喰霊-零- episode 12「祈 焦-いのりこがれて-」 | 無限回廊幻想記譚 旧館 -アニメ・映画感想-

喰霊-零- episode 12「祈 焦-いのりこがれて-」

「強くなったね、神楽。
 本当に、強く。
 本当に……
 あなたは、私の自慢の妹よ。
 ゴメンね、神楽……
 大好きよ」


環境省・自然環境局・超自然災害対策室にやってきた土宮神楽が飯綱紀之の机に置かれた死霊を眺めていると、岩端晃司がナブーとともにやってきて紀之が消えた事を告げる。
やけになって犬死にされるよりマシだという岩端。
「意味のある死に方なんか、あるのかな」
そう呟く神楽は、黄泉の所へ案内して欲しいと頼む。
紀之、あのまま消えちゃったようです。

森で銃器を手にした防衛省超自然災害対策本部特殊戦術隊の追っ手と戦い続ける黄泉だが、圧倒的な力の差で追跡部隊を殲滅する。
黄泉を追跡していた部隊から連絡が途絶えた事を第一課の隊長から報告受けた岩端だが、ヘリを借りられただけでも満足だと語る。
隊長は桜庭一騎に銃を向けた事だけでも謝りたいと告げるが、岩端は一騎が死んだ事を告げる。
観測班が全滅し、黄泉の居所を把握する事は出来ない。
だが近づけば殺生石が共鳴して自然と黄泉の居所を教えてくれるのだ。
防衛省のあの隊長が協力してくれているようです。てか、この深手は先の戦いで負ったものなのか、それとも黄泉の追跡に加わっていて受けたものなのか。

追っ手を全滅させた黄泉だが、殺生石に意識を持って行かれる感覚と必死戦っていた。
溢れ出す哀しみや憎しみといった感情を抑えきれなくなりつつある黄泉。
この感情が本当に自分の望む者なのか、呟く黄泉に、三途河カズヒロがその通りだと答える。
「殺生石が完全に融合すれば、キミは自分の欲望のままに行動する。
 そしてキミは、キミが憎んだこの世界を滅ぼすのさ」
笑うカズヒロだが、黄泉は殺生石の力に苦しみ続ける。
「殺生石よ、お前は本当に私の望みを叶えるのか?
 私の、本当の望みを……」
なんか黄泉の顔が微妙にエロいです。黄泉はまだ完全に飲み込まれてなかったようです。追っ手と戦っている間は、下の状態に戻っていたのか。
そしてストーカー三途河。常に行動を見続けているのですね。

殺生石が共鳴し、黄泉の近くまでやってきた神楽たち3人は、ヘリから樹海に降り立つ。
三人の周囲に、黄泉の殺生石におびき寄せられた悪霊達の群れが現れ、岩端、ナブー、神楽は武器を手に戦い続ける。
カテゴリーDの出現に先生の死を思い出して怯む神楽だが、ナブーと岩端の援護を受けてカテゴリーDたちを飛び越えて黄泉の下へと向かう。
神楽の戦い方がかなりカッコイイです。

神楽がやってくるのを待っていた黄泉。
土宮雅楽がまだ生きているか、と問い掛ける黄泉に、神楽は久しぶりに雅楽と話をしたと語り始める。
「あんな優しいお父さん、初めてだった。
 初めて家族なんだって感じた。
 でも、それで最後だった」
神楽の言葉を少し寂しそうに聞く黄泉は、自分の身の上を語り始める。
幼い頃に死んだ本当の家族、そんな彼女を引き取った諌山奈落が父で、神楽が妹、それは本当の家族だったが、それも既にない。
「ごめんなさい。ごめんなさい、黄泉」
突然誤り始める神楽。
黄泉は悪くないって信じていたが、それだけではダメだった。
自分の思い込みが逆に黄泉を傷つけてしまっていた。
「事実かどうかじゃなくて、黄泉の事を理解して、力にならなきゃいけなかったんだ。
 本当に信じるって、そういう事なんだよね
 ごめんなさい、黄泉」
「もう遅いわ」
「それでも、謝りたいの」
「私を殺す前に?
 それとも、自分が死ぬ前に?」
乱紅蓮を召喚した黄泉に対して、神楽は喰霊開放によって『白叡』を呼び出す。神楽が『白叡』を召喚した事に驚きながらも、黄泉は小さく笑う。
たとえ黄泉が間違いを犯してしまっていたのでも、それを受け止めてあげなければいけなかった。しかし神楽は黄泉が間違いなど冒すはずがない、正しい筈だと思い込んでしまったのでしょう。それが怒りで冥を殺した黄泉を更に追いつめる結果になってしまった事を、ようやく理解出来たのだけど、気付くのが遅すぎた。

