故に・・・国内の男性歌手にとっては受難の時代が続きます。

力を抜いて、喉を広げて・・・そのままパッサッジョも力を抜いて・・・これぞ正しくベルカント唱法ですが・・・

男性歌手にはアペルト系の歌唱への助長としか成り得ません。

これに贖い、パッサッジョ域を開かず力づくで越えたい気持ちも分かりますが・・・

男性の場合は・・・これも「アウト」です。

上記の2つは、声楽を志す男性歌手にとって共有課題と言えます。

何故、共有課題になってしまったのか・・・?

国内の声楽教育の主流が概念的なベルカント唱法だからです。ベルカント唱法は女性には有効ですが、男性にとってのベルカント唱法はカウンターテナーのメソッドだからです。

同じイタリア・オペラの歌唱法でも・・・男性と女性とでは歌唱法が異なるのです!

男性歌手に必要なのは・・・

ファルセット域を力強い響きで歌うための「アクート唱法」です。

ただ、このアクート唱法を体系化したメソッドは私が知るところ・・・見当たりませんでした。

なぜ、体系化されていないかと言うと・・・アクート唱法は天才歌手・・・

つまり・・・例えばテナーで長生きの順にいえば・・・ロフォレーゼ、パヴァロッティ、ボニゾッリ、コレッリ・・・そしてデル・モナコなど・・・

・・・によって体現化されてきただけだからです

メソッド化とは・・・いわゆる、普通の人が体現できる方法論と言う事です。

天才が故に本人一代でしか体現できなかったアクート唱法・・・しかし、凡人が故に可能なメソッド化かも知れません・・・

そしてやはり・・・

ベルカント唱法よりもアクート唱法の方が高い技術が要求されます。


【K-メソッド】 


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