妻と入籍したことで、僕にも甥と姪ができました。

妻の子に負けず劣らず、みんなとてもよい子です。

 

妻の実家に行くと、決まって親戚みんな集まります。

この家は親戚同士大変仲がよく、

その輪の中に入れてもらい僕も非常に居心地よかったです。

 

でも、いつも少しだけ胸の痛みを感じていました。

孫たちの元気で愛らしい姿に相好を崩す義父母の姿を見て、

自分の両親を思ってしまうからです。

 

いま目の前にあるこの光景を、自分の実家で見ることはできない。

 

もし孫ができたら、亡くなった母はどんなに喜んだだろう。

もし孫ができたら、妻を亡くした父はどんなに喜ぶだろう。

 

妻の実家と違い、恥ずかしながらうちの親戚は

お世辞にも仲がよいとは言えません。

ちょっと人としてどうなのかと思うような言動も

少なからずあったりして、

入籍当初、そんな親戚のひとりから言われた一言が

いまも耳に残っています。

 

「あの人には子どもがいるけど、あんたにはいないんだからね」

 

年配にありがちな、配慮のない発言だと思っていました。

ただ、この人も子を授かるのにずいぶん苦労したと聞いたことがあり、

妻の年齢や僕の両親のことを思っての、

母として、祖母として「先輩」の立場から出た言葉だったのかもしれません。