白叡と乱紅蓮の戦いを行う一方、剣を振るって戦う黄泉と神楽。
重い斬撃で黄泉の剣を払った神楽だが、黄泉の手前で剣を止めてしまう。
「何のつもり? とんだ茶番ね」
神楽の剣を払った黄泉は神楽の背後をとり、神楽を鎖で絡め取ると、その隙に乱紅蓮で白叡を攻撃しようとする。間一髪それを逃れた神楽に対して、獅子王を投げつける黄泉。
神楽が獅子王を弾き飛ばした事により、乱紅蓮は姿を消す。
だが黄泉は木の小枝で神楽の肩口を突き刺す。
神楽は決意を固めていたのかと思いきや、まだ黄泉を殺すという事は出来ないようです。戦おうと思いながらも、黄泉を殺す決意が付かない宙ぶらりんな状態となっているようだ。

「命乞いを聞かせて。
 そうすればこれ以上苦しまないように、殺してあげる」
冥も命乞いをし、幽も醜く藻掻き死んだ。一騎も泣き叫び、神宮寺菖蒲と二階堂桐も地面を這いずりながら泣き叫んだ。
「あなたのお父上はどうだった?
 無様に死んだ?
 良かったじゃない。霊獣が欲しかったんでしょ?
 お父上が死ねば貰えるものね。
 ねぇね聞かせてよ。死んだ時、ちょっと嬉しかったんでしょう?」
黄泉の言葉に逆上した神楽は、近くの意志で黄泉を殴りつける。
だが、殺生石の力を受けた黄泉は平然と立ち上がると、神楽に斬りつける。
神楽が白叡という力を受け継いだ意味を知れと叫ぶ黄泉。
苦戦する神楽に、飯綱紀之の管狐が助けに来る。
紀之は黄泉が管狐たちを乱紅蓮の咆吼波で消し去っている間に、神楽を連れてその場から逃れる。
黄泉はわざと神楽を煽って本気にさせようとしているところがあるな。
神楽に殺されようとしているのが感じ取れてしまう。

紀之に傷の応急手当を受けた神楽。
斬れなかったという神楽に、あれは黄泉ではなく、殺生石に取り込まれた怨霊だと語る紀之。
放置すれば地上に住む全ての生き物が殺される。
黄泉が自分に殺してくれと言ったのだと告白した紀之は、あの時の独鈷杵を地面の叩き付ける。
「悪い神楽。オレの事、怨んでくれ」
神楽に告げて、その場から立ち去る紀之。
一瞬、自分が黄泉を殺すから、という意味かと思ったけどどうやら違うようで。単にヘタレが最後まで治らなかったという意味だったようです。
黄泉を殺す事を自分でするのではなく、神楽に押しつける事を謝っているのですね。
紀之は結局逃げたままで終わってしまうのか。何処までも軟弱ものだ。

岩端とナブーは悪霊たちを殲滅し、黄泉は決意を現すかのように携帯電話に剣を突き立てる。

座っていた神楽の下にやってきた黄泉。
「覚悟出来た?」
「あなたを殺す……
 人の世に死の穢れを撒くものを退治する。
 それが私たち退魔師の使命」

「ふっ……そう。
 おいで、神楽」
「行くよ」
決意を固めた神楽と黄泉の剣がぶつかる。
戦いながら、黄泉との記憶を思い起こす神楽。
「大好きだよ……大好き。
 黄泉お姉ちゃん」
激しくぶつかる両者の刃。
「お見通しだ! 相打ちは負けと教えた筈。
 これで最後だ!!」
横一文字に、神楽の退魔刀舞蹴拾参號を薙ぎ払った黄泉。だが、神楽は身を低くして最後の攻撃を繰り出そうとしていた。
殺して欲しいという黄泉の言葉を聞かされ、黄泉を殺してあげる事が本当に黄泉の為だと理解したのだろうか。
本当に黄泉の事を思うのならば、ここで全力を出して黄泉を殺す事こそが黄泉の為。
ここで黄泉を殺さないのは、あの時の過ちと何も変わらないと感じたのかもしれないな。大好きだからこそ、自分の手で殺してあげようとしたのかもしれない。

「殺生石。
 あなたが、私を欲望のまま走らせるというなら。
 私の本当の望みを知ってるわよね。
 私の本当の望み、本当の願い……
 それは、神楽……
 あの娘を守りたい。
 あの娘を全ての不幸から守りたい。
 あの娘を全ての災いから守りたい。
 あの娘を傷つけるもの、
 あの娘を危険に晒すもの、
 あの娘に災いをもたらすもの、
 その全てを消し去りたい。
 お願い、あの娘を守って。
 不幸を消して、災いを消して、
 たとえそれが……
 ……私自身であったとしても!!!」
迫り来る神楽の独鈷杵を微笑んで受ける黄泉。
ちょっ、かなり涙腺がやばいですよ、このシーンは……
神楽に殺される事を望んだ黄泉。
たぶんそうだろうとは思っていましたが。

