴はこっちが何も言わなくても勝手に消えてくれる。当然だ、売れない限り居心地が悪い。だが、何が面白いのか、お前はしがみつく」
 
中々辞めない主人公に対して上司の嘆きです。
たいして業界に思い入れもなく、成績不振なのになんで辞めないの?という遠回しの退職勧奨です。
 
 
「何で自分が売れないか真剣に考えたことがあるか。」
「客の顔色を窺い、媚びへつらって客に安い優しさを見せることが仕事だと思ってる」
 
営業不振の主人公に対する上司のアドバイスです。
営業とはこびへつらうホストでもなく、悩み相談室でもなく、「買わせる」ことが仕事なのです。
 
「シシ丸よぉ 、おめぇ 、いつになったら売れんだよ 、この野郎 」そう言うと 、上半身を少し反らせて前蹴りを放った 。シシ丸氏は一瞬 、泳ぐように宙を搔き 、派手な音をたてて後ろに倒れた 。
成績不振の先輩がどつかれた瞬間です。
 
「ちょっとは 、醒めたか 。最後までなめたことしてくれるじゃねぇか 、このタコが 」罵られ 、腰のあたりを容赦なく蹴りあげられた後 、地図帳だか電話帳だかが投げつけられた」
この本、暴力的なシーンがたびたび挿入されます。
 
 
席に戻った僕に向かって課長が言った。
「売れたな」
温かい言葉でも冷たい言葉でもなかった。
 
がむしゃらに営業活動を続け、ついに成約し、上司に報告した時のセリフです。
なんだかんだ優しい?上司に涙が止まりません。
 
 
「お前らは営業なんだ、売る以外に存在する意味なんかねぇんだっ。売れ、売って自己表現しろっ。こんな分かりやすく自己表現できるなんて幸せじゃねえかよ。売るだけ だ、売るだけでお前らは認められるんだ。こんなわけのわからねえ世の中でこんなにわかりやすいやり方で認められるなんて幸せじゃねえかよ」
 
この本の最も有名なセリフです。
無茶苦茶なことをいってそうで、本当に真理が詰め込まれています。
売るだけ それだけですべて手に入り、認められもするのです。人生がどうとか考えなくていいんです。
 
 
「嘘なわけねぇだろ、カス。本当だよ。世田谷で庭付きの家なんててめぇなんかが買えるわけねぇだろ。」
「どんなにあがいてもてめぇらが買えるのはペンシルハウスって決まってんだよ」
 
家を売る鬼となった主人公、メンタルズタボロの修羅となった状態で同窓会に出席します。
そこで「お~お前住宅販売なんだってな!?」「俺も将来世田谷で庭付き戸建てで住みたいな~!」と浮かれたことを言っている過去の友達たちに真理をぶちまけまるシーンです。
そしてこの主人公が、将来新たな上司となっていき、歴史は繰り返されるのでしょう・・・
 
 
ちなみに、バブル絶頂期に郊外ニュータウンのマンションを購入し、高い金利の借り換えも認められず(資産価値が落ちているので)、人生を住宅ローンにしばられ、売ろうとすれば「1500万追加しないとローンを返せない」と言われ逃げることもできず、老朽化するマンションの修繕や管理で行き詰まる人生を描く「ニュータウンは黄昏て」も住宅小説ではおすすめです!
 
マンションが古くなってきたので修繕費を皆から集めたい!そうしないと資産価値も落ちるよ!という意見に対し
「お宅みたいに途中で入居してらした方にはわからないでしょうけど私たちは新規分譲当時からのつきあいなの。」 「資産価値が下がるなんて言って怒る人もいたわよ。だけど、ここを終の棲家と考えていれば、資産価値が上がろうが下がろうが関係ないもの。関係あるのは売ろうとしている薄情者だけよ。」
という悲しすぎる意見の食い違いで悩むなど、将来すべてのマンション購入者にとって他人事でない要素がふんだんに織り込まれています。
 
