「TOEIC高いってやつを採用したけど英語全然喋れねえでやんの!」
「TOEICの点数じゃなくて、実際に英語を使って仕事をどれだけできるか それが大切だ」
こんなことを最近よく聞くようになりました。
過去英検が担っていた英語力の客観的測定試験を、TOEICが代替するようになって数十年、今度はTOEICがあてにならんのではないかと言われ始めているわけです。
本当にTOEICはダメ試験なのでしょうか。
結論から言うと
「TOEICは適切に英語力を計測することができる」
※ただし適切な使い方をした場合に限る
です。この理由と「適切な使い方」を書いていきます。
その前に、TOEICが英語試験として優れている点を紹介します。
主にこの3つです。
・「ビジネス」に特化した内容である
・難易度設定が絶妙で初級者から中上級者までカバー
・安くて早くて効率的
まず、大抵の英語試験は「留学についていけるかどうか」を試す試験です。
TOEICがダメならTOEFLやIELTSは留学や駐在をしたい人向けの確認用であり、相当英語に関心がある人をターゲットにしています。
一方TOEICはビジネスとして英語を処理できるかを主に見ています。
ビジネス英語で小難しい論文を読んで自分の英語で要約するなんてハイレベルなことは必要なく、短時間で低難易度の英文のメールやチャットをさばき、アナウンスや会議の内容を聞き取る。こちらの方が実用的だと言うことです。
意外なことにビジネス向け英語試験は他に有名どころがなく、TOEICの事実上独占であり、広く社会人に受けさせるならTOEICとなるのです。
難易度について、英検のように難易度が細分化されていないのにも関わらず、初級者から半ネイティブまで受けることが可能です。
英検は1級になるとカルト英単語クイズになり初心者は1問もわかりませんが、TOEICは同じ文章からも解きやすい誘導をしている設問があったり、逆にしっかり文章の意図を汲み取れないと解けない感じにしたり、あとは短い制限時間で大量の問題を用意することで解くスピードて点数を調整したりと、簡単な設問しかないのにも関わらずうまくスコアを出すことに成功しています。
そしてTOEICはマークシートであると言うことです。効率的に実施でき、コストも抑えられます。IELTSやTOEFLは良い試験ですが、人の手が入るのでコストも準備も大変です。TOEICはIPという法人や学校向けの団体試験もありさらに割引がきき、運営のサポートもしてくれます。最近はオンライン化も進み、人事担当者の手間は受講者のメールアドレスを登録するだけというところまできています。実施側の立場からもTOEICはかなりやりやすいです。
そんなTOEICがなぜ最近オワコン扱いされるのか、よくある意見に対してさらに意見する形で書いていきます。
1.「TOEICがハイスコアでも全然喋れないやつがいる」「スコアと実態がリンクしていない」「読み書きだけで会話力が測れるわけがない」
最も言われる意見です。TOIECはリスニングとリーディングしかないので、肝心の会話力を計測してない片手落ちの試験だと。
これは半分正解で、半分不正解です。
基本的に、語学の「読み」「書き」「聴き」「話し」の4技能は並行して上がっていきます。
読みだけ異常にうまくて話しはできない人は想定されていません。
これはTOEICでもリスニングは満点だがリーディングは0点に近い人はおらず、99%くらいの人はおおむね近い点数になります。
(日本人はリスニングの方が少し平均が高いです)
だから読みと聴きしかないTOEICでも、間接的に会話力も作文力も見ているよということです。
じゃあなぜTOEICにおいて、ハイスコアなのに全く話せない人が出てきてしまうのか?
