新緑芽吹く、5月の中ごろゴールデンウィークも終わり、いよい夏の足跡が近づいきた。
北陸、福井県福井市の県庁沿いの桜並木、桜の花は大分前に散り、今は葉桜になっている。
強い日射しを、葉桜はもろに浴びていた。
この日の最高気温は25度携帯のiモード天気予報を見ながら、桜並木の中をゆっくりと高志は歩いていた。
「少し前までは、この辺はピンク色だったのに、今は緑か、若い時はなんとも思わなかったのに、季節を感じるようになるとはなぁ」
高志は今年、三十路になった。
大学を卒業後、親のこねでこのご時世にもかかわらず、市役所に就職。そこでの勤めは7年目を迎えた。 勤務態度は、いたって普通、薬になる存在でもなければ、お荷物でもない、人事評価の難しいタイプである。