ネット上の国内サイトを見て感じるのは・・・「ベルカント唱法の概念」だけがが独り歩きし・・・
ベルカント唱法こそが究極の「魔法の歌唱法」の如く歌われがちですが・・・
しかしながら、その半分に疑問を感じます。それは男女による性差です。
教会の中で歌う事が許されなかった女性に変わり、中世においては教会音楽の高音域はカウンターテナーが担っていました。
しかし、16世紀半ばのカストラートの出現により、カウンターテナーはその座を奪われ衰退していきます。
そしてそのカストラートがオペラに進出し極められた歌唱法がベルカント唱法と言えます。
そして、カストラートが消滅した後、女性の歌手たちによってベルカント唱法は受け継がれて行ったと考えられます。
つまり、ベルカント唱法のルーツを逆にたどってみると・・・
女性歌手によるベルカント唱法 →→→ カストラート →→→ カウンターテナー・・・となります。
要するに、男性にとってベルカント唱法はカウンターテナーのメソッドなのです。 男性歌手がベルカント唱法を学んでも、ルーツ的にはカウンターテナーにしか繋がらないのです。
男性歌手に必要なのは、ファルセット域を力強くひびかせる・・・アクート唱法です!
古典ベルカント唱法とは異なり、19世紀の中頃以降に確立された新しい歌唱法なのです!
この異なった2つの歌唱法を・・・「ベルカント唱法」として一括りにしたことが、国内における声楽教育の混沌と、男性歌手のメソッドにおける混沌を生み出したのです。