足立裕志が部長の指示で始めた企業研修研究、第二回は「「OJT研修」「OFF-JT研修」、それぞれのメリット・デメリット」について書きます。

 

OJTとは「On The Job Training」の略称で、職場内で行う訓練のことです。

上司や先輩が指導役となり、実際の業務を扱い必要なスキルや知識を教育する指導法。教わる立場の社員と緊密にコミュニケーションをとりながら進めていきます。

 

OJTでは指導役が手本を見せてから本人に実践させる方法が一般的です。

業務完了後は指導役が評定をして改善点や成長を促します。

実務をベースにした研修を行うOJTでは、新入社員や、その業務に経験のないスタッフでも早期に戦力化が図れる点がメリットです。

 

一方で、指導役の指導法に依存するというデメリットも。

個々の能力や時間によって研修カリキュラムにばらつきが出たり、指導役にとっては大きな負荷がかかってしまうなどの課題もあります。

 

次にOFF-JT。

これは「Off The Job Training」の略称で、社外で行う研修のことです。

人材育成を担当する部署や、外部の専門会社、団体が行うことが多く、いわゆる「新人研修」として実施されるものの多くはこのOFF-JTです。

厚生労働省が行った調査によると、令和元年度、Off-JTを実施した事業所は76.0%に及びます。

 

この研修では、電話応対や名刺交換など初歩的なビジネスマナー、社会人としての知識を教育していきます。

上司らが指導役を務める「OJT」では、どうしても育成スキルによって後輩社員の成長度が変わってしまう難点がありますが、OFF-JTでは同時に同じ内容を教えるため、社員の習熟度のばらつきを抑えられるというメリットもあります。

 

ですが、OFF-JTにもデメリットがないわけではありません。

この研修は座学や集団で講義を受けるなど「学習」的な要素が強く、未だ社会人として経験の浅い社員には、習得したものを実務に活かせない、ということも少なくありません。

 

いずれの研修においても、まずは受ける本人の意識が重要です。

その上で、組織もただ闇雲に研修を実施するのではなく、目的を明確にし、社員を成長させるためにどんな研修をすべきか、方向性を固めることなどが肝心です。