サッチー的に今年のシアタートラム&森新太郎さんの秀作率が高いのです。

大劇場は響とゴージャスさにワクワクしますが。
小劇場の220席、舞台の生声、匂い(演者さんの香水やお香)、汗、涙も飛んでくる。
舞台と客席が一体化する。
その時間、その世界に飛べる。
そんなスペースを探し求めていたんだと。
小劇場同好会、募集中。

「クレシダ」
作 ニコラス・ライト
翻訳 芦沢みどり
演出 森新太郎
晩年、演技指導者となってかつての名優シャンクと、うら若き少年俳優たちの、生きる姿と人間模様を麗しく、時にユーモラスに、時に重厚に描く―。
@シアタートラム 9月 4日 ~ 9月25日
キャスト:平幹二朗、浅利陽介、碓井将大、藤木修、橋本淳、花王おさむ、高橋洋
1600年代、シェークスピアが活躍していたイギリス。
歌舞伎のように舞台に女は立てなかった。
声変わりまえの少年がジュリエット、クレオパトラ、ロザリンドを演じていた。

グローブ座。
かつては看板役者だったが、芝居への情熱を失い、演技指導者となったシャンク(平幹二郎)
俳優養成所所長が他の少年たちを連れて夜逃げしたせいで、ひとりぼっちになり、グローブ座の夏の夜の夢の妖精に使ってくれと飛び込んでるサ行がうまくしゃべれない可哀想な少年スティーヴン(浅利陽介)
普通なら、とても一座に入れるレベルではないが。
経理のディッキー(高橋洋)の追求により、発覚したシャンクのピンハネ流用金を返すためにスティーヴンは利用(売りに出される)される。
年老いて、ずるくて金にだらしなくて、稽古も一番弟子のハニー(橋本淳)に丸投げするシャンク。
流用した金100ポンドを返さないと罰として舌に熱い鉄を当てられる。
必死で一座総出で金をかき集めるちょっとせつないドタバタ劇。
少年俳優グーフィー(碓井将大)もトリッジ(藤木修)も、小道具係ジョン(花王おさむ)もどこか師匠シャンクを小バカにしながらも、素直に従い愛を感じる。

これは、、、
絶対に観なきゃいけないやつです。
演劇に携わる人。
演劇が好きな人。
無理をしてでも観ましょう。
クレシダ公演チケット詳細⬅
平さんがもう、シャンクそのもの。
2時間半(途中休憩15分)ずっぱりの長台詞。
マチソワ公演も6日ある。
ご自身はまだまだ現役は続きますが。
次の世代に芸を受け継いで行くかつての名優を生き生きと演じて。
劇中劇の台詞や立ち回りでは、客席から、拍手やブラボーが飛ぶほど。
平さんがすごいすごいと噂には聞いてましたが。
わたしが二年前に観た舞台「炎立つ」の平さんは要所要所ですごい存在感だったものの、出番は少なかったので。
まさか、82歳の御大でここまで滑舌良く、アクションばりばりで観客を笑わせ、泣かせ、引き込むなんて。
客席は年配の男女が多いのですが、みんな笑って楽しんで幸せそうです。
「ほんと、観にきて良かったわね」
と口々に言っています。
そして、浅利くんは9daysQueenの王子役で、碓井くんは女中たちで、橋本あっちゃんは書く女で拝見してましたが。

平さん、花王さん(おなじく炎立つ拝見)、洋さん(アドルフに告ぐ拝見)のベテラン勢と若手の化学反応が素晴らしく。
もともとバックステージものなので。
舞台うらをリアルに観ている感じが。
最前列で観たので、少年役の若手がみんな色白でまばゆく、脛毛を剃った足のカミソリ負けのあとがやや痛々しかった(⬅それもある意味リアル)。
パンフレットをみていて、みなさんのコメントが
「森新太郎さんと仕事がしたかった」
「憧れの森新太郎の演出作に出られて嬉しい」
ものすごい森新太郎人気




平さんにもかなりのダメ出しをして
平さん、ちょっと落ち込んだらしい。
実際に観てほしいから詳しくは言えないけど。
ラストのシャンク平さんの台詞が、
泣けます。
幸せ涙。
シェークスピアを好きな人も、知らない人も楽しめる。
洋さん、融通の効かない経理係役のほかに、かなりぶっとんだ二役も見ものです。
浅利くん、かなり進化して頑張っている。 みんなが声が成河さんに似てると言ってる。
碓井くんの目と鼻と口が丸くて可愛い。
アラレちゃんみたいにとがった口をみてください。
演劇愛がたくさん詰まった、、、
ぜひ、ぜひ、必見。クレシダ。