ジョーカー JOKER | サッチーのミーハーシナリオブログ

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成河(ソンハ)さん=演劇の神様 をずっと応援しています。
一生懸命な人が好き。

舞台・映画・テレビ・ときどきプライベート。

(注)脚色・盛りもあります。



 ジョーカー

監督 脚本 製作 トッドフィリップス
製作 ブラッドリークーパー

出演
ホアキン・フェニックス
ロバート・デニーロ
ザジー・ビーツ
フランセス・コンロイ


せつない。胸が締め付けられる。
はじまってからずっと涙が止まらない。
ピカレスクものと言えるのか分からないけど。
奇しくも、今の日本でも問題視される幼児虐待、育児放棄、社会の下層虐め、パワハラも彷彿し、他人事には思えない。

アメコミ🇺🇸大人気映画化、バットマン、ダークナイトシリーズは、アカデミー賞で評判になったダークナイトから本格的に観始めた。
結構前だから、詳細は忘れかけてるが。
ダークナイト(バットマン)とジョーカーの息詰まる戦いと善の中にも悪があることを突き付けたジョーカーの心理戦の記憶。
亡くなってからアカデミー最優秀賞助演男優を獲ったジョーカー役ヒースレジャーの印象が強い。

そのジョーカーになるエピソード、起源。
若くして亡くなったスター、リバー・フェニックスの弟、やや変人のイメージがあるホアキン・フェニックスがジョーカー役。
ホアキンと言えばナイトシャマラン監督作品によく出ていたよね。頭にアルミホイルの宇宙帽みたいなのをかぶって。

今回、凄かった。
ジョーカー役にハズレなし。
アカデミー賞確実。
今回のエピソード編は、監督脚本のフィリップスさんがあえてコミックスの設定は使わず、一からアーサー(のちのジョーカー)がなぜピエロの顔、メイクになったのか、何時も笑ってしまう障害、母親、子供時代のつらい真実を作り込んだそう。

フィリップス監督、サッチーが好きなおバカ映画「ハングオーバー」シリーズの監督だったよ。
あんにふざけた(褒めてる)映画を創ったフィリップス監督が、こんなにせつない脚本を書くなんて。

ダークナイトでは、これでもかと言うくらいゴッサムシティをめちゃくちゃに壊し、殺戮し、善者までも悪に引き込もうとする血も涙もないジョーカーが。
実は、脳障害を持ち、涙なしで観られないくらいつらい経験をしながら母親に献身的に尽くしていたなんて。
前半は、アーサー(ジョーカー)を虐げるやつらを殴り倒したい衝動にかられる。
アーサーを守りたい母性にもかられる。
ほんのちょっとした機会や、決定的な真実がジョーカーを悪魔に仕立てる。
きっかけは世間の上層が下層を見下す悪だったりする。

アーサーは笑いたくないときも笑ってしまうのが止められず、苦しむけど。
母親が「笑って!ハッピーに」というので、コメディアン目指してネタ帳を手離さない。
ずっと憧れていたマレー(ロバートデニーロ)のテレビショーのオファー。
救いようがないエピソードが怒涛に押し寄せる。

今までバットマンシリーズのジョーカーはただの白塗り口裂けメイクテロリストだと思っていたが。
エピソードゼロ的なこの作品で、血の通ったジョーカーが見えてきた。

ホアキン、ジョーカーが憑依と言うよりちゃんと人物像を造り上げている感。

楽しい映画とは言えないけど。
バットマンシリーズ観てないひともむしろ、ここから観始めて、のちのシリーズに繋げて下さい。