
今回、席は16列目センターブロック、かぶりつきとは言わないまでも、舞台全体がよく見渡せる。お気に入りさんが出る舞台以外はこのくらいの位置から観るのがちょうど良いかも!
閉鎖的な精神病院が舞台なのでセットも「ショーシャンクの空に」と似て、金網背景のナースステーションは中二階のガラス張り。
インディアン患者チーフ=山内圭哉さんのモノローグのときに・・・暗くなって背景にプロジェクターマッピングで壁や、滝が映し出されて綺麗だった!
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そのチーフ役 山内さん。
いつもはこんな感じのつるつるスキンヘッドに顎と後ろ髪だけ伸ばしてる。
「しゃばけ」で出会うまでは「この人・・・何者?」とやや胡散臭く思ってましたが。
観劇ファンは知らぬ人はいないくらいのあの関西弁でとぼけた個性的な演技。一度生山内さん観たら魅了されます!
でも今回のチーフ役は・・・過去にパパインディアンを部落の人にボコボコにされて魂抜け殻にされ、それがトラウマで周りとのコミュニケーションが一切できなくなって、しゃべれない、会話が通じない=重症な精神患者。
なのでず~~~~~~~と、モノローグ、ナレーションが流れ、山内さんは無言で宙を見る。びっくり!
このままずっと喋らないまま・・・公演中もずっと???
と・・・思ったら!
後半・・・マクマーフィー=小栗くんのあつい想いが通じ、突然意思表示ができるようになり(それがラチェット婦長の逆鱗に触れる事件へ発展するのだが)生でセリフをしゃべる山内さん観て安心したヽ(*´∀`)ノ
山内さんに毛がある役は、いま放送中のNHK「吉原裏同心」の髷姿・・・くらいしか見慣れてない。

インディアン役で髪を後ろで長く編んだ三つ編み姿・・・意外と似合ってる。欲をいえば横に三つ編み二つ観たかった。
チーフ役は本当に本当に重要な役。河原さんに信用されてるんだな。
観劇後にまた演出河原さんに逢ったので、少しお話した時に「山内さん、好きなんですよ」と言ったら
「あ~ごめんね!前半まったく喋ってなくて(笑)」と謝られた。
山内さん、小栗くんを含め、キャストさん10数名・・・
患者さん役10人くらいのうち、三人くらいが植物人間化してて・・・
最初のシーンとか慣れるまでに時間がかかる。映画観てるから、内容的に覚悟してるけど、あまり知らないで観に来てる人は・・・
ややドン引きするくらいのリアルさ。
とくに(山内さんがたまに間違えられるというスキンヘッド仲間の吉田メタルさんの役ラックリーは・・・
もうほぼ動物的な動きしかできない。(ある手術によって)
ずっと、壁のはしごに寄りかかって揺れてる。寄生しかあげない。大変な。。。後を引きそうな役だ。役が乗り移る俳優さんだったら私生活も影響しそう。
ややうるさい後部座席の人たちがずっと「かわいそう、かわいそう」言ってた。
でも、バスケットしーんとかほんわかする場面もあります!

(やや井出らっきょさんに似てる)
思ったより出番は少ないけど。いま小栗旬より「旬」な吉田綱太郎さん。
気が弱くて鬼婦長に逆らえないのに、入院したばかりのマクマーフィーとはすぐに意気投合。
職員では唯一、マクマーフィーを庇い、理解者の医師スパイヴィ役。
吉田さんが出てくるたびに会場が「お~!」って感じにざわめきました!人気者!年代を超えて小栗くんの親友?盟友?
そして・・・
去年の夏の大杉漣さん主演舞台「象」では、蓮さんに寄り添うナイーブな奥さん役で。。。すごく可愛い声で可愛い役で・・・
出待ちのときもすごく優しくてファンになった神野三鈴さん。
「カッコー~」の出演メンバーをチラシで見たときに・・・
神野さんの名前があって・・・まさかあの・・・冷血婦長役じゃないよね?って思ったけど。
今回。マクマーフィーの天敵、ラチェット婦長。
言い回しは柔らかいんだけど・・・
もうネチネチネチネチ、ネチネチキャラ大賞があれば優勝。
映画のラチェット婦長は、敵意丸出しだけど・・・

神野さんは静かに抑えた感じで真綿でじりじりな感じ。三谷さんの舞台やドラマでも常連さんな神野さん。いろんなキャラクターを演じ分けられてすごい!神野さんの怖さがなかったら成立しない舞台だと思う。
患者&スタッフのミーティングでは、患者の傷に塩をすり込むように、あれじゃ精神的に改善するどころか悪くなりそう!
初日で、婦長の威圧的で、絶対的権力を振りかざす態度に敵対心を燃やしたマクマーフィーは・・・こっちがはらはらするような規律破りばかり。
とうとうバツとして、電流ショックの罰を与えられ・・・
この時はまだ・・・序の口。
マクマーフィーのヒーロー性はかっこいいけど。
ここまで反発して睨まれると・・・破滅が・・・
(つづく)ながっ!