櫻井よしこ | 勝利の法則

櫻井よしこ

櫻井よしこ 氏の主張はいつも明快だ。

論敵との対談の時でも冷静な語り口は、聞き(読み)手にとってとても解りやすい。

元&現役ジャーナリストだけあって、メディアへの批判は特に鋭い。


WEDGE、2005年6月号P.5「羅針盤」の記事は秀逸だ。

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4月15日各紙の夕刊は一斉に、自民、民主、公明3党の賛成により議決された憲法調査会の

最終報告書について報じた。各紙は、「改憲の方向明確化」「集団的自衛権行使容認2/3」

(『読売』)、「憲法9条改正多数」(『日経』)、「焦点は9条改正」(『毎日』)などの見出しで報じた。

憲法については護憲の主張が目立つ沖縄の『琉球新報』でさえ、「9条含め改憲方向明示」と

一面に大きな見出しを掲げたなかで、『朝日』のみ、「9条改止方向示さず」という見出しをつけた。
同紙は「9条や憲法改正要件などについては改正の方向性を明確に打ち出すには至らなかった」

と報じたが、これは事実の歪曲で、その報道は異常である。
駒澤大学教授の西修氏が「知性を疑う」と感想を述べた『朝日』の記事は、ひとりの記者やひとりの

編集委員の手になるものではないはずだ。現場の記者が記事を書き、デスクもしくはその上司まで

含めて複数の人間が目を通しているはずだ。にもかかわらず、最終報告書の内容を曲げて正反対

に報じることを許容した『朝日』の偏向報道の病根は深い。

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朝日新聞は一般的に、「クオリティペーパー」として認識されている。

毎朝、朝日新聞だけを読むことが「知識人としての矜持」だと思い込んでいる人は

多いと思う。


この「羅針盤」の記事には、韓国のノムヒョン大統領の政権舵取りに関する鋭い考察もある。

日本の新聞やテレビだけでは、根深い事情は一生解らない。

ひとつのメディアだけ読んでいると、偏った情報だけしが入らなくなる。

幸い今の時代は、WEBという安価で便利なツールがある。

世の中、捨てたものではない。


【参考資料:0415朝日新聞夕刊】

asahi