Dear琉音。



琉音と出会って2週間が過ぎました。

10カ月も一緒にいたのにまだ出会って2週間だなんておかしいね。



琉音、あなたがお腹にいると分かった時ぱぱとままは心から妊娠を喜びました。

夢桜がまだ1歳になったばかりだったし金銭的にも裕福ではなかったけど病気がちなままの元に来てくれたことが本当に嬉しくてすぐに周りの皆に妊娠の報告をしたんだよ。

皆凄く凄く喜んでくれてぱぱもままも幸せだった、そして何より夢桜が琉音のことを1番喜んでました。

初めて夢桜に『お腹には赤ちゃんがいるんだよ』って言った時、夢桜はままのお腹を触って『赤ちゃん赤ちゃん』と言ってました。

ままはそれを見て『兄弟っていいな』って改めて思ったの。



でも2人目の妊娠は1人目と違って苦労ばかりでした。

悪阻は予想以上に酷くご飯が全く入らない。そのせいで栄養不足になり点滴をしに病院に通う毎日。

やっと安定期になって悪阻が治まった頃は大きなお腹で育児と家事をするのが辛くなり、溜まったストレスをぱぱに当てつけてた。

そして妊娠7カ月に入った時切迫と診断されて突然の入院。

正直本当に辛かった。



毎日薬漬けに痛い治療、24時間の点滴は1日に5回針を刺し変えることもあった。

動けるのもトイレとお風呂だけで寝たきり状態だしぱぱや夢桜ともほとんど会えない。

そのせいで夢桜は急遽保育園に通うことになりぱぱは実家生活。

何も出来ない自分に苛立ち毎晩病院のベッドで声を殺して泣いてました。

けれど琉音はそんな弱いままを励ますかのように毎日力強くお腹を蹴っていてくれたね。

そして『もう持たないかもしれない』と診断された7カ月から9カ月まで頑張ってお腹の中にいてくれました。

本当によく頑張ったね。

出産の時も酸素が上手く送れずにいきんでしまった為、琉音はうっ血して顔が紫色だし呼吸が苦しそうでした。

けど元気に泣いてくれてまま嬉しかったよ。



琉音を妊娠してぱぱとままと夢桜はまた1つ成長しました。

そして琉音を出産して沢山の人の愛を知りました。

ままは1人で出産したんじゃない、琉音も1人で産まれたんじゃない。

この妊娠と出産には沢山の人達の協力、支えがあったんだから。

そして皆に愛されて琉音はこの世に誕生したんだから。



ぱぱとままを選んで無事に産まれてきてくれて有難う、これから沢山沢山愛していくよ。

家族4人で幸せになろうね、琉音愛してる。



Fromまま。
分娩室に入る時ちょうどままが部屋から出て来た。ままは寝ないでずっとちなみの傍にいてくれてたから疲れてクマが出来てた。

ちなみはままに『頑張る』って言葉だけ伝えて中に入った。もうこの頑張るって言葉しか言えない位苦しかった。

ままはちなみに『アッキー(あーくん)に連絡しとくから頑張ってね』と言って心配そうに見送った。



昼14:30。

息苦しいのに耐えながら分娩台に上がりモニターが付けられた。そこに先生到着。

『次の波が来たら破膜させるよ』って言われふと先生を見たらメスを持ってる。

『メス?!どこ切るの?!』

一気に不安になってもっと呼吸が乱れる。

急いで看護婦さんが酸素増やしてちなみを落ち着かそうとするけど怖くて息が出来ない。そして次の波がきた瞬間先生が股に手を伸ばした。

『パンッ、バシャーッ』

風船を割った音みたいなのと同時に大量の羊水が溢れてきた。生温くて止まらない羊水、気持ち悪かった。

その直後急にお腹と腰に激痛がきていきみたい感覚。

先生にそれを伝えるとすぐさま内診されまたとてつもない痛みがきた。

子宮口はどんどん広がり5、6、7、8cm。

