藤山寛美三十三回忌追善喜劇特別公演 | サッチーのミーハーシナリオブログ

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成河(ソンハ)さん=演劇の神様 をずっと応援しています。
一生懸命な人が好き。

舞台・映画・テレビ・ときどきプライベート。

(注)脚色・盛りもあります。

スーパー歌舞伎オグリ以来の新橋演舞場。
数年前のスーパー歌舞伎ワンピース、オグリも開演前、終演後は東北、関東近辺ナンバーの観光バスが三台くらいと車椅子タクシーが数台玄関前に並んでいたけど、今はない。

外は暑いのに不思議と劇場前の楠の下は良い風が吹いて涼しい。

小さい芽🌱。バイオームを思い出す。

休憩が40分あるとは言え約四時間。
マチソワ間もほぼなくスタッフさん大変。
新橋演舞場と言えば、お弁当を買って開演前、休憩にロビー、客席で食べる光景が通常だったけどコロナ禍で注文した人が休憩に地下と二階の食事処で食べるらしい。
営業的には厳しいね。

仲良し親子。

#藤山寛美三十三回忌追善喜劇特別公演
#新橋演舞場

一幕
愛の設計図
演出 米田亘
出演 #渋谷天外 #藤山扇治郎 
#曽我廼家八十吉 #曽我廼家玉太呂
#井上恵美子 #髙田次郎 #曽我廼家文童

松竹新喜劇、お初だけどたしか朝ドラおちょやん、松竹新喜劇がモデルだよね。 
ドラマに出ていた面々も出てらっしゃる。

一幕には直美さんは出てない。
寛美さんが好きな演目だったそうな。
大阪万博景気時の大阪、ある工務店の師弟関係ドラマ。
よしもと新喜劇に比べるとほのぼの系の笑いがちりばめられ、ホロッと来る感じ。
若手から大御所90才の劇団員まで。
直美さんの甥っ子、扇次郎さんが光っていた。
マチソワ合わせると八時間になるから、年配多めな役者さんたち大丈夫かなと思ったけど、アンサンブルさん以外は一幕、三幕に分かれて出てるので安心。
しかし、スタッフさんはずっと通しの方も多かろう。頭が下がります。

二幕
映像 藤山寛美 偲面影

藤山寛美さんは上方の喜劇役者さんだし、まったく詳しくはないけど、亡くなった時のニュースの大きさに国民的スターだったのね、と思った。その娘さんがあとを継ぐらしいってことも。
昔の寛美さんの人気演目ダイジェスト。
新橋演舞場が新装されて寛美さんが座長公演をやった時のチケットを求める長蛇の列。
前売り券を買いに来たお客様一人一人に直接御礼を言いにまわる寛美さん。
客席は大体わたしより年配の方だから、映像が映る度に、みなさんウンウン、ああ、そうだったわね、、、みたいなリアクションに溢れていた。

三幕
大阪ぎらい物語
演出 浅香哲哉
出演 #藤山直美 #林与一 #西川忠志
#大津嶺子 #いま寛大 他

ようやく三幕で、生、藤山直美さんを拝めました✨
幕もSHISEIDOさん、永谷園さん提供と幕毎にかわり、三幕は歌舞伎幕(縦縞のやつ)を下手から上手に走って開くのかカッコいい。
幕が開く前に幕の後ろから直美さんぽい声が聞こえたのはみんなで気合いをいれていたのかな。

大阪船場の老舗木綿問屋、河内屋のちょっと変わった娘、千代子の巻き起こす人情ドタバタ劇。
パパ寛美さんは次男役だったから、男女設定を替えての再演。
気の弱い長男役を西川忠志さん。
西川さんは一年前に観た東京グランド花月のよしもと新喜劇にも出ていたから、かつてのライバル会社、よしもとと松竹、両方に出てるってことだね。すごい。
よしもと新喜劇をディスるわけじゃないけど、よしもとはかなりこてこてなギャグ、コケ、下ネタな感じだったけど。
松竹は(朝ドラおちょやんでも、かなり本格的なお芝居やっていたし)作り込んでる人情コメディって印象だった。
昔、よくテレビで観ていた林与一さんが、まだまだ現役で叔父さん役で活躍。80何歳。
大阪弁なのか、甥っ子、姪っ子から「おっさん、おっさん」言われてた。
直美さんがピンク振り袖、黒帯、日本髪で可愛く登場したら客席から大拍手が👏

大好きな奉公の秀吉(ひできち)との仲を引き裂かれ、勝手に秀吉を実家に返されてしまい、おっさんにも母親にも、駄々を捏ねるなら車引きになってしまえ!と脅された千代子は、家出をしてホントに車引き見習いになり、町内中の噂になり世間体と暖簾を気にする母親とおっさんを悩ませる。
アンサンブルさん含め、みなさん芸達者で客席は笑いのるつぼ。
直美さんの天真爛漫な千代子は変わりもんだけど愛すべきキャラクター。
間合いが素晴らしい。
客席も幸せな笑いに包まれた。
ピンク振り袖も可愛いが、車引きの地下足袋、法被、手ぬぐい姿、凛々しい。

アドリブっぽいシーンで役者さんも笑っていたり、薄毛の役者さんを後ろを向いてるシーンで逆毛立てたり。

かなり変わりもんな千代子が、河内屋の絆を深め、奉公人も、家族もみんな幸せになってハッピーエンド。
子守唄を歌う直美さん、美声に聞き惚れた。

四 藤山直美ご挨拶 相勤め申し候

幕が降りて、5分くらいずっと客席アンコールの拍手が続き、やや疲れたと思ったら。
幕が上がり、お着物に着替えた直美さんが正座。
ツイッターより↓
天井から下がる綺麗な藤と寛美さんパネル。

涙ぐみながら、客席に感謝の言葉。

「父からよく言われましたのは、今はチャンネルを押せばドラマもクイズも何でも観られる時代、わざわざ劇場まで足をお運び頂くお客様には感謝しかないと。今も↑からみているでしょう。まだコロナ禍で、暑い時に本当にありがとうございます」

私も貰い泣き。
映像で、前売り券を買うお客様に命を削ってでも直接御礼を言う寛美さんを思い出した。
お客さんって、時間もお金も有り余る方もいらっしゃる反面、時間もお金も工面して工面して、好きなお芝居を観に来る方もいる。
私もそうだ。
好きだから仕方ないとは言え、役者さんにそう言って貰えると嬉しいし報われる。
観に来て良かった。

64歳になる直美さん、お父様の亡くなった60歳を越えて、舞台中、息切れするそうだ。
でも、新喜劇劇団員は90.80.70の方が頑張ってるを見ると、お客さんもご一緒に百まで頑張りましょうと。

頑張ります。

また明日からの朝ドラ、いもたこなんきん、楽しみだ。
新橋演舞場、25日まで。
お席種類、たくさんあります。