今年もあと少し・・・。
早いようで、長かったようで・・・、
振り返ってみても、いろいろな事があったなぁと、
しみじみお茶をすすりながら深く椅子に腰かけ、
ゆっくりとひと呼吸おいて、ぼんやりしながら目を閉じる機会が多くなった・・・。
今年もハガキが届きました。
天と地への捧げもの
~いのり~
あぁ・・・。
もうこんな季節になったのかぁ・・・。
第一回は私も「あかり」で参加させていただき、上演時間も日が暮れてからでしたが、
今回は日中に行われます。
参加させていただいた時は、私もその後の点灯の準備などで、
落ち着いて演奏を聴くことができず、少々残念でしたが、
一度はゆっくりと聴いてみたいなぁ・・・と、今回、申し込みをさせていただきました。
2年前、娘はまだ小さくて、搬入では相当苦労しました。
あかりの個展では、この搬入のための労力を考えるだけで、
(とくに小さいこどもがいる環境では)少々頭を抱えてしまいます。
が、笛の雲龍氏と笙の田島和枝さんと御一緒に共演させていただいたことは、
私にとって素晴らしく貴重な経験になったように思います。
終わってから雲龍氏からプレゼントしていただいたCD
遮那 水のながれ光の如く
これは車でかけると、娘は寝てしまいます
この中では、いくつかの笛が使われており、それぞれの音色は心地よい安らぎを感じ、
またうっとりとさせてくれる・・・。
龍笛は、静まり返った空間を駆け巡る見えない龍といったように、
空高く昇り、長い体を優雅にくねらせ、その動きが
先の細い尾までしなやかに流れるように伝わっていくような印象を
その音色から想像することができます。
雲龍氏からいただいた際、その場でサラサラと筆でかいていただきました。
そして田島和枝さんからプレゼントしていただいたCD
むすびひめ 万葉に遊ぶ
笙は、透きとおった音色が二重三重に広がり、
この世のものとは思えない、どこか神秘的な印象を受けます。
またこの楽器は鳳凰が翼を立てて休んでいる姿に見立てられているそうで・・・。
”鳳笙”という美しい呼び名もあるそうです。
その音色からは、天に向かってのびていくような輝く糸のように崇高で、
それでいてどこかあたたかい不思議な魅力がそこにはあるように思います。
田島さんは、上演前に庭から植物の葉をひろいあげ、髪にさして演奏されます。
自然と一体になるというイメージ。そばで見ていてとても素敵だなぁと思いました・・・。
そういえば書院でいただいた葉書の木、多羅葉(タラヨウ)に書いたお手紙。
何年も枯れないそうですよ。
昔は自然の中に生活や人々の人生が存在していたので、
そういった大きな自然を含め、人間をとりまく様々なものや事柄に対して
謙虚な気持ちになったり、願ったり、
またそうしたことから、いくつもの行事や冠婚葬祭などの
しきたりというものが生まれてきたということを考えれば、
現代の私達は、今もなお残り続けているものについて、きちんと沿った形で行うことで、
おのずとその心や込められた意味というものを、
理解できるということもあるのかもしれません・・・。
昔の慣習を窮屈に感じたりするにはもったいない、
大切なものがそこには隠されているんだろうな・・・と、
多羅葉の葉書を見つめながら、ふと考えたりしました。
新しいことも大切。古いことも大切。
要はバランスをとって心豊かに心を込めて暮らすことが一番・・・。
このとき一緒にいただいたDVD
生きた正倉院 雅楽
今年あったいろんなことを思い浮かべながら一度ゆっくり聴いてみよう。
車で聴くと、また娘は気持ちよく寝るのかしら?
時には日本の音楽を聴くのもいいものですよ・・・