幻のトランペッター | 鳥飼和一郎のブログ

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親しい知人のブログを読んで新しい世界を知りました。
この世に何かを残す事に今トキメキを感じます。
偶然とはミラクルなものです。ボランティア、音楽、絵、友人達、毎日が生きがい元気です。

今日絵画展の展示を終えて,作品名を絵の
下にカードに書いて貼った。

2点の絵の1点、知人のトランペッターの作
品名であれこれ迷った。

時間切れで決めたのが「幻のトランペッター」
だった。

現在有名ライブハウスで演奏している彼に、
幻はすこし変である。

彼の生い立ちとニューヨークでの生活、奇跡的な
ドン・チェリーとのめぐり合いの話から、この世に
存在しない夢を実行した男にみえた。

人間とくに男は夢をもてばなんとかなるを感じさせる。
それをささえた両親や夫人、娘さんはすばらしい。

両親とは35年前に知り合って今も年に何回かは
家を訪ねて行くが、話の内容は息子さんのあれこれ
になる。

自慢するわけでもなし、将来の心配をすることもなし、
ただ過去にこんなことがあったとか、今はこんな様子
だとか本人がいなくても話はつきない。

外国からひんぱんに見知らぬひとがネットを見てたず
ねて来る、男女年齢を問わず家に泊めて観光案内も
する。

ブロードウエーからミュージシャンが片道キップで来日し
ても帰りの飛行機代は払ってやる。「今空港だそちらに
行くにも金がない」との電話で迎えに行ってやる。

梅田から電話あり、「そちらに行く金がない」「あるだけ
の金で電車に乗れ」の指示をだす。駅の改札口で金を
渡して外国人は無事出てきた。

こういう話を彼の母親は嬉しそうに私に話す。 

極楽とんぼの一種かと思うがそでもないらしい。家の
仕事もきちんともやっているし、好きなこともやっている
ので本人に聞いたことはないが、私の生き方ケセラセ
ラで生きていると思う。
 
不可能を成し遂げた男は私には、幻のこの世に存在で
しないトランペッターである。

大きな体と強面でのっしのっしと歩く。雨の日でも夜でも
サングラスをしているので、彼の大学生の時に見たきりそれ
から35年間彼の本物の目は見たことが無い。

優しいのかやさしくないのかさっぱりわからない。親に聞くと
娘に父親らしいことはしているらしい。


幻のトランペッター