金属屋根材本体の耐風性能などは、みんな建材試験センターという検証機関でしっかりと試験を行い高性能の性能を出している屋根材が多いのですが、

 

実は屋根の中でかなりの風圧を受ける軒先・ケラバなどの「捨て唐草」という部材の留め付け方法が、結構危険な納まりをされている場合を散見しますので、施工をされる技術者の方と施工を管理される管理者の方はしっかり理解してほしい方法です。

 

下図①にあるように昔捨て唐草は正面から釘留めをする場合が多かったです(1990年代今もやられている方もいらっしゃると思います)・・

 

この留め付け方法は耐風性能的は良いのですが、捨て唐草のこの釘穴の箇所って屋根からの水の最終的な通り道のため、釘穴から微量なんですが雨水を合板に回してしまい長期的に合板を傷める原因になったりします。

 

またこの場所の釘留めって釘打ちにくいんですよね・・・・・・(私も何回も打ち外して血豆よく作っていました)

 

それでよくわからないのですが・・図左の立平葺きが普及してくると同時くらいの印象があるのですが、正面に釘を打たずに捨て唐草の上の方にビス留めをしている留め付け方法を多く見るようになりました・・・下図②の方法ですね

 

これってたぶんコロニアルの軒先水切りの留め付けがその位置なので、コロニアルをメインで施工している人が金属屋根を施工するときに同じような感覚で留め付けている気がします・・・

 

これコロニアルは本体の屋根材が重い(1㎡ 約20キロ)ので、軒先水切りは風にあおられることはないのですが・・・・

金属屋根材は屋根材自体が軽い(1㎡ 約5キロ)のでこの方法で留め付けてしまうと、台風などの強烈な風が吹くと捨て唐草が風に煽られてしまいビスを支点にバタついてしまいます。

 

この時ビスが捨て唐草の奥の方に打ってあると、捨て唐草のバタつきがより大きくなり、下図③のようにあおられたときに屋根材本体が外れてしまうのです・・・

 

これ実際屋根メーカーの実務をやっていた時、結構相談受けましたが原因みなこれです・・・・・

2019年の大阪地域の風害の写真など拝見するとすべてというわけではありませんでしたが、これが原因と思われる屋根の破壊も多く見受けられました。

 

不思議なんですけど・・・これを指摘した専門紙はありませんでした・・・・(なにか屋根材の耐風性能をもっと上げないと云々)などの記事が多かったですね・・・

 

実際に軒先やケラバの留め付けって、施工マニュアルに書かない場合も多いので現場判断がおおいという環境でもあるのが問題ともいえます。

 

私の推奨する捨て唐草の留め付け方法は下図④! ②と同じく捨て唐草の上に長いメインのビスを455㎜間隔で留め付けて、合板の先端から20㎜程度の箇所に4×13のビスを300㎜間隔で留め付けますと、風に煽られても合板の先端から20㎜の箇所が支点となるので捨て唐草が煽られて屋根材本体がはがれるような破壊はほぼ止めることができます。

 

たまに②の留め付けを指摘すると「長いビスで留めているから大丈夫だよ!」っていう人いますが・・・違います・・・・支点の問題なのです。

 

積雪地や強風地の方はあまりなさそうな気がしますが、温暖地で特にコロニアル屋根と兼務で屋根施工されている方には絶対確認してほしい事項です。

 

本日はちょっとマニアックになりすぎてしまいましたことに反省ですm(__)m

 

 

受注者(リフォーム会社)、発注者(お施主様)ともに正しい知識を持ていただくように今後も情報を発信していきます。

 

それでは素敵な1日を!(^^)!

 

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