これはTOEICが人生の上で意味を持ちすぎていて、英語ではなくTOEICの勉強をしてしまう人が多すぎるからです。
普通、海外で仕事をするために英語を勉強するなら会話や作文も並行して行うのですが、日本ではTOEICのスコアで単位認定・就職有利・昇進・資格手当などあらゆる優遇を行います。その結果、実用的な英語力ではなく、TOEICのスコアを上げるための勉強を行うインセンティブが働きます。巷に溢れる参考書を用いて、TOEIC頻出単語を覚え、先読みのテクニックを練習します。
その結果、本来の実力とかけ離れたスコアを取得してしまいます。
こちらはCEFRという英語実用力と、試験結果を対照した表です。
CEFR B1であれば英検で言えば準1級 IELTでいえば4.0-5.0という見方です。(TOEICは後述のSW試験含む)
TOEICの対策をしてスコアを底上げした結果、本来育つはずだった能力が育たないままTOEIC特化の読解とリスニング力だけが身につきます。
その結果TOEICではCEFR B1相当という方でも他の試験で測ればA2レベルなど、実力とスコアが乖離した状態になってしまうのです。
これはTOEICが欠陥試験だということではありません。
1つの試験にインセンティブを与えすぎると、どんな試験でも同じ結果になります。
TOEICやめてTEAPにしました!としても、今度は「TEAPハイスコアなのに全然英語使えないやつがいる」と同じことになります。
TOEICとか関係なく全ての試験で起こる現象です。
だからセンター試験(死語)は昔と比べると対策を超えてしっかり実力を測るために、問題を難しくしたり、量を増やしたり、形式を変えて「対策の対策」をしていきます。昔のセンターが簡単に見えるのはそのためです。今の共通一次、めっちゃむずいです。
SASUKEで既存フィールドが徹底的に分析され、完全制覇者が出たらそいつが苦手とする種目を入れて次は成功させないぜとさせるのと同じです。
TOEICもしっかり対策をされないように、リスニングでは表を同時に読み取ったり、3人の会話が出てきたり、リーディングでも読解力を重視する傾向にどんどん変わっています。テストを作成しているETSは「日本にあるTOEIC攻略本は全部読んでいる」と発言しています。
とはいえ、根本的な形式やビジネス舞台が変わらない以上、いたちごっこであり人気が高すぎるTOEICでは「本当に英語力がある人(無対策)」と「TOEICの勉強だけを行った人」でスコアが同じだとどっちが実際仕事で英語使えるか?は判断できない状況にあります。
2.「TOEICの欠点はわかっている。だから弊社ではスピーキングテストを導入した」「これで真の英語力が測れる」
最近理解のある会社くんで増えています。
TOEICはいい試験カモだけど、やっぱり会話力も必要。だからスピーキングもやるという至極真っ当な判断です。
TOEICにもあまり知られてませんが、スピーキングとライティング力を測る試験があります。
お隣韓国では「真のTOEIC」として超人気を誇り、日本で主流のリスニングリーディング試験を超える勢いで受験されています。
こちらもオンラインでの受講が可能であり、IP版も提供されているので会社としても提供しやすいです。
「これでTOEIC対策厨のハリボテスコアに騙されずに済むぜ!」と安堵の人事担当者 甘いです。
スピーキングテストは対策してスコアを上げることがもっと簡単です。
いろんなタイプのスピーキング試験がありますが、どれもパターンは似ていて、必ず出るのが「AとBどっちがいい?あなたの意見を60秒で聞かせて?」的なスピーチタイプの設問です。日本語でも解答が難しく、難問として登場しますが、テンプレ解答が可能です。
例えば「私は、Aの方がいいと思います。理由は2つあります。まず、〜〜ということを考えるのが大切です。なぜなら〜 だからです。例えば私は〜。次に、〜〜ということも重要です。なぜなら〜 例えば〜。以上2つの理由から、私はAの方が大切だと思います」という60秒のうちの大部分をテンプレで片付けることができちゃいます。あとは理由を考え、時間内に話す訓練をするだけです。