「このままだとあと10年で廃墟になるのでみんなでお金を集めて修繕しよう!」
となっても「いや俺もうすぐ引っ越すから払いたくない」「もう老人だから10年以内に死ぬしどうでもいい」
なんて人がいたら本当にマンションは廃墟になります。しかし、修繕費を払いたくないという人の意見も間違ってはないのです。
建て替えようとしても、「建て替え中引越しで仮住まいとかもう面倒だしいいわ」「いくら新築になるとはいっても準備金が払えません」と言う人がいたら終わりです。
決して小説の中だけの話ではありません。
 
そんな晩年を迎えたマンションに住まうあらゆる立場の人がエゴをぶつけあう、心痛む小説です。
 


 
ストロングチューハイについて語る
 
皆さんは「じぶん税金」ってありますか?
別に強制されて払うお金じゃないけど、自分で自分に強制的な支出を課しているような消費のことです。
 
例えば運動が好きな人は必ずジムの月額利用料を払うし、映画好きな人はネットフリックス、毎朝のスタバ、週末のキャンプ、ガチャ・・・
 
人それぞれ、これだけは何があってもお金使うぞ!っていうのはあると思うのですが僕にとってそれはストロングチューハイですね。
 
今日はストロングチューハイの歴史や魅力についてご紹介したいと思います。
 
ストロングチューハイの元祖は勿論ご存知「-196℃ ストロングゼロ」です。
皆さんストロングとかストゼロとか言いますが、-196℃ってのがこの商品の最大の魅力(後述)なので省かないでくださいね。確かに高アルコールRTD(レディ トゥ
 ドリンク すぐ飲めるやつ)の通称を「ストロングチューハイ」にした「ストロング」という商品名は歴史に名を刻んでいます。お母さんがPS4のことを「ファミコン」半導体のことを「インテル」と言うように代名詞と化しているといっても過言ではありません。
 
でも僕はサントリーの手間暇をかけた製法に敬意を払い、「イチキューロク」と呼んでいます。記事ではわかりにくいので一般的なストゼロとかで書きますね。
 
「-196℃ ストロングゼロ」を毎日飲んでいるのに「-196℃」も「ゼロ」もよくわかってないという方もおられるかもしれません。何がゼロなのかすぐ言えますか?
 
なのでまずはこの代名詞的なお酒、「-196℃ ストロングゼロ」の歴史から紐解いて参りましょう。
 
時は遡り2001年
「チューハイ」というジャンルのRTDはキリンの「氷結」の一強でした。
サントリーも2003年に「カロリ」という女性をターゲットにしたチューハイを発売しましたが、その差は開くばかりでした。
 
氷結の売りはなんといってもダイレクトな果実感です。
サントリーは氷結を上回るために、居酒屋の生絞りチューハイからヒントを得て、「果物の皮がちょっと入ってるのが美味いんだ」という着想を得ます。
そこで果物をまるごと-196℃で凍らせ、粉砕、ウォッカに浸す液体窒素製法を考案しました。「-196℃」という商品のチューハイが発売され、これがのちの「-196℃ ストロングゼロ」となるのです。
たしかにストロングゼロの特徴はちょっと苦みを感じる部分だなあと思ったこと、ありますよね。
今放送されている「レモンまるごとかそうでないか!」というCMはまさにストロングチューハイが乱立する中で唯一無二の特徴を伝えているのです。
 
時は進み2009年 リーマンショックに飲酒運転厳罰化で家のみ需要が増えたところに満を持して「-196℃ ストロングゼロ」が発売しました
当時の度数は8%で、チューハイRTDの中ではぶっちぎりの度数でした。
また、低糖質ダイエットや痛風の危険さなどが認知され、プリン体ゼロ 糖類ゼロをコンセプトにしています。
 
その後、「食事に合う」をコンセプトにした甘くないドライ味が9%で発売され、度数も徐々に全ての製品が現在の9%に引き上げられました。
「リーマンショックでお金がないけど、これ1本で酔える」という悲しいヒットの理由に支えられ、ストロングチューハイの礎として今日でも大ヒットを飛ばしております。
 
