刀語 第五話「賊刀・鎧」 | 無限回廊幻想記譚 旧館 -アニメ・映画感想-

刀語 第五話「賊刀・鎧」

尾張幕府の否定姫(ひていひめ)は左右田右衛門左衛門から、尾張幕府家鳴将軍家直轄預奉所軍所総監督《奇策士》とがめが四季崎記紀が作った完成形変体刀十二本のうち4本を蒐集したとの報告を受ける。
彼らは日本最強の剣士・錆白兵を倒した事で、名をあげようと言う剣客から次々と狙われ続けていた。
白兵を日本一に据えたのは否定姫だという事。
とがめが調子に乗っていると笑う否定姫に、報告した右衛門左衛門は彼女の連れている虚刀流の鑢七花が、未だ傷一つ身体に受けておらず、侮りがたいと語る。
そんなとがめと七花が次に向かったのは薩摩。そこで待ち受けるは最強の防御を誇る賊刀・鎧。
否定姫は防御対防御、どうなるのかとほくそ笑む。
否定姫はとがめの正体を知っているという感じかな。
最終的には右衛門左衛門との対決が待っているのでしょう。

薩摩に到着したとがめたちは、早々に濁音港で行われている賭博闘技場で賊刀・鎧の所持者である校倉必(あぜくら かなら)の戦いを目の当たりにする。
西洋甲冑を模した日本刀であり、最強の防御力をもつ鎧。
それを所持している鎧海賊団の船長である必は、その強さ故に闘技場で絶大の人気を誇っていた。
日本式ではないのは、防御として隙間を作らないようにするためか。太い剣を叩き折るほどの強固な作りとなっているようだ。

混浴温泉に入ったとがめと七花。
とがめは七花が約束通りに本当に自分も傷つかずにいる事を感心する。
自分の失態である真庭蝙蝠の「絶刀・鉋」と錆白兵の「薄刀・針」を回収した事で、とがめは焦って回収しようという意識は失い、気持ちにゆとりが生まれているという。
心のどこかで七花が他の人間のように裏切るのではないかと思っていたというとがめだが、七花はとがめから愛されまくっていたと感じていたと言い、何よりそのために金のためにも刀のためにも動かない虚刀流の自分を選んだのではないのかと問い掛ける。
虚刀流がいくら金や刀のために動かないと言っても、それが絶対であるという保証は何処にも無かったのだから、当初のとがめに疑心があったとしても仕方ない事だろう。
「そうだな……そして何より」
「愛か?」
「その通り! 愛のために動く男!!!」
「俺はとがめに惚れてるんだからよ、裏切るわけがねぇだろうよ」
一緒に旅をしたこの五ヶ月の間に、日々惚れ直しているという七花だが、相変わらず一緒に温泉に浸かっても反応はない。
七花が前よりも男らしくなっているのではないかと感じるとがめだが、七花は自分ではよく判らない。
あの状態だと、七花のナニはとがめに丸見えですよね。七花が恥ずかしがらないのはともかく、とがめはもっと恥ずかしがっても良いと思うのですが。
ちなみに、江戸時代などは混浴が当たり前でした。一時期混浴禁止令なども出ましたが、本格的に廃止されたのは明治になって西洋文化が入ってから。
当初は反発も大きかったらしいです。今では考えられないが……
でも、最近は少し混浴がブームだとかなんだとか。また、銭湯で子供が異性のお風呂に入れる年齢は県こどに異なります。と、どうでもいい話。

浴衣姿になったとがめだが、七花は相変わらず無頓着。
普通の男なら、褒めるべきところですが、七花にそんなものを期待する方が間違いというもの。

本題に入る2人。
強固な防御力を誇る鎧。しかもその外には無数の刃があり、敵を攻撃する。
とがめは鎧の対策として、海に突き落として溺死した所を回収する、熱して中の人間を熱死させるなど、卑劣というか悪魔のような戦術ばかり。
刀を集めるのが目的であって、別に持ち主と戦わなければならないという道理はないからな。
鎧を脱いだところを攻めるという七花の案は、しかし必が人前では決して鎧を脱がない事から難しかった。
必も鎧を脱げば、そこを狙われるというのは充分に判っているからでしょう。
とは言え、風呂などでは脱がないわけにはいかないだろうから、人目に付かないように独りでこっそりと入っているという事なのか。
それとも部下にでも周囲を見晴らせているのか。

とがめをマッサージもどきで踏みつける七花。
とがめは七花が初めて自分よりも大きな相手と戦う事で、今までとは違う戦い方が必要だろうと告げる。
七花はずっと島にいて、彼が戦った相手はとがめがほとんど把握しているのだろう。しかし親父さんは七花よりも大きく無かったのかな。
成長した後は七花の方が大きかったのだろうか。