スピーキングは無対策と1か月程度の対策でスコアが平気で3割くらい変わります。
とはいえだからスピーキングテストが無意味とは思いません。
対策でもなんでもいいから今まで目を背けていたスピーキングの練習に時間をかけてくれる。
これでいいじゃないですか。
スピーキングテストはAIが採点するものもあり、非常に安価で手間もなく実施が可能です。
AI採点のものはハックが簡単で例えば一貫性のスコアをあげたいなら接続詞を多用する、全体的に内容より語数を重視し、文法のミスなくはっきり話すなど、機械の性質を逆手に取った対策ができちゃいますが、それでも実践的な会話練習の中での文法特訓をみんなするならいいことじゃないですか。
あと、翻訳ソフトの台頭でスピーキング力のみにフォーカスしすぎている人がいます。読解やリスニング、作文ができないとまともに仕事はできません。日本にたまにいる勉強はしてないけど友達との会話をしているから話せはするけど細かい文法が間違えっぱなし、メールを書かせたら支離滅裂、書類もほとんど読めないタイプのウェイ系外国人のようではなく、英語でビジネスをするのであればしっかりとインプットもやりましょう。文法より会話!と言いますが文法がないと会話ができないのはすぐに気が付きます。
3.「TOEICは日本韓国台湾くらいでしか使われてないガラパゴス試験だ。世界では評価されない」
これもたまにききます。そしてその次にTOEFLの方がいいと言ってきます。
そもそもですがTOEICはTOEFLを作っているETSが「アジア人のために作ったビジネス特化簡易版TOEFL」なのです。
だからアジア人しかやってないのは至極当然です。TOEFLはビジネスマンに広くやらせるには難しい上に高すぎました。TOEICはアジア人がETSにお願いして作ってもらった理想の英語試験なのです。
TOEFLのがそりゃいい試験ですが、コストは3倍ですし、当時は専用のコンピューターの準備もあり気楽ではありませんでした。
英語やる気ある人じゃないとTOEFLの長くて難しい試験に耐えられません。
アジア人は言語の形が英語と大きくかけ離れています。
文字も文法も発音も違います。 日本人からしたら三単現のSとか語順で意味が変わるのは慣れないものです(もっと離れた言語には男性名詞とか女性名詞が出てくる) ハングルと日本語は近いです。文法がほぼ同じなので単語さえわかれば話せますし、ハングルは後発の言語なのでシステマチックで理解しやすいです。逆にイギリス人が日本語を覚えるのは辛いですが、韓国人からしたらそこまで大変ではありません。
そういうわけでTOEICはやや簡単めに設定されています。上のCEFRの表でもTOEICは一番上のランクまで計測できないとされているのはそのためです。
そもそも世界で評価される言語試験てなんでしょうか?
アメリカで一番人気の日本語を計測する試験をご存知ですか?
国ごとに違うに決まってるのだから、CEFRという横串の指標が出てきたのです。評判高いのはIELTSやTOEFLかもしれませんが、それも留学界隈でということなので、どんな試験でもいいので英語力を示せれば問題ありません。
--------
色々書きましたが、語学試験なのかではTOEICが一番人生にとって有益だと思います。これはハッタリが効くからです。
企業が英語が使える人材を募集するとき「TOEIC600点程度では大して使えない」ということは理解している一方、要件900とかにすると応募が来ません。スピーキング試験なんて日本人は受けないので書けもしません。なので国際部署での求人でも控えめに600以上の方!と掲げるわけです。そこで「TOEICなら950あります、スピーキングもTOEICでなら160(200点満点です)あります。CEFRで言うとC1くらいあるので問題なく英語は使えます」と言えるだけでどれだけ好印象でしょうか。