もういきみたくていきみたくて1~2分間隔でお腹を切り裂かれるような腰をハンマーで打たれるような骨盤をバールで開かれるような痛みがくる。

度々意識が飛んでた。



昼15:00。

この頃からもう我慢出来なくなって『いきみたい!何か出る!』って叫んでた。そして内診してもらった結果なんと子宮口全開。

先生が『旦那さん間に合わなさそうだからもういきんでいいよ』って言ってきてついにいきみ開始。

『あーくん、どうか間に合って』

何回もそう思いながらいきむいきむいきむ。

でも2カ月半寝たきりだったちなみにはいきむ体力がない。



昼15:30。

死にそうな激痛の中ひたすらいきむちなみの元にあーくん到着。すぐにちなみの手を握って『頑張れ!後少し!』って声をかけてくれた。

だから最後の力を振り絞って思い切りいきんだ。

『お願い神様、早くこの子に会わせて下さい』










2010/02/13 15:44

元気な産声と共に2882g、48cmの女の子が産まれた。一瞬見えた我が子は顔が紫色で体は真っ白。

産声もすぐに聞こえなくなり正直死んだのかと思った。

でも先生が『おめでとう、1カ月早くて早産だったけど無事に産まれたね』って言って赤ちゃんの処置を始めたから安心した。

赤ちゃんは直ぐさま酸素を付けられ保育機へ。色々検査されてたけど今すぐどうにかしなきゃいけないような異常もないし元気だと言われた。



この時ちなみは大量の出血とようやく我が子に会えた感動で意識が朦朧とした状態。

そんなちなみにあーくんが『本当によく頑張ったね、お疲れ様』って声をかけて手を握ってくれた。

嬉しくて嬉しくて涙がぽろぽろ溢れそのまま深い眠りについた。



その間、出血を止める点滴や栄養剤を大量に打たれ尿管を通されようやく目が覚めた頃にはもう周りが真っ暗。

夜になっていた。



そこにぱぱ、まま、弟、お母さん、夢桜が来て皆から祝福された。

先生も看護婦さんも『長い間よく治療と点滴と入院生活に耐えたね、本当におめでとう』って声をかけてくれてまた涙が出た。



今回の妊娠と出産は予想外な展開ばかりだったけど切迫になったことも入院したことも早産になったこともきっと意味があったんだ。

だってちなみはこの妊娠と出産を通して沢山の悲しみと幸せを経験出来たから。

そして新しい目標、夢を見付けることが出来たから。



2010/03/01。
2010/02/13の朝。
 
ちなみは酸素濃度が極端に低かったから陣痛開始と共にずっと酸素を付けられてた。
 
勿論運ばれてきた朝食なんて食べる気がしない。
 
でも出産には相当な体力が必要。食べることの出来なかったちなみは栄養剤をいくつも打たれた。
 
 
 
昼13:00。
 
昨日の夜からまたしっかり張り始めたのにまだ産まれないし胎動も少ない。心配で看護婦さんに聞くと『点滴の数値を高くして流してたからまだ血液中に残ってる薬が陣痛止めてるのかもね』って言われた。
 
だから『もしかして今日退院させられるのかな?』って不安になりながら陣痛に耐えてた。
 
この時陣痛間隔3分、子宮口4cm。痛みは生理痛より少し痛い位だった。
 
 
 
昼14:00。
 
先生に呼ばれたから車椅子に乗り診察室まで行ってエコーと内診をした。
 
推定体重2400~2500g、子宮口5cm。この辺りから急に呼吸出来なくなってきて喋る度に苦しくて涙が出てた。
 
そんなちなみを見て先生が『きついね、子宮口5cmだし破膜させるからね』って言って分娩室に連れて行くよう看護婦さんに指示してた。
 
そしていよいよ分娩室。
 
 
 
~姫ちゃんず365~-EntryImage.gif