エホバの証人2世子供は1世親からどんな宗教教育を受けるのか?
について、書いていますが、今回はその2。
・・・その前に、前回2世子供は「1世親と同じような過程で教えられる」と言いましたが、ひとつ訂正です。
きちんと「家庭聖書研究」を子供に対して行っている1世は、実際にはほとんどいません。
ほぼ、「成り行き」でエホバの証人になります。
つまり、集会と奉仕(営業)を絶対的に1度も休まず(特に、集会を1度も欠かしたことのないという2世は多いはず)に参加することで親は満足します。
というか、それ以上に子供を教えている余裕なんか普通ありません。
片親(母親のみ信者)の家なんか、特にそうです。学校の勉強すら見てあげられないのに、それに加えて聖書(ホントはJW教理)を教えている余裕なんてありません。
なので、子供は習慣としてエホバの証人の生活を強いられ、形から入る、ということになりますね。
で、前回は「身体的虐待による宗教教育」を取り上げましたが、もちろんそれだけではありません。
今回はエホバの証人2世子供への「精神的な虐待による宗教教育」を説明したいと思います。
ご存じのとおり、エホバの証人の教理の主要な部分に「楽園での永遠の命」ってものがあります。
挿絵1:こんなところであくせく働かないで永遠に生きる・・・まさに楽園。
でも、命は別として、今でも金さえあれば実現可能なんだよね。
子供の頃は、出版物の挿絵で「ライオンの背中にまたがり、公園のような地球で若さを保って永遠に楽しく暮らす」状態を見て、空想を膨らませたものです。
最近では「これは凶暴な人間もおとなしくなるという意味で、文字通りではない」なんて、協会はしれーっと解釈を変えてきました。多くの2世は(自分もふくめ)「そんなの裏切りだ~!」って思っているでしょうがwwwまあ、今回の話題とは違うのでまた今度。
挿絵2:今でもライオンと仲良くすることは可能っちや可能。JWになるより確率は低いけど(笑)
この楽園の前に起きる出来事が重要です。
そう、あの悪名高い「ハルマゲドン」(アルマゲドンって映画あったね)です!!
神に逆らう悪い人間(以前のJW教理では「エホバの証人以外の人間全て」だったけど、今はちょっと手加減しているみたい)が神の手によって滅ぼされる、人間の造った文明社会は全てなくなる、っていうのがエホバの証人のいう「ハルマゲドン」です。
挿絵3:以前はこうやって「ハルマゲドンで都市が壊滅、JWだけ徒歩で避難」・・・的な絵が多かった。
これ、いろんな出版物で、それこそ手を替え品を替え、人類が大災害にあっている恐怖をあおる画像を掲載して、まさに地獄絵図さながらに信者に信じ込ませようとしてきました。
初期のころは、地面が割れて金持ち風の人間が落ちて行ったり、火が天から降り注いでチンピラを焼き殺したり、雷でキリスト教会が砕け散ったりするような挿絵ばっかりでした。
挿絵4:火が降るってのは、JW大好きな構図のひとつ。
最近のトレンドは、米国軍隊がエホバの証人を取り囲み万事休す!となる時に、馬にまたがったキリスト天使軍団が弓矢で軍隊を蹴散らすというような、「殺害されるのは軍隊だけでホントは殺されているはずの一般人を消し去った映像」がほとんどになりましたけどね。
挿絵5:いつも思うけど、人類のため絶対的な力の差がある敵にも果敢に立ち向かう軍隊、尊敬できます。
とにかく、ハルマゲドンで大災害が起き、神に逆らう人間は殺されるってことです。
これ、子供の精神に強烈な影響を与えます。
そして、親もこの恐怖を利用して子供が言うことを聞くようにします。
要するに「そんなことしていると(ほとんどは、単に親のいう事を聞かないだけという、つまらない理由)、ハルマゲドンで滅ぼされるよ!」という脅し文句でこの教理を利用します。
子供にとって、死ぬことほど怖い事はありません。「死ぬのは痛い?」と聞く子供がいますが、つまり、「痛い」というのは最大限の恐怖を表現した言葉であり、死の恐怖を感じるというのは、子供にとってとてつもないストレスになっている、ということです。
これは「ムチ」と同じ効果を持っています。
常に死の恐怖を感じながら生活するハメになります。
例えば、自分の経験をあげると(たぶん同じようなことを他にも経験しているひとも多いでしょうが)、今日はどうしても集会を休みたいって日がたまにあります。当たり前ですが、そんなお願いはきいてくれません。で、「おなかが痛い」とか、「熱がある」とか、仮病を使います。体温計はお湯やドライヤーで温めて(笑)
まんまと集会を休めるのですが、そんなときに限って外の天候が荒れて、雷がなったりするときがあります。
挿絵6:ズル休みした日に限って悪天候ってのはJW2世あるある(笑)
最初の数分は、集会を休めた喜びでウキウキ、漫画を読んだりゲームをしたりしますが、すぐにとてつもない不安な気持ちが襲ってきます。
「今、ハルマゲドンが来たらどうしよう?きっと滅ぼされる。だって集会にいってないんだもん」となるわけです。
そこへ雷なんか鳴ろうものなら、心の底から恐怖が湧きあがりあます。
必死に祈って許しを請い、親が集会から帰ってくるとほんとにホッとしたものです。
今になって見るとバカみたいですが、子供の頃は本気で恐怖に縛られていました。
これが、「精神的な虐待による宗教教育」のやり方です。
昔お坊さんが檀家に地獄絵図を見せて支配したのと同じやり方ですね。時代錯誤も甚だしいですが、子供にとってはかなり効果的です。
次回は「虐待によらない精神束縛」を書きたいと思います。