ここでIELTSなら6.5ですと伝えてもなんとも伝わりにくいです。面接官の中でIELTSのスコアの意味が分かっても受けたことがある人は稀でしょう。どんな過酷な試験かもわからないのにアピールしても「TOEIC満点のがすごそうじゃね?」と言う印象になりかねませんし、入社後、昇格の要件でIELTSを設定する企業はないでしょう。それだけTOEICには看板としての価値が日本で認められています。
とはいえ、やっぱりハッタリではなくちゃんと英語力をつけたいと思うのがまともな人。
日本人に足りないのは「インプット」と「アウトプット」です。
よく「日本人は受験英語で基礎はできている。だから英会話を毎日して慣れることができればすぐに話せるようになる」と言われます。
これは間違いだとおもます。
英語のために英会話毎日して、感じるのは最初は不慣れだったからしどろもどろだったけど、50回くらいやれば慣れてきて楽しくなってくる、でもそこから頭打ちになるということです。
なぜかというと、インプットしたものを出し切ってしまいもうアウトプットできるものがなくなったのにアウトプットし続けている状態になったからです。会話中使っているフレーズや言い回しが固定化されてませんか?同じような話しやすいトピックばかりしていませんか?と
日本人はまず圧倒的にインプット不足です。
文法だけは得意!w そう言うダメな教育だったからw とも言われますが果たして過去形 現在完了形 過去完了系 未来完了形をパッと使いこなせる人がどれだけいるのでしょうか。仮定法過去とか聞いて「あ〜なんか聞いたことある!どんなんかは忘れた!」と言う人が9割超えていると思います。「あのとき彼女に告白していれば、今頃妻になっていたかもしれないですね」と英語でさっと言える人は1%もいないと思います。ですが絶対習ったはずです。関係代名詞を流暢に使える人はやっぱり少ないです。単語はある程度知っていても、会話の中でさっと出てくるほど体に染み込んでいません。熟語になると会話ではそう出てこないでしょう。本でしっかり学び、英会話で使って、相手の反応を見て、自らの体に刻み込んで次からは自然と使えるようになって初めてインプットです。
インプットのためには瞬間英作文や英語のハノンなど繰り返し心に刻みつける系を回していくしかないと思います。
それも難しいと言うならネクステージからやるしかないです。
個人的お薦めは「会話ができる英文法大特訓」を瞬間英作文として10回くらいやることです。明らかにスピーキング力が上がったと実感できました。英語のハノンもいいと思います。辛いけど。
たまに「海外ドラマで英語を勉強している」と言う猛者がおりますが、相当天才か努力家だと思います。
ただ日本語吹き替えで見ているだけでは勉強なりません。なるならうちのオカンは今頃韓国語話者です。
ちゃんと題材としてやるなら1.日本語字幕で見てストーリー把握⇨2.英語字幕で見て発音の答え合わせ⇨3.字幕なしで見て聞き取れなかったところを見つける⇨4.不明だった発音や単語を整理して調べて学ぶ
これくらいはする必要があるはずです。僕は海外ドラマ好きなので、どんどん見たいので同じ話を3回も4回も見たくありませんので海外ドラマで勉強しようとは思わないです。TOEICで言うとリスニングは9割5部取れますが、海外ドラマの聞き取りは5割もできません。格が違う難しさです。字幕で見ていると「日本語字幕での理解」「英語を聞き取ろうとする努力」「聞き取れた英語と字幕の微妙な意味違いの把握」を3つ同時にこなすことになり死ぬほど疲れますのでもっぱら吹き替えで見ています。字幕なら最初から英語字幕の方が疲れないのですが、やはり一瞬で理解できない言い回しなどもドラマには多く、ストーリーを楽しみたいのでやりません。吹き替えのが役者の演技やストーリーの理解に脳みそパワーを回せますので純粋に吹き替えの方がドラマを楽しめるという思想からです。
ここでおすすめの英語教材やオンライン英会話のアフィリエイトを貼って終わりにしたいのですが、面倒になったので各自で英語のハノンと会話ができる英文法大特訓でインプットしつつ、abceedでTOEIC対策を行い、ネイティブキャンプでフィリピンガールとオンラインフィリピンパブで楽しんでください。