黄泉に一撃を与えた神楽は涙を流し、震える。そんな神楽を黄泉はそっと抱きしめる。

力尽き、倒れる黄泉に嘆き悲しむ神楽は、返り血に染まり、震える手で独鈷杵を握りしめる。
神楽の嗚咽が続く中、周囲にカテゴリーDたちが集まってくる。
遂に黄泉、逝く。
原作で一度殺されている黄泉が甦った経緯とか描かれているのだろうか。まだ全巻読んでないから判らないのだけど。
しかも最新刊ではまた黄泉が復活しているとかCM流れてるし……と言うかですね、黄泉のあの殺生石の力ならこのぐらいの傷では死なないのではないのか、という気がしないでもないけど。

神楽は白叡を開放すると、黄泉を殺した哀しみ、黄泉を殺さなければならなかった怒りで、白叡をカテゴリーDを喰らっていく。
「一番大切な人を斬った神楽には、もう斬れないものはない」
神楽の様子を見詰めていた岩端は、これで全ての痛みを忘れて退魔師としてのお務めをまっとう出来るのだと言うが、ナブーはそれを否定する。
「痛み忘れる、もう傷つけない。
 でも大切な人、作れなくなる。
 俺たちのように。
 神楽まだ若い、人の心捨てる、まだ早い」
「だが、この痛みを背負って生きるには、まだ若すぎる。
 いや、それは彼女次第か」
最も大切な人を失ったがため、これまで手が出せずにいたカテゴリーDであっても容赦なく攻撃出来るようになった神楽。
その業を神楽に背負わせる事となった紀之は、黄泉の壊された携帯電話を手に取り、嘆く。
どちらを選ぶかは神楽次第だという事。
ナブーと岩端は神楽パパのという哀しみや苦しみを忘れた人物。しかし神楽はナブーの言う通り、それらを背負って生きる道を選ぶ事になるのですね。
それは重く苦しいものなのでしょうが。
ちなみに良い事を語っているナブーですが、原作では脇役の上に、戦いの中でその他大勢と一緒に退場してしまう……


神楽への思いが全てをひっくり返した。
黄泉の思いが殺生石を上回ったのか、それとも殺生石が黄泉の本当の願いをかなえたのか。
それは三途河カズヒロにも判らない。
だがこれが終わったわけではない。
長い時を過ごす事の出来る彼には時間が十分にあった。


2年後――
入院生活を送る二階堂桐の面会にやってきた神宮寺菖蒲。
しかし桐の精神は幼児退行してしまっていた。
2年前黄泉との戦いの事を怖い夢として語る桐。
黄泉は桐の腹に剣を突き立てながらも、トドメを刺すことなく苦しそうな表情で立ち去ってしまっていた。
この二人生きてるのか。菖蒲はあの戦いで対策室を止めてしまったのですね。たぶん戦線に復帰しようと思えば出来るのだと思うのだけど。
精神的にもうやっていく事が出来なくなってしまっているのかな。
純情乙女桐ちゃんは乙女を超えて、幼女になってしまった。

紀之は対策室を止め、ナンパなしかし当たる占い師としての生活を送っていた。
軽い……原作であの軽さを知っていたとは言え、吹っ切れすぎだ。
てか、演技がこっちの方が似合っているというか何というか。

ナブーと岩端は、対策室の室長に返り咲いた峰ふじ子の下で働いていた。
ふじ子ちゃんは台詞が無かったので声は不明です。

柳瀬千鶴と真鍋美紅は2年前、突然消えた神楽に、幽霊などが本当に存在していたのかという実感が薄れていた。
二人は神楽の事に思いを馳せる。
何故神楽は二人の下から姿を消したのだろうか。過去を一度精算したかったとかなのかな。
この作品はポッキーがどれだけ好きなんだよ。

クリスマスの夜。神楽は弐村剣輔と共に、東京タワーに救った悪霊退治を行っていた。
人の世に死の穢れを撒くものを対峙する為、神楽は喰霊『白叡』を開放する。
弐村も声が白石でがっかりだ。違う人の方が良かったかな。
神楽の髪の毛は原作通りに長く伸びていますね。


はい、遂に最終回を迎えました。
綺麗に纏まったかな。
この終わり方なら、喰霊本編もやる事が出来るな。
どうなるのでしょうか。
今作が人気会ったから可能だとは思うのだけど、作風がまるで変わってくるからなぁ。
ラブコメ要素がふんだんに盛り込まれてきて、ギャグ部分が入ったり、あの壊れた顔とかも出てきてしまうから微妙なところだ。
今作で好きになった人がそのまま受け入れるのかどうかが判らない。

最後まで一貫して良い出来でした。
黄泉の最後が切なさ炸裂。
どんでん返しから始まり、当初期待していたのとは違う作品でしたが、良い出来だったので良しとしよう。
おそらく今期一番人気と評価の高い作品ではないだろうか。

挿入歌は「Reincarnation -Last harmony-」
song by.yozuca*・飛蘭


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