「-196℃ ストロングゼロ」とは「-196℃による液体窒素製法により、果実まるごと瞬間凍結により作られ、度数がストロングで、プリン体と糖類がゼロ」な飲み物なんです。
プリン体と糖類の塊であるビールから乗り換えるお父さんが続出しました。
ビールは不健康なばかりか、税金が高く、220円のビールは80円が税金です。
ストロングゼロも220円とするならば、20円が税金でありコスパが段違いです。
メーカーもバイオエタノールに香料と果実をまぜるという簡単かつ低コストな製法なので、利益率が高く、この後サントリー以外のメーカーもストロングチューハイに続々参入することとなります。ただし液体窒素製法はサントリーの特許です。
一度ストロングでヒットを飛ばすと、ビールを造るために麦やホップを農家から買い付け、工場で発酵させてタンクで寝かせて・・・とかめんどくさい商売がアホらしくなるそうです。
 
氷結の時代は「男はビール 女はチューハイ」ということで、チューハイに求められていたのは低カロリー 甘さ 健康に悪くないといった機能性チューハイであり、代表商品はなんといっても「ほろよい」です。ですがストロングゼロがゲームチェンジャーとなり、「男も女も黙ってストロングゼロ」となりました。ストロングゼロはもともと氷結を倒すために開発されており、高度数ではありますが糖類プリン体ゼロで、果実感もたっぷりとあり、甘さを求める女性はもちろん、体重が気になる方、お金がない方も全て取り込みました。
学生時代にストロングゼロがなくてよかったなと思います。もしあれば多分廃人になっていました。
 
ちなみに「-196℃」ブランドも残っており、液体窒素製法だがストロングではないチューハイもまだ新作が出ています。ストロングゼロブランドではないので度数は控えめの8%です。
 
このストロングゼロが独占していたマーケットに黒船襲来!
サッポロ「99.99(フォーナイン)」が発売されました。
 
フォーナインの特徴は何といっても「9%なのに飲みやすい!」ということ。
ストロングゼロは高アルコールならではのぐっとくるお酒感があったが、フォーナインはそれが軽減されています。
秘密は商品名にもなっている純度99.99%のウォッカ。
澄み切った味のウォッカに香料を混ぜることでお酒臭さを見事かき消しています。
この商品名、純度アピールだけでなくアルコール度数限界一歩手前みたいな極限感もあり好きです。
 
ストロングゼロはもともと氷結を倒すために創られたお酒であり、果実感を重要視していた。ターゲットも女性がしっかり入っています。CMにも女性が多く出ます。
しかしフォーナインのターゲットは「ストロングゼロ」です。
甘くなく、酒臭くもなく、食事のお供に、主張しすぎないストロングチューハイがフォーナインの狙い。
たしかにストゼロと比べて、食事と併せて飲みやすく、パッケージもその主張しない味が表現されたようなシンプルさ。
ターゲットは30~49歳の男性、「晩酌ビール」の代わりにフォーナインを、ということらしい。おなかも出てきたし税金も高いしビールやめようか・・・といっても焼酎やウォッカを瓶で買って毎回割ったりするのもな・・・というお父さん狙い撃ちのRTD(レディ・トゥ・ドリンク すぐ飲めるやつ)なんです。
 
フォーナイン自体はほとんど無味無臭であり、普段お酒飲まない人が飲んでも美味しいと思わないかもしれません。果実感が強いストゼロのほうがストロングビギナーの女子には人気かもしれません。お酒に慣れ、ストロングゼロに慣れた人の一部が移行するようなポジションに落ち着いています。いわば「ストロングゼロの亜種」ですね。
 
その後ストロングチューハイ大戦国時代となり、あらゆるメーカーから度数9%チューハイが登場しました。
ちなみになぜ9%なのか、12%でも15%でも度数がきついほうが酔えるじゃないかということですが、これは酒税法が関係しており、9%までの発泡性のお酒はいわゆる「チューハイ」扱いで税金が安いのです。
ここを超えると日本酒とかワインのカテゴリーに入ってしまい、税金が高くなります。
 
