5月8日(金)の記事に関するご質問ありがとうございました。

【ご質問】
アクートが出来る歌手の喉仏を見ていると、強烈なビブラートがかかっているにも拘わらす喉仏はビブラート状に震えておらすまったくうごいていません。これも喉から声を外しているからなのでしょうか?

【私見】
私自身もそこまで注意して・・・アクートの際の歌手の喉の様子を観察したことはありませんでしたので・・・

私のHPの動画とカップッチッリの動画・・・ともに横向きのアングルでしたのでピックアップしてみました。

先ず、私の動画・・・・参考にしようにも首が埋り過ぎて・・・喉仏・・・見えません、スミマセン・・・(^^;)

<(_ _)>

続いてカップッチッリ・・・、結構良いアングルですが・・・見た感じ、喉仏はビブラートごとに動いているようには見えません。

多少話は変わりますが・・・、演歌歌手のビブラートは画面で見ていても非常によくわかります。喉仏はもちろん、下あごもビブラートと共に動いていることもあります。そして年を取ってくるとビブラートの振幅が大きく揺れ出す・・・・。これは喉声発声の特徴です。

・・・で、カップッチッリ(チェザーレ・シエピもそうですが)は胸声の部分でも限りなくジラーレした響きを加えながら歌っています。私がレッスンの時に生徒さんにアドバイスする「声を落とさい」・・・と言う表現です。

故に殻らの歌は歌唱の後、フレーズの歌い終わりの後に「余韻と想い」が残ります。

ここが、他の低音歌手と違うところです。私的には・・・カップッチッリは声的には特に美声と言うわけでは無いと思います。しかし、彼の歌唱法は他のバリトンには真似ができなかった様に思います。他のバリトンは声で歌うが、カップッチッリは想いで歌う・・・一言で言えば・・・ずば抜けた「歌の上手さ」です。

少し話を戻しますと・・・

ご質問の「アクートの際に喉仏が震えていないのは・・・喉から声が外れているからなのか?」ですが。

答えは「YES」です。

アクートの部分を開き声(胸声)で歌っているプロ歌手もいますが。見事に「演歌歌手と同じビブラート」がついています。演歌と間違えるくらいです。喉から声が外れていないからです。

逆に、アクートを力づくの喉声(胸声)で歌っている動画もありますが・・・声帯が「過緊張」で突っ張っていてビブラートがつけられず棒の様な締め付け声にしか聴こえません。一つには激しい高揚を表現するビブラートを生み出すための呼気が全く通過できない為です。喉から声が外れていないからです。

結論として、アクートは胸声(胸声)の延長ではないということです。

・・・と言った観点で再度、以下の動画をご覧になっては如何でしょうか・・・・


【K-メソッド】