認知症を抱えてどのような思いで過ごしているのか話を聞くと「駄目になったな」「バカになった」「失敗ばかり」「簡単こともまともにできない」等、自己否定感が強い傾向にあります。

 

すなわち自己肯定が低くなっているのです。

 

 自己肯定感とは、“自分は今のままで良いんだ”と思えることです。

 

低くなっている自己肯定感を高めるには「褒める」ことが有効的であると認められています。

 

 実は、応用行動分析では、この自己肯定感を高められるよう、叱ったり否定したりするのではなく、褒めて自信を持たせるようにしていきます。

 

 「褒めるのなんて簡単」と思われると思われますが、「褒める」は実は簡単なことではありません。

 

できなかったことができるようになったときに褒めるのは簡単ですが、

 

認知症と診断された人に重要なのは『今できていることを褒める』『物忘れがあってもあなたは唯一無二の存在なんだ』ということをつたえることで、相手は認められたという気持ちをもち自己肯定感が高まっていきます。

 

 ポイントは,「適切な行動を行った時」「普通に行動しているとき」「穏やかに過ごしているとき」等、例えば,いつも通り落ち着いてご飯を食べている時,テレビを見ている時,散歩している時などは当たり前だということで特に対応されないことが多いですが、そんなとき程、注目を向けて話しかけたり,褒めてあげたりして積極的に関わってあげるということです。

 

そして「忘れてしまった。覚えていないよ。うまく出来ない」が恥ずかしいことではないと「物忘れを肯定」し、認めることで自己肯定感を取り戻していくのです。

 

大げさに褒めなくても「テレビ楽しいね」と言って隣に座って一緒に見たり,「ありがとう」「○○してくれて嬉しいわ」と気持ちを伝える、そっと手を添えるだけでも良いのです。

 

それは、意思疎通が難しい人や寝たきりの人たちに対しても同様です。

 

 誉め方には4種類あります。

 

①言葉で誉める

②手を添える、抱きしめたりなどのスキンシップ

③一緒に旅行に行ったり、歌を唄ったりなど

④嗜好物(食べ物、物品)など 

「褒める」は「快刺激」=「好子」であることが最も重要なのです。

  

但し、褒めるのにも「ルール」が存在します。

  1. 褒める時は行動の直後(60秒以内)
  2. 同じ褒め言葉を使い続けない
  3. 無駄に褒め過ぎない
  4. パターンを作らない 
  5. 大袈裟に褒めない