たしかに12%のストロングチューハイはありますが、そこまで行くとさすがにアルコール感がごまかしようもなく、税金が高くなる分をコストカットする必要があり、凝った工夫ができません。
いろいろと12%製品も飲みましたがどれも「ストロングゼロに自分で焼酎追加した感じ」であまりおいしいとは思う製品がありませんでした。なんでしょうね、自分で作るレモンサワーで焼酎入れすぎたみたいな、ストロングゼロのような完成度がなく、行き過ぎた失敗感がぬぐえない味なんです。ワインと同じ度数にしてはグイグイいけるし値段も安いとは思いますが。
 
こういった事情により、海外でストロングチューハイは一般的ではありません。
日本独自の事情ではぐくまれた文化なのです。
たまに外国の旅行者がホテルの下のコンビニで適当にチューハイをかごにいれてるのを見ますが、パッケージくらいしか判断材料がないのか、それともすでに中毒なのか、ストロングゼロと氷結ストロングを良く買われています。フォーナインは外国の方からすればどんなお酒かパッケージから想像しにくいですね。
ホテルの部屋で飲んでいたら卒倒しないか心配でなりません。
 
 
そして2019年、コカ・コーラという外資から禁断のストロングチューハイ「檸檬堂」が発売されました。
 
2018年の九州地域限定試験発売のころから「マジでうまい」「フォーナインより飲みやすい」と評判でストロングチューハイのゲームチェンジャーとして期待がありました。
 
僕から言わせれば「あーあ ついにこれやっちゃったか 萎えたー」というのが正直な感想です。
 
檸檬堂、なんと「果糖ぶどう糖液糖」が入っているのです。
 
つまり「糖類ゼロ」ではありません(ちなみにストゼロも糖質ゼロではありません 糖類がゼロです)
 
氷結やカロリの時代から「低カロリーで健康に悪くなく、いかに美味しいお酒を作れるか」の路線で各メーカー頑張ってきたのに、後から入ってきたコカ・コーラが
「お、ストロングチューハイってのが流行ってんの?-196℃製法?そんなめんどいことせんでも、ジュースにアルコール入れたらそれが一番うまいに決まってるやん!」と歴史を知らず土足で踏み込んできたのです。
 
なんでしょうね。ヴィーガンの方たちが「いかに肉を使わず肉っぽい食べ物を作るか」というテーマの中、大豆ペーストとヨーグルトを混ぜて焼くとハンバーグっぽい!とか各々頑張ってる中「牛肉エキス入れたらめっちゃ肉っぽいよ!」と外野が入ってきた感じです。
それやったら確かに美味いけど、それやったら終わりなのよという感じです。
 
ちなみにですが檸檬堂350ml缶は280カロリー 炭水化物 7.1g に対し、ストロングゼロは150カロリー 炭水化物1.5g です。
いかに檸檬堂が不健康かおわかりでしょう。
ただでさえ高アルコールを飲みやすくして依存性が高いのに炭水化物の誘惑までセットにし、アルコールと糖質のW依存を形成するという悪魔の商品です。
糖尿と飲みすぎで肝臓と腎臓両方に打撃があり、太りやすい商品です。
今まで何とか規制されずにやってきたストロングチューハイですが、檸檬堂のせいで規制される可能性すらあります。
 
もともと国は酒税法を後出し改正しがちです。ビールの税金が高いからビールの基準に触れないようなビール風飲料を出したら「第三のビールも増税ね」とメーカーの努力を踏みにじるのが大好きです。
「ストロングチューハイは不健康なので、9%でも12%以上と同様の課税にする」とかなったら困るのは我々ストロンガーなのです。
コカ・コーラ社はとりあえず自分の所の製品が一時的に売れたらOKという焼畑農業的なマーケティングは辞めて頂きたく。
 
そして檸檬堂、お店にいくとわかるのですが3% 5% 7% 9%のラインナップなのです。
値段が同じなのが驚きました。同じ値段なら度数が高い方がお得に決まってるじゃないですか。
3%買った人は、9%買った人に追いつくため3倍も飲むんですか?
 
