体外受精の主なスケジュールとAMH採血 | 足立産婦人科クリニックのブログ

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昭和57年より開設された北海道釧路市の産婦人科クリニックです。
女性の思春期、成熟期から更年期、老年期まで、
あらゆる悩みに対してお役に立てるようなクリニックを目指しています。様々な情報を発信していきます。

こんばんは。

今月、30-40cm 雪が降った時の様子です⛄️
 
釧路は、いきなりまとめて雪が降りますね。
今は道がガタガタツルツルで、いつ転ぶかと神経質になりながら歩いています🚶‍♀️


さて。去年11月から開始している体外受精は順調に進んでいます。
新しいことを一から始めるのは、色々と準備が大変です💦 新クリニックを建設する時も相当大変でしたが…体外受精開始の際も様々な器具類を選んだり、かなり面倒な手続きや書類など死にそうでした。そして実際に動けるように、スタッフさんにも色々システムを作り伝えていかなければいけません。
現在、順調に体外受精の患者さんたちを受け入れることができており、ホッとしています😊

皆様から多い質問は、
(1)採卵までにどのくらい通院が必要ですか?
です。
卵巣刺激には様々な方法があり、実際にはアンタゴニスト法やショート法を行うことが多いです。
大体のスケジュールは…
1️⃣生理予定の約1週間前から月経3日までの間に受診。
・遺残卵胞がないかをチェック
・刺激方法を患者さんと相談して薬を処方
・自己注射の指導
2️⃣刺激開始より4-6日目あたりに受診。
・卵胞の発育具合をチェック 
3️⃣ 2. の数日後に受診。
・再度卵胞の発育をチェック
・卵胞やホルモン値がよい状態であれば採卵日を 決定
・採卵の2日前に行うトリガー(注射または点鼻 薬)についての指導
4️⃣ 採卵
・当日、朝食ぬいて8時半ー9時までに来院
・排尿を済ませて採血
・採卵前にエコー診察をして、痛み止めや前投薬
 をします
・9時半頃に採卵
・麻酔から覚めたら診察し、11時ー11時半頃帰宅

 ※ 3 については、卵胞の発育がゆっくりであっ たりホルモン値の変動等あれば、受診回数が増 えることもあります。

というスケジュールになります。月経開始から採卵までは、大体11-16日程度のことが多く、通院回数がやや多くなりますね。いつ採卵をするのがベストかを見なければならないためです。

ちなみに採卵後については、採卵翌週に診察があります。
・採卵後、出血等ないかエコー診察
・受精卵の発育経過の報告
・胚移植に向けてのスケジュール確認

採卵後、大体2週間前後で月経が来たら胚移植に向けての準備を始めます。



では次に
(2)胚移植までのスケジュールは??
1️⃣月経予定日の約1週間前ー月経3日までに受診。
・遺残卵胞がないかをチェック 
・ホルモン剤使用についての指導、薬処方
2️⃣月経12-14日目頃受診。
・子宮内膜が7mm以上であるか確認
・場合によっては、ホルモン採血もします
・移植する胚の確認
・ホルモン剤使用の再確認
3️⃣胚移植(午後になります)
・移植時間30分程度前に来院
・排尿すませる
・移植後は2-3分で終わり、その後はすぐ帰宅可
・移植後のホルモン剤を追加処方
4️⃣移植から1週間後に受診
・ホルモン採血
5️⃣4 の1週間後に受診
・妊娠判定のための採血

 ※4 については、省略することもあります。


最後に、
(3)どの段階で体外受精に踏み切ればよいですか?
という質問も多いです。
精子所見が良くない方、卵管閉塞などある方は体外受精 が良いです。
あるいは、タイミングや人工授精を6か月以上しても妊娠が成立しない場合にも、体外受精の選択肢が出てきます。年齢など考慮して相談します。おすすめの検査は、AMH採血 です。
AMH採血とは抗ミュラー管ホルモン採血のこと。卵巣の予備能を見る検査です。年齢とともに徐々に低下し、個人差が大きいです。値が低めの場合、排卵できる卵の数が少なくなっている ということになりますので、早めのステップアップを検討した方がよいです。
なお、AMHは『卵の数』の参考にはなりますが、卵の質 を示すものではありません。実際にはAMHや年齢など様々なことを考慮して治療法が決まりますが、AMHの値を知っておくとその後のプランを決めやすくなります。
AMH採血は月経○日目 とかは関係なくいつでも取れます。自費となります(約6000円)
ご希望の方はぜひ取ってみましょう。

体外受精について、また色々情報を発信していきます。