とがめたちの下に必が自ら訪れてくる。
とがめたちの正体も、七花の事も既に知っていた必は当然、刀集めが目的である事も承知していた。
鎧を手に入れた後、尾張へと一度戻るつもりのとがめだが、必は自分を倒した後に無事に町から出られるのか、と問い掛けてくる。
この町の英雄であり、実質的な支配者ですから、彼を倒せば町全体を敵に回す事になるというのは充分に考えられる事か。

必は七花に決闘を申し込む。
七花が勝利すれば鎧を与え、町から無事脱出させる。
交換条件として賭博闘技場で戦うように告げる。
自分たちが負けた場合の条件を問いただすとがめは、集めた四本の刀を欲すると考えていた。
「ご明察だ。
 俺が勝った場合は、とがめ、あんたをもらい受けたい」

「そうか、そうであろう。
 は!?
 刀はいらんのか!?」

「刀、そんなものに興味はねぇ。
 俺はこの一本があれば十分だ

とがめに一目惚れしたので、自分の女になれと迫る。
七花を倒した場合は、必が七花の後釜となって刀集めを行うので、とがめには損はない筈だという。
とがめの予想は大外れ。まさかの事態にかなり狼狽えていますが、とがめは男に面と向かってその手の台詞を言われた事はないのだろうな。


対鎧の技として考えた虚刀流四の奥義『柳緑花紅』。衝撃を表面ではなく、自分が好きな位置に与える事の出来る技。
鎧通しという事で、遠当てのような技かな。

必の申し出に対してのとがめの答えを聞きたがる七花。
渡りに船であるというとがめに、意地悪がしたくなったと帯を思いっきり引っ張ったり、足を引っかけたり、髪の毛を引っ張ったりする七花。
自分でも何故そんな事をするのか判らない。
海賊団に裏方に回ってもらって、自分ととがめで刀探しをするという七花の案は、女を独占したいタイプであり、七花を邪魔と感じているであろうからという理由で不可能と判断していた。
知らず知らずに嫉妬している七花ですが、いかんせんその感情がナニかという事がまず判らないのだね。
恋のライバル登場で、少しは2人の関係にも変化が生まれる事になるのか。

海賊の言う事は信用出来ないとするとがめだが、七花は愛で動く者は信用できるのではないのか、と疑問を抱く。
七花が嫉妬していることに気付いたとがめは、負けて生きていた場合には七実の待つ島に帰るべきだろうと告げる。
納得できないものの、とがめがそう言うのならばと従おうとする七花に、自分への執着はその程度なのかと怒るとがめ。
基本的に七花のスタンスは「とがめがそう言うのなら」と何でも従っている。我を通そうとしないのは良いところでもあり、悪いところでもある。女としては、何が何でもという姿勢を見せて欲しいのだな。

そこに2人宛に真庭忍軍鳥組の指揮官にして実質的な真庭忍軍頭領・真庭鳳凰からの書状で呼び出される。
話し合いをしにきたという鳳凰は、自らの腕一本を代償としてとがめと話をする。
しかし鳳凰の名前を考えると、腕が再生したりくっついたりするんだろうな。だからこそ簡単に自分の腕を斬り落としたのではないのだろうか。
僅か半年で12頭領が半数にまで減少してしまった真庭忍軍に、とがめを裏切ったのは間違いかもしれないと語る。残る6人でなんとかするしかないと考える彼は、とがめに真庭忍軍と同盟を結ばないかと提案する。
とがめと自分たちの追い求める者は似て非なるという鳳凰。
底の知れない鳳凰に、とがめは自分が在処を知る双刀・鎚以外の刀を狙う事を条件に、一時休戦とする。
陸奥、出羽、江戸の3カ所に刀があるらしいという情報を提供する鳳凰。
全うに考えれば飲む必要がない条件をわざわざ飲んだのは、それだけ鳳凰が油断ならない相手であるという事の表れか。他の頭領とはひと味違うのですね。

否定姫が動き始めているという情報に驚くとがめ。
去り際に、とがめが口癖としている「ちぇりお」について正しくは「ちぇすと」であると指摘する鳳凰。
「“ちぇりお”というのは、異国の言葉で「さようなら」という意味だ」
自分の勘違いにすっかり取り乱したとがめは、わざとだとか必死に取り繕おうとするも、最終的には間違いを認める。
実は七花も間違えている事は知っていた。
回りの人はチェリオが異国の言葉と知っていたかともかく、不思議なかけ声を使うとは思っていたのだろう。しかしてっきりご当地の人間に指摘されるのかと思いきや、まにわにに指摘されました。