マクドナルドの株主優待券はどのメニューも無料になります。
一番高価なグランクラブハウスじゃなくて好きだからベーコンレタスバーガーにするというのは好みなので理解できますが、ポテトLではなくポテトSを選ぶやつは偽善者です。完全にポテトSはポテトLの下位互換だからです。
 
檸檬堂も同じで9%以外を選ぶやつは偽善者なのですが、微妙に味が違っており、結局一度は全部試さないといけないのがストロンガーの辛いところでもあり、コカ・コーラ社の巧みな戦術です。檸檬堂3% 5%が檸檬堂って名前じゃなかったら視界にすら入ってないですよね。ストロングゼロに3%バージョン登場!ほろよいストロング!とか絶対1回は買っちゃいますね。33.33%とか意識と純度の低い廉価版フォーナインもあったら1回飲んじゃいますね。
 
ここまで檸檬堂をこき下ろしましたが、反則技を使ってるだけあってめちゃくちゃ美味いです。
フォーナインの特徴が「酒臭くない」であれば檸檬堂9%は「酒ではない」という感じですね。レモンサワーでもなく、「レモンジュース」なので当然ですが、社会的に危険度高いと思います。
 
うちの妻はお酒はあまり飲まず、ほろよいみたいなのをたまに飲むくらいで、ビールは絶対無理、日本酒焼酎もダメ、ストロングゼロは一口飲んでうげええええええとなっていましたが、檸檬堂9%はぐびぐび飲んでいました。耐性ができたのか次は9%のこだわり酒場のレモンサワーを普通に飲んでいました。
 
新たな依存者の誕生です。
二十歳になって初めてサークルの合宿で飲んだお酒が檸檬堂9%とか今の大学生人生狂いますよ。初めてやった薬物はヘロインですみたいなもんだよ。もう大麻やコカインでは満足できない体になっちゃいますよ。
 
 
最後に、サングリアのストロングチューハイ開発者インタビュー記事で読んだのですが、ストロングチューハイ500mlと一緒に買われる製品ナンバーワンは「ストロングチューハイ350ml缶」だそうです。
 
あーこれわかるー!って感じですよね。
 
500ml缶1つでは盛り上がって気持ち良くなってきたことでもっと飲みたい!という気持ちが強いが、さすがにもう500飲むと意識がやばい 健康に悪い お金がかかる・・・というジレンマに襲われる中、350ml缶は「ちょい足し」にちょうどいいサイズなのです。
よくコンビニやスーパーで「よりどり2本で〇〇円!」というのをやっていますが、あれ全然わかってないです。350ml2つでも、500ml2つでもないんです。500mlが基本単位で、350mlをちょい足しするのがベストなんです。大きさが違っても2本買うんだから割引にしてくれませんか?
 
もしくは850ml缶を作ってください。500ml缶あけて、次の350ml缶をあけるとき、「既に結構酔ってるけど、このプルタブをあけたらもう引き返せないぞ」という感覚も嫌なので、いっそのこと一気に済ませたいというのもあります。多分みんなそのうち850mlに350mlをちょい足しするようになるので、商売的にもいいと思います!
 
プロでも使う!絶対勝てるレスバトルマニュアル!
 
憶測を事実と置き換える
「コーヒーが苦くて茶色いのはウンコが入っているからではないでしょうか?」
「コーヒーが苦くて茶色いのはウンコが入っているからだとの声が大きい」
「コーヒーが苦くて茶色いのはウンコが入っているからだ」
 
作り上げた事実を基に説明を求める
「コーヒーにウンコが入っている件について、メーカーの説明を聞きたい」
 
説明を求める際、軸をずらす
「メーカー側からウンコが入っていた件について、これまで説明がなかった経緯を知りたい」
 
ずらしたものを深堀する
「ウンコが入っている経路や対策についてメーカーは責任を持って納得のいく説明をすべきだ」
 
メーカー側は「コーヒーにウンコは入っていない」という事実しか言えない
 
そこで
「『コーヒーが苦くて茶色いのはウンコ入っているからだ』という事実についての説明がない 防止策についても回答が得られない。であれば原材料メーカーの意見をききたい なぜメーカーは原材料メーカーを呼ばないのか?」
と大げさにする
 
