サッポロの「麦とホップ」という商品があります。
このコピーが「私には、ビールです。」
このコピー、非常に気になります。
正直、いいコピーだと思えないのですが、業界内でサッポロのポジションを考えると、ある程度しょうがないコピーなのかなとも思えます。
「私にはビール」ということですが、「私にはビールのように感じる」とはどういうことでしょうか。
勿論、商品がおいしいものですよ、ということを言うためのコピーなので、ビールのように感じられておいしいということなのでしょう。
ビール系飲料は大まかに、ビールの他、発泡酒と、新ジャンルなどがあります。
つまり、このコピーはこう言っているのです。
「発泡酒や新ジャンルはビールよりまずいけど、この商品はビールと同じ位おいしい」
価格と味の関係というのは面白くて、誰でもそうですが、価格が高いほど味がおいしいいいものだと思ってしまいます。但しこの業界で言うと、発泡酒や新ジャンルとビールの価格差は税金によるものです。
缶飲料で大きなマーケットサイズをもつようになって成長している発泡酒や新ジャンルに対して、「これらの飲料はビールよりマズイ」ということを、メーカーサイドからメッセージ発信をするのは賢い戦法なんでしょうか。
アルコール業界やこうしたジャンルにおいて、リーダーであれば、将来缶ビールを抜くかもしれず、缶ビール市場が縮小、発泡酒や新ジャンルが成長業界であることを考えれば、そのようなメッセージ発信をしないことでしょう。
そう考えると、このコピーは正に、この業界大手で下位にいる、サッポロならではなのかもしれません。
ただこのコピーの連呼は、サッポロ一社だけではなく、業界全体にこのようなイメージを植え付けるものです。
一般消費者は全く気にならないレベルの話ではありますが、こういった認識が顧客からもメーカーからも定着してしまうと、他社が発泡酒や新ジャンルがいくら旨いと宣伝しても、これらの商品の、一般的に「ビールより安くしたマズイ商品」という認識をひっくり返すような戦略は今後大変かもしれません。
