クレシダと平幹二郎さん | サッチーのミーハーシナリオブログ

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成河(ソンハ)さん=演劇の神様 をずっと応援しています。
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舞台・映画・テレビ・ときどきプライベート。

(注)脚色・盛りもあります。

数年前までは、映像系ミーハーだったので。

平さんをドラマ、映画の重鎮俳優、佐久間良子さんの元旦那様という認識でみていたけど

俳優座➡劇団四季➡蜷川さんシェークスピア

ばりばりな演劇役者さんだった。

その平さんが今年、キャパ200人ほど、
シアタートラムで主演、高橋洋さんはじめ、若手俳優さんと共演なさるとわかり、ずっとずっと楽しみにしていた
「クレシダ」

すごい舞台になるだろうと予感していた。



クレシダについて語る平幹二郎さん動画

観客としてチケットも買っていたし。
末端でスタッフとしても関わらせて頂いた。

開幕して。



予想を上回る素晴らしいお芝居に震えた。

特に平さんの役、元少年俳優シャンクが若手有望少年俳優に、計らずも命を削って自分の芸を受け継いでいく姿が。
そのままの平さんとかぶり。

はじめのほうはまだ客席にも空きがあって。
こんなにこんなに贅沢で、今しか観られない舞台がもったいない。

しつこいくらいにブログや、Twitterや、ラインで良さをアピールした。
有りがたいことに友達、ファンともさんが観に来てくれた。

後半は、口コミで評判も広まり、
当日券に並び、連日立ち見が出るほど。
ほんとに嬉しかった。
最初から満員大入を観るよりも。
その実力で席が埋まっていく過程。

トラムでの25公演。
うちマチソワある日が6日。

82才の平さん、2時間半(休憩15分)でずっぱり、しゃべりっぱなし、たちまわりあり。

体は大丈夫かなと思ったけど。

最前列、かぶりつきで拝見した平さんは孫くらいの歳の浅利くんや、橋本あっちゃんを相手に生き生きと誰よりも元気にシャンクを演じていた。

客席も、平さんと同年代くらいの男女が多く
長台詞やたちまわりのあとには、
ストレートプレイにはめずらしく、
「ブラボー!」の掛け声や、拍手が起こり。
カーテンコールでは、トラムでは珍しいスタンディングオベーションが。



バックステージものだし、客席に向かって
ラスト、5分、シャンク平さんが話かける姿はもはや、1630年代にみんなかがタイムスリップした空間だった。

「(いまはまだ舞台の上に女子は上がれない時代だけど)いつか近い将来、きっと女性もこの舞台に上がれる日が来る気がする。ようこそ、ご婦人たち‼」

と言うシャンクの台詞に。

女優でもないわたしでさえも。
涙腺が崩壊。

400年前にシャンクのようなひとがいたから。
こうやって素晴らしい舞台が観れるし。
女優さんたちも舞台に上がれる。

きっと連日客席にいたであろう現役俳優さん、女優さんたちの魂にも響いたに違いない

普段。あまり、書かないアンケート用紙に必死で熱い思いを書きなぐった。
「再演をお願いします。平さんが素晴らしい‼」
お客さんも口々に
「ほんとに観に来てよかったわ」
と言って放心状態でロビーを出ていった。

トラムのあとも、水戸、大阪をまわり。
友達もつい最近の大阪公演が素晴らしいとラインをくれたばかりで。

そんななかの。
まさかのニュース。

悪夢をみているかと。

あんなにパワフルで元気だった平さんが。

もう、夜中に涙が止まらないし。
眠れない。

親族、共演者さん、スタッフさん、みんな辛くて悲しいでしょう。
昔から平さんを尊敬してやまないリチャード役の高橋洋さんも⬇
高橋洋さんのブログ

平さんと共演出来て幸せと連日Twitterにも書いていたグーフィ役の碓井くんも⬇
碓井将大くんのブログ



一般新聞にもかなりのスペースをさいて載っていた。

あんなに一生懸命だった演出の森新太郎さんがどんなにショックをうけているか、心配。

朝日新聞のコメントに
「一週間前、『また機会があれば一緒にやりましょう』とお手紙を頂き僕もすっかりそのつもりでした。今は一緒にお芝居を作れた貴重さをかみしめています」
と。

もちろん、もっともっと平さんの素晴らしい舞台を観たかったけれど。

最期の舞台が「クレシダ」で。

世代交代、若手への魂のバトンタッチ。

必然的な運命の舞台。

奇跡的に観れたお客様は本当に幸せだし。

共演した俳優さん。
観劇した俳優さん。

平さんの命を掛けた志を
きっと後世まで引き継いでくださいね。



いま、雲の上から。

演劇界を見守る神様になっているでしょう。

追記

10/27青山葬儀場にてお通夜。



10/27朝日新聞夕刊に追悼記事が。