メーカー側は「原材料メーカーは関係ない ウンコは入っていない」という防戦一方でシラを切りとおすしかないという印象を与えることになる
 
間髪入れず
「原材料メーカーを呼ばないのは怪しい 結託して不正を隠している」
という新たな憶測を事実のように扱い、印象操作を行う
 
さらに
「ではコーヒー豆は高原地域で栽培されるものであります。このコーヒーの原材料は標高何mでとれたものですか?」
という、具体的でその場ですぐには社長でも答えられない(担当者しかわからない)クイズを出す
 
メーカー側は「すぐにはお答えできないので持ち帰る」と回答する
 
こうなれば
「代表して説明する立場でありながら、自社製品の基本すら知らないとは何事か!」と怒り
 
「だらしないお前が管理しているんだ コーヒー豆にウンコも入っているのは間違いないだろう」
という異なる話を結び付け、憶測から出た事実をより強固にする。
 
仮にメーカーが
「コーヒー豆を検査した結果、ウンコは入ってなかった」
というデータを提出したら
 
「自社製品を自分で検査したデータなんぞ無意味だ きれいな豆を検査したに違いない」
とこっちにとって納得がいく回答になるまで否定し
 
「当方依頼した研究機関が調べた結果では、ごくわずかであるがウンコが検出された」
と都合よくこちらが用意した商品をこちらで検査したデータをあたかも第三者が作成したデータかのような印象で提出したり
 
「データ分析について使用した機械の製造番号を教えてください」
など上述のような即答不可のクイズを出し、答えられないと
 
「答えられないということはずさんな検査だったに違いない」
とまた異なる事実を繋ぎ合わせカウンターとする
 
 
言質をとるために
「コーヒー豆は猫の糞から採取するものもあると聞いています。そこでの糞が完全に除去できなかった可能性は?」「工場の人がウンコしたあと手を洗ってない可能性があるのではないか」
と極論を持ち出す
 
メーカー側は「品質には万全を期しているが、すべてのウンコ混入を100%防ぐ仕組みはない微粒子レベルで入らないとは言い切れない」と答えてしまう
 
こうなれば
「コーヒーにウンコが入っているというのはメーカーが隠ぺいしていた品質問題だ!」
と勝利宣言する
 
宣言後
「コーヒーにウンコが入るのを防止するために、高原の栽培地から豆を店頭に並べるまで、すべてクリーンルームで作業すべきだ」と無茶ぶりをする
 
メーカーは「コーヒーにウンコは入っていない そこまでする必要はない コストがかかりすぎる」
と返答
 
ここまでくればしめたもので
「企業利益を優先するために、安全をないがしろにしているメーカーだ」
と結論づける
 
メーカーは「そういうことではない 品質には従来以上に気を遣っていく これにて終了」
と打ち切れば、
 
「権力により強硬手段に出て話し合いを打ち切ったあくどい奴らだ 今後も徹底的に戦っていく」
と圧倒的勝利感を出したまま話し合いを終えることに成功。
 
 
 
特に「突然クイズを出して答えられないと都合の良い憶測と関連付けて叩く」戦法は
 
時の総理大臣、麻生がカップラーメンの値段を答えられず、政権交代が起き、五輪担当大臣が五輪憲章を暗記しておらず失脚し、それを理解した安部首相が「答弁書に書いてないことはお答えしない」と防御をとれば「答弁書に予め書いてないてないことを質問したら答えないのは不誠実 知らなかったのでは?」「専門家が作った資料を読むだけだ」と別方向から叩き効果が高いのを見るに、プロの現場でも使う有効な手段なので是非日常でも利用してほしい。
 
レスバトル全米チャンピオン、ドナルド・トランプ氏はこのクイズ戦法に対し、間違いを指摘されて「今のはくだらねぇことを聞いてきたお前に対する皮肉だ」「そんな細かいこと知らなくても大統領として指示を出せる ホワイトハウスの仲間たちは皆優秀だ」と回答した。