スポケーンの左手、千秋楽。
上演中は間違いなく、目の前に、カーマイケル、マーヴィン、マリリン、トビーが生きていた。
幕が降りたら幻、儚いから美しい。

最近は立ち見まで満員大入り。
成河さんファンも勢揃い。
千秋楽だからネタバレますが。
客席まん中、一文字舞台前通路には、、、
上演中に、いろんなものが飛んでくる。
マリリン(蒼井優ちゃん)トビー(岡本健一さん)の靴。
カーマイケル(中嶋しゅうさん)が集めた自分の手じゃない左手。
まるで雪合戦みたいに、トビーとマーヴィン(成河さん)が、左手を投げて、ぶつけ合うシーンはシュール。
毎回、自分のところに飛んでこないかどきどき。
マーヴィンくんの独白シーンは、成河さんが、働きたくないホテルでいやいや働いている愚痴を言いながら突然脱ぎ出し。
パンイチになり。
過激な妄想話。
成河さんは、こうゆう、狂気じみたシーンが似合うな。
きっと。奥底に熱い魂の叫びを秘めてるんだ。
マーヴィンはフロント係と呼ばれるのを嫌悪しているけど。
このエピソードのあとも、きっと、愚痴りながらも、毎日事件が起きないかワクワクしながらずっと働いて大ベテランになってるよね。
さみしがりやさん。誰かと繋がりたい。

いままで、大劇場でヘッドマイクやフロントマイクを通して聞いていた台詞も。
小劇場は生声。
抑えた声、ヒステリックな声、低音。
少年の顔、狂気の顔、かっこつけた顔、孤独な顔。
声も顔も百面相な成河さん。
息遣いも、筋肉の動きも、唇の震えも、目の前で堪能。
こんな贅沢なお芝居は二度と観れない。
千秋楽は、ラストに近い、マリリンが非常階段から逃げようとするシーンが目の前で観れる背面の上手席。
マーヴィン「え、行っちゃうの、あんた、オレのこと、好きになりかけてたと思ったのに」
マリリン「、、、(絶句)」
↑で。
マリリン(蒼井優ちゃん)が、いまだかつてない、いやーな顔をかなりオーバーアクションしたので、並んで座っていたライナスさんやみんなと大笑い。
しゅうさんの奥さん、鷲尾真知子さんも、三回くらい客席でお見かけしたけど。
千秋楽も、私の斜めうしろで、楽しそうに笑っていらっしゃった。
ステキなご主人の演技、誇らしかったでしょうね。
ほぼ、台詞も覚えてしまった。
終わってほしくなかったけど。
アンコール、二回目、いつもは、下手マーヴィン、カーマイケル。上手マリリントビーと二人ずつ、正面、向こう正面に別れて挨拶するのに。
突然四人が正面を向いてわさわさ。
中嶋しゅうさんが
「演出の小川絵梨子さんです。」
と客席後方に隠れていた小川さんを舞台にむりやり引っ張りあげた。
かつて小川さんは絶対に舞台には上がらなったみたい。
「なんか、すみません」と長身を小さく屈めて両側にペコペコする小川さん可愛い。
四人の出演者だけど。
小川さんを入れて完成するような強い強い絆を感じた。
小川さん、すばらしい世界をつくってくださってありがとうございます。
絶対に、、、すごい成果(賞)をあげる気がします。
まだ、現実にあの空間があったのか、、、夢のよう。
さて、今日からスイッチ切り替えなきゃ。