ホリエモンの著書「徹底抗戦」が
本屋に並んでおり、
パラパラとめくってみると、
彼の視点で、ニッポン放送・フジテレビ買収の件など
について書かれてあったので
購入したのだが、経営実務という視点で
なかなか面白かった。
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内容で、特に気になったポイントが2つあったのだが、
まずはその1つめについて。
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彼がニッポン放送(そしてその下に繋がっていた
フジテレビ)を買収しようとしたのは、
既存メディアとネットの融合だとか、
コンテンツをネットに活用するだとか
そういう目的ではなく、
テレビを使ってLivedoorのロゴを
視聴者の目に触れさせたかったためだという。
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ここからは、彼の発言をそのまま受けて、
個人的な私の解釈ですが。
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いわゆるテレビ局をはじめとするメディアの
人たちは、今後の戦略として、これまでの
コンテンツ制作能力で培った、
「コンテンツ力の活用」という話をよく掲げる。
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しかし、ホリエモンはそのコンテンツには
余り魅力を感じなかったというわけだ。
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そもそも既存のテレビ局等の人気のコンテンツというのは
テレビ局の莫大なるリーチと影響力があるおかげで
人気コンテンツなるわけである。
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はじめに「強い影響力を持ったネットワーク」ありき
である。はじめにコンテンツありきでは決してない。
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ホリエモンは、
「影響力あるネットワーク構築」の為に
テレビ局を買うのであって、コンテンツの活用の為に
買うのではないのだ。といったかんじであろうか。
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マルチメディア化・デジタル化が進むに併せて、
メディアも広告代理店も「コンテンツ」というものを
経営戦略の一つに掲げはじめているが、
果たして、コンテンツという考え方だけで
儲かるビジネスなのであろうか?
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例えば、これまでの電通は、
CMという映像コンテンツそのもので
儲けてきたわけではない。
吉田秀雄の頃からつくられた
都市地方の局とのネットワークの絆が
いまだ、儲けの大黒柱なのである。
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ビジネスを急成長させるには
コンテンツよりもまずはネットワークありき
なのではないか。その結果として
コンテンツも収益を上げられる
構造になる。
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既存のメディアネットワークを利用し、
新しいネットワークを構築しようとした
ホリエモンの著書から、そんなことを
考えさせられた。
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