私はアッポジオ・テクニック(声の支え)は歌唱の際の呼吸の循環から生まれる!・・・と提唱しています。

このアッポジオの法則が意外や数学における「メビウスの輪」と一致する!・・・と唱えるのは・・・おそらく私が最初であると思います。



すこし話を戻すと・・・

アッポジオ・テクニックと腹式呼吸は別物、概念的・意識的な腹式呼吸では歌唱の際には役に立たない・・・と提唱して来ました。

ここへ来て・・・・

アッポジオ・テクニックとは・・・うなじや首、更には腹部・胸部で「総合的」に支え合う力のバランス感覚の「総称」的なニュアンスだとの話を聞くが・・・

これはアッポジオ・テクニックