オペラ歌手の歌唱のおける最も大切な要素とは・・・・
端的に言えば2つあります。
先ず一つは・・・・・クラシック音楽としてスリリングに歌えるセンス。
もう一つは・・・・・劇中の役柄が降りて来れる体質。ブッファ、セーリアに関わらず。
劇中の役柄が降りて来れる体質・・・・非常に抽象的だが、ここが歌手たる「一丁目一番地」です。
そして歌唱において最も厄介なのが「クラシック音楽としてスリリングに歌えるセンス」と「劇中の役柄が降りて来る所」が別個の場所なのです。
クラシック音楽としてスリリングに歌えるセンス・・・・この要素自体は器楽奏者のそれと同じだが・・・・・、器楽奏者は演じなくてもよい。
しかし、歌唱と言う仕事は劇中の役柄が降りてきてナンボの仕事です。
音楽だけではダメなのです。これは非常に厄介です。一線で活躍する多くの歌手においても・・・・降りて来ずに滑ってしまい、衣装が歌っている歌唱も多い。
所謂、サウンド歌謡です。
サウンド歌唱でも音耳のリスナーの耳は満足させられるかも知れませんんが、歌耳の方にはスベッて物足りないはずです。
喉声歌唱・・・、これは論外です。スリリング云々以前に止まっています。