仲の良い妹こころと共に暮らしていた必だが、妹は海賊に殺害されてしまい、必は海賊の下で下働きする事となった。
そこで出会ったのが賊刀「鎧」。
五年後、海賊の頭の気まぐれで鎧を身につけることになった必は、忘れることの無かったこころの復讐のために海賊を皆殺しにした。
そんな妹の面影を持つとがめ。
ただの一目惚れというわけではなかったのか。確かにただ惚れたというだけにしてはおかしいわな。それこそ海賊なら、力尽くで奪い取れば済む話でもあるのだし。

そして決闘当日。
七花はとがめから出来る限り必を殺さず、深手を負わさず倒すようにとの指示を受けていた。
錆白兵を倒したという腕前を見せろと笑う必。
「言われなくても見せてやる。
 ただし、その頃にはあんたは八つ裂きになっているだろうけどな」

相変わらず決め台詞は忘れていませんけど、今回は八つ裂きにしたらダメなんですよ。


開始と同時に間合いを詰めて鎧通しを使った七花だが、衝撃を逃がすことで鎧通しを通さない仕組みとなっていた。
四季崎記紀もその辺りはぬかりなしという事か。単純に固いだけの鎧を作ったわけではないという事。あらゆる衝撃を逃がすからこそ最強の守りなんですね。でなければ、強い打撃を受ければ、中の人間が耐えられない事があるだろうからな。
攻撃の通じない七花に、覚悟を決めろという必。
刀として優秀ならば、譲るべきなのかと悩む七花。
とがめは諦め掛けた七花を叱り付ける。
勝つように命じたとがめは、惚れた女の前で兜も脱げない男を、一緒に風呂も入れぬ相手を信用など出来ないと一喝する。
例え技の一つが通じなくとも、鍛え抜いた肉体があるはずだと叱り付ける。
「そなたが私に惚れているというのならば、力尽くで私を守ってみせろ!!」
とがめが本当に欲していたのは、自分が絶対に守り抜くという強い決意を見せる事だったのでしょう。

とがめの喝で目の覚めた七花は、自分があれこれと考えすぎるようになっていたのだと反省し、再び闘志を燃やす。
「来いよ校倉。
 俺としては不本意だったが、しかしもう充分盛り上がっただろう」

「調子に乗るなよ。
 俺は海賊だ。
 欲しい者あらば、あらゆる邪魔を排除して略奪するだけだ」

「奪いたきゃ奪えば良い。
 だけどその賊刀は守るための刀じゃねぇのかよ」

「むぅぅぅぅぅぅ」
「護る者がある奴は強いんだぜ」
 必は限定奥義『刀賊鴎』で決着をつけんと、全力で突撃を計る。
 だが、七花はこれを正面から受け止める。
「身体が大きければ強い。
 けれど、大きい方が強いって訳じゃねぇ!」

七花は必を強引に持ち上げる。
「それで良い。
 そなたは少し虚刀流に頼りすぎだ。
 二〇年間それしか知らなかったのだから、無理からぬが。
 しかしそなたにはそれしかないという訳ではない。
 こざかしい技など使わずとも、その鍛えた身体だけでそなたは充分強い!」

最後は力業で倒してしまいました。
これは相手が必だったからこそ成せた戦いという事だろうか。白兵とかが相手では力業で倒すとかは無理だろうし。

「礼を言わせてもらうぜ校倉必。
 あんたのおかげでようやく判った。
 俺の存在そのものがいながにして一本の日本刀だが、それと同時に人間でもあるって事だな。
 だけど校倉……
 ついでにもう一つ言わせてもらう!!!」

 七花は必を力一杯投げ飛ばした。
「俺の女に、手を出すな!!!」
必の出現によって、少しは人間らしさを手に入れた七花は、とがめに対する独占欲を学びました
これによって今後戦いに何か異変が生じる事があるのだろうか。

鎧を差し出した必。
部下はとがめが彼の死んだ妹に似ており、年の頃も同じぐらいだったと告げていた事を伝えるが、必は彼女の前に姿を見せることは無かった。
最後まで素顔は判らず仕舞いか。

鎧など無くても必は強いが、これまで姿を見せなかったので、姿を見せるのは勇気がいる事だというとがめだが、振った相手に対しては会わない方が良いと考えていたとがめ。
とがめは「ちぇりお」という間違いを、真実を知った今後も押し通すことに決めた。

だが、2人の乗る船は、必の意趣返しで尾張ではなく、絶対凍土の蝦夷へと向かっていた。

エンディングテーマ
「愛と誠」歌:とがめ(田村ゆかり)

今回は鳳凰が交渉に出てきた事もあってか、まにわにが誰も死ななかったな。
まぁ、その代わりに前回3人も死んでしまいましたけど。

次回 第六話「双刀・鎚」

流石に七花も次は服を着ています。


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