
コミック原作 水城せとな 脚本 相沢友子
監督 佐藤祐市
(私の好きな「キサラギ」や「ストロベリーナイト」「ウォーターボーイズ」も演出、監督してる。ラブストーリーものは初らしい)

現実パート
桜井いちこI真木よう子
早乙女亮一(年下の男)I古川雄輝
越智 宏彦 (年上の男)I成河
脳内パート
吉田 (議長・理性)I西島秀俊
石橋 (ポジティブ)I神木隆之介
池田 (ネガティブ)I吉田 羊
ハトコ(衝動) I桜田ひより
岸 (記憶) I浅野和之

成河さんの出演が発表になった去年秋から原作コミックを読んで、想像以上に脳内の世界にはまってしまい。

あまりに成河さんの越智さん役に感情移入して、キャストさんのイメージで読み込んでいたから。

待ちに待った映像化。
原作通りの世界観だった。
ストーリーは、過去の恋愛に深いトラウマを抱えるアラサー女子桜井いちこの脳内で繰り広げられる会議と年下アート系マイペース男子、年上のいい人安定性男子の間でゆれまくる恋心がカットバックで描かれる。
現実パートは、女子なら「あるあるI」と同調してしまいそうなせつなさや、恋愛のもどかしさ。胸キュンがつまっているし



脳内パートは、原作コミックにかなり忠実なキャストを揃えて、現実パートとのギャップも境目も感じさせない。
原作の水城せとなさんは、舞台っぽいコミックを書きたかったらしい。
キャストも吉田羊さん、浅野和之はじめ、舞台畑の実力者を集めてる。
これは、舞台でやってもすごく面白いはずだ。
桜井いちこ=真木よう子さんは見た目は原作のいちことはまったく違うけど、(キャスティングは意外性のある人で選ばれたらしい)早乙女と運命の再会をして、恋におちるわちゃわちゃ感や、かなりすっとぼけたキャラで新しいいちこを造り出してる。
早乙女=古川雄輝くん、本当の古川くんはかなりの好青年だけど。劇中の早乙女は、かなりの自己チューで、自由人で、職業女子を邪魔する妬み男子全開で。

(この死んでるような冷たい目が早乙女のトレードマーク)
10代の女子からみたら、そこがワイルドで素敵。と思うかもしれないけど、人生を知り尽くした私から見たらかなりのクズ男に感じました。演じる古川くんがうまいと言うことでょう。
越智さん=成河さん。
つい、贔屓目でみてしまうけど。


越智さん、脳内会議メンバーからも、初めはかなり辛口に言われて、「ただのいい人」キャラに思われてるけど。
後半になるに、つれて越智さんの本心、本音が露になる、「越智さん見せ場」があるんだけど。
それを、事前に隠す微妙なナイーブ感が半端なくうまいと監督が、べた褒めしてます。
次に観に行くときはその辺をもっと注意して観ます。
成河さんがキャスティングされたのは(前に舞台のワークショップで一緒だった)真木よう子さんの推薦があったからだそうで。
真木さん、本当にお目が高い。
早乙女派ももちろん多数でしょうが、越智さん人気もうなぎのぼりです。
脳内パート
理性の吉田、西島さん。コメディエンヌの才能があるとは思っていたけど。
ポジティブ石橋とネガティブ池田の板挟みであわあわする、ショックで目がねにピキッとヒビがはいる。天才的に面白い。

ポジティブ石橋、神木隆之介くん。
今までは、ナイーブでひ弱な少年のいめーじだったけど、かなりのハイテンション。将来が楽しみだわ。すごい人気だし。
ネガティブ池田、吉田羊さん。
吉田さん以外にこの役は考えられないくらい適役。アラサーいちこのトラウマ、マイナス思考をすべて背負った笑える攻撃的ネガティブだった。
衝動=ハトコ、桜田ひよりちゃん。
究極の早乙女ひいきで、テンションたかくて。「早乙女、すきぃ~I」「やっぱり、すきぃI」「越智さん、いい人

記憶=岸、浅野和之さん。
おどおどする、議長吉田の頼れる記憶。
浅野さん本人はめちゃ、越智さんに、感情移入してたらしい。
ラストは、ちょっとせつない、感じになってますが。
キーワードは、自分のかいた携帯小説をやたら謙遜してへりくだるいちこに、編集の越智さんが
「自分を否定するのは作品を否定すること」
と、ストレートに注意する。
それがいちこの恋愛の決断に繋がります。
ただのラブコメではない、深さがある。

実は、去年、ロケを観に行ったんだ。
越智さんのシーンは終わってしまったらしかったけど。
いちこさんのシーン。
半日以上かけてじっくり撮っていたあのシーン。知らずにエキストラ軍団と一緒にいたらスカウトされかかった。
映画館でみたら、ラストの重要なシーンだったのね。時間にしたら2分くらいかもしれない。でも重要。