2012年01月10日 映画「戦う翼」を見た。 | ゲーム好きTVgamerさんのブログ。

2012年01月10日 映画「戦う翼」を見た。

2012年01月10日。あけましておめでとうございます。
なんとか新年を迎えられた。1年生き抜けてよかった。
今年も1年生き抜いていこう。生きているだけで人間は貴いのだ、たぶん。

さて、今夜は映画「戦う翼」を見た。1962年くらいのイギリス映画らしい。去年の冬にCSで放送していたものの録画。主演がスティーブ・マックイーン。監督はフィリップ・リーコック。初めて見る監督だ。ちなみにこの「戦う翼」の原題は「THE WAR LOVER」、邦題と全然意味が違うね。

ちなみにこの下から映画のネタバレ入ります。批評、レビュー的な内容にもなる。

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「大脱走」という映画作品がある。主演スティーブ・マックイーン。間違いなく自分のベスト映画である。誰かに、一番好きな映画は何?と聞かれたら間髪入れずに大脱走と答える。それくらい好きな映画。その主演のスティーブ・マックイーンという事で、去年の冬にCSでやっていたこの「戦う翼」を録画したんだろう。

舞台背景は、第二次世界大戦時、イギリスの特攻爆撃隊が南に海を越え、ドイツの工場など重要拠点に爆弾を落とし、また北に海を越えて帰っていく。そんな特攻隊の中の話。

そんな部隊の中のひとつの飛行機の機長でありエースパイロットがスティーブ・マックイーン。ちなみにその爆撃機には女体のペインティングがしてあり「THE BODY」と呼ばれていたりする。他の機にも違いペインティングがしてあったり。この辺りは面白かった。

人物対比として、規則を破り上司に逆らい魅力的で荒っぽい機長である主人公のスティーブ・マックイーンと、規則を守り上司の言うことを聞く博愛好青年の副操縦士の男と、その副操縦士の恋人である女の3人のメロドラマ的な側面もある。

副操縦士の男が女に手を出して恋人関係になるのだけども、その女にマックイーンが手を出すんだけど、女はアンタみたいな男はキライ!副操縦士の男は志のために戦ってるけど、アンタは戦争を楽しんでる、とか言うんだね。これは原題タイトルの「THE WAR LOVER」の通りでその通り。副操縦士の男は女を愛して大事にするんだけど、マックイーンは女とはただの遊びだと思ってる。根っからのパイロット。

まぁ、でもやっぱりマックイーンの方が格好いいんだね。副操縦士の男と女の恋愛が結構描かれるんだけど、眠くなるような話。1962年くらいのメロドラマを見せられちゃったらなあ。女からしたら長く付き合うなら博愛好青年の方がいいんだろうね。

そして物語終盤。大規模な特攻作戦が展開され、スティーブ・マックイーンと副操縦士の男と他乗組員が乗る「THE BODY」も出撃。敵機からの攻撃をしのぎつつ、乗組員の機銃で敵機を落としながらドイツ上空に到達し、爆弾を落とす。戦闘シーンは昔の映画ながらなかなかに迫力があった。間に実際の飛行機が飛んでいたり、落ちていく映像が挿入されたりする。飛行機マニアにはたまらないかもしれないが、自分は別に、という感想。

敵機の射撃によって機銃担当の乗組員がどんどん傷ついていく。死人も一人出た。落とし損ねた爆弾がひっかかってしまっていたり、それを看取るマックイーン。「THE BODY」内は大変な事になる。そんななか、基地に機関するんだけど、エンジンやられたりで、どんどん高度を保てなくなる。海に緊急着水するにも、落としそこねた爆弾が爆発するとの事で海の上での不時着もできない。測量士あたりが計算すると、結局海を越えられずに基地に帰れない計算になる事が判明。

副機長である博愛好青年が、飛行機を捨てパラシュートで脱出し巡回している海の救出船に行こうと主張する。マックイーンはこのまま海を越え、基地に帰還するぞと主張。

博愛好青年「そんなに自分の操縦テクニックを誇って英雄になりたいのか!」
 マックイーン 「死ぬのが怖いのか?」
博愛好青年「ああ、怖いさ。だがおまえは生きるのが怖いんだろう?」

などと口論になる二人。生きるのが怖いんだろ、と言われたマックイーンはなんともいえない、例えるなら初体験の童貞が早漏で先に射精してしまった事を女になじられるような、そんなとても複雑な顔をしておりました。上の会話は字幕だったけど英語だと違う事言ってたりするのかな。

普通に考えて、副機長の判断が正しいんだよね。マックイーンみたいに危険な賭けをする意味なんてなくて、安全に脱出すべきなんだ。ちょっとずつ高度は下がってるし、専門乗組員が海を越えられない、って言ってるんだから。

最終的にマックイーンが折れて、飛行機を捨てパラシュートで海に脱出する事に。マックイーンは生き残った乗組員をどんどん脱出させるんだけど、なぜか自分だけ脱出パラシュートを装備していないマックイーン。それに気付いた副機長の好青年を間髪入れずに蹴飛ばして無理やり脱出させる。そしてなぜか飛行機に残るマックイーン。操縦桿を握り、壊れかけた飛行機で海を越えようとするもあえなく崖に激突。衝撃的だったね。

そして次のカットで博愛好青年が、マックイーンを振った女とひしっ!と抱き合ってエンドロール。とんでもない衝撃だった。魅力的な主人公が理不尽に死んで、魅力もない男とつまんない美人女が抱き合ってエンドロール。凄いね。

この映画ではマックイーンが賭けにもならない賭け残る理由も明確に説明されていない。まぁでもマックイーンは多分死んじゃった乗組員の遺体を基地に返したかったんではなかろうか、そのために賭けにもならない賭けをして死んでいったんだろうな、と思った。まさにマックイーンは原題タイトルとおりの「THE WAR LOVER」。戦争を愛する男、いや戦争の中で自分なりのルールを守り通り通した男なんだな、という映画でした。なんだよ、邦題の「戦う翼」って。センスねえよ!

そして一般人の副操縦士の博愛好青年と、その恋人のつまらない美人はフツーに生きていくのでした。まぁ死んじゃった仲間を基地に返してやる事と自分の命、天秤にかけたらフツーは自分の命を取るわな。その天秤が揺れて、揺れて、揺れて傾かない不器用な男が今回のマックイーン演じるバズ・リクソンなんだな、と思いました。

(でも25回の出撃が終わったら博愛男は女を捨てて故郷に帰るのかな?でもラストでひしっ!と抱き合ってたし・・・・。結婚するのかな?まぁどーでもいいか)

飛行機シーンはなかなかに面白い部分はあったけど、メロドラマやら基地のシーンは退屈な部分が多かった映画だった。そもそも、マックイーン以外のキャラクターの顔がみんな同じに見えて、自分には話も掴みづらかった。外人の顔ってみんな同じに見えるんだよねぇ。白黒映画だし。

というわけで、あんまり面白くなかったけど最後の盛り上がりと衝撃のラストで
5点満点中、4点の映画でした。スティーブ・マックイーン大好きだしね。
でも人には薦められない映画かなー。個人的には面白かった。