スリービルボード(必見!) | サッチーのミーハーシナリオブログ

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アダム・ランバート(Queen)=神の声域
成河(ソンハ)さん=演劇の神様 をずっと応援しています。
一生懸命な人が好き。

舞台・映画・テレビ・ときどきプライベート。

(注)脚色・盛りもあります。

書き出すと長くなって最後まで読んでもらえない可能性があるので先に書きます。
舞台好き、エッジの効いた映画好き、成河さんファンにはぜひぜひ観て頂きたい映画です!
(暴力、残酷苦手な方は要相談)
観終わって半日経って、すぐにまた観たくなった。
サッチー的に「バイオレンス&ミステリー部門映画」歴代TOP3に入ります(他TOPはイーストウッド様独占)
 
 
あの伝説の舞台 スポケーンの左手↓
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イニュシュマン島のビリー↓
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など、日本で翻訳上演目白押し大人気劇作家、マーティン・マクドナーの映像作品。
2018アカデミー賞主要部門、作品賞、脚本賞、主演女優賞(フランシス)、助演男優賞(ウディ、サム)など多数ノミネート!
 
スリービルボード
監督 脚本 製作 マーティンマクドナー
 
出演 
フランシス・マクドーマンド
ウディ・ハレルソン
サム・ロックウエル
アビー・コーニッシュ
ジョン・ホークス
ピーター・ディンクレイジ
ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ
 
ゴールデングローブ賞受賞で喜ぶ面々!

 

 
以下、ネタバレご注意下さい↓

ストーリーは・・・

アメリカミズーリ州片田舎エビング(架空名)で、数ヶ月前娘が何者かにレイプされ、惨殺された母親、ミルドレッド(フランシス・マクドーマンド)。一向に地元警察の事件の捜査は進展せず。

滅多に車の通らない寂れた街道沿いの大看板(もう何十年も広告主のないボロボロ)に、大枚一ヶ月5000ドルも払って1年契約で

「レイプされて死亡」「犯人逮捕はまだ?」「なぜ?ウィロビー署長」と真っ赤で目立つ広告を出し、地元やニュースも騒然。

「スリービルボード」の画像検索結果

善良で部下や地元民からも愛されるウィロビー署長(ウディ・ハレルソン)、署長を父のように慕うが、暴力的でカッとなると見境ない危ない巡査ディクソン(サム・ロックウエル)、警察の真向かいの広告社の若き経営者レッド(ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ)、離婚したDV夫チャーリー、高校生の息子ロビー、密かにミルドレッドを想う中古車業の小男ジェームスを巻き込み、想像を絶するアクシデント、事件に発展する。

 

 
 
マクドナー作の舞台を観たのは、スポケーン~、イニュシュマン~だけなのですが、どちらも、スッキリ解決するラストではない。
「スリービルボード」も同じ。しかし、皆、マクドナー作品はその「余韻」が絶妙!「余韻キング!」の称号を与えたい!
サッチーと同じ、妄想、空想好きな人は思いっきり鑑賞後、その世界に浸れます。
 
マクドナーは、ロンドン出身でイニュシュマン島~とか出身地方モデルの作品のほか、アメリカの地方スポケーンや、「スリービルボード」ではミズーリ州の片田舎を舞台に書いて、共通点は「閉鎖的な社会でもがく愛すべき変わった人たち」なイメージ。
 
本作はマクドナーもコメントで語るが、自身の映画作品の中でも最もダークで哀しいらしいが、マクドナー作品独特のブラックユーモアや、ミルドレッドを演じるオスカー女優のフランシス・マクドーマンドのウイットに富んだセリフで所々、結構笑える。
(ただ、社会人となっても家計に甘える一人娘ハイジを「できるものなら独立してみろ!」と言い、ほんとに(半)独立してなかなか連絡も来ないサッチーしてみたら、身につまされる話で、(あの時ああ言えばよかった、言わなければよかった)と反省しきり)
娘を惨殺されて犯人もまだ逮捕されていないとは言え、主役母親ミルドレッドの暴走ぶりは「え???それはまずくない?」と引き止めに行きたいくらいぶっ飛んでいるし、ディクソン巡査なんてやってることは警察官というより犯罪者。
むしろ、名だし誹謗中傷で責められれるウィロビー署長は、非の打ち所がない良い人だし、哀しい運命が待っている。
関連画像
凡人が考える登場人物構成やプロフィールとは真逆なのに、惹き込まれるのが天才マクドナー作品だ。
 
各映画賞を総なめ「スリー・ビルボード」
名優フランシス・マクドーマンドは、マクドナー演出舞台の打ち上げの席で「絶対にすごい映画撮れるから私を出して!」と直訴し続けて、ミルドレッド役を射止めたそうだ。「あの頃ペニーレインと」の子離れしないママや、「バーン・アフター・リーディング」の怪女、サッチー大好き映画にほとんど出てる、ほんとに素晴らしい女優さんだわ。他の女優さんが演じたら、重く暗くなってしまいそうだもの。

サム・ロックウエルは「グリーン・マイル」の超絶憎たらしい死刑囚ワイルド・ビルですごいインパクトがあったけど。

「サム・ロックウェル グリーンマイル」の画像検索結果

(グリーンマイルより↑)

ディクソン巡査役、途中までワイルド・ビルと同じく殺したい位、憎らしい暴走ぶりだったのに。

あるシーンから、突然、単純に「善」に目覚めてからの演技、一転して純粋でばか正直で正義で抱きしめてあげたいくらいキュンとした。

これは最大の見せ場です。

観ているうちに悪い?癖が出て、脳内で舞台になったら誰が、この役を演じるか脳内変換。↑

偶然というか、過去のマクドナー舞台作品キャスト録を調べたら、「スポケーンの左手」マーヴィン役、サムロックウェルだった。

本編観ているうちにこの残酷で、瞬間湯沸かし器で、単純で、ちょっと笑ってしまう、ワルい奴、ディクソン(サム)を成河さんに重ね合わせていたら、同じスポケーン~のマーヴィンを演じていたのが嬉しい。

もし、舞台化されて、日本で上演された暁には絶対にディクソンを成河さんが演じてほしいし、それまで生きていたいわ。

サム以上にすごいディクソン、観れそう。

「スポケーンの左手 チラシ」の画像検索結果

 

出ている役者さん、全員素晴らしい。

アカデミー助演男優、署長ウディ・ハレルソンとディクソン巡査サム・ロックウエル、二人ノミネートされてるから。

票が割れてしまいそうだけど、どちらかに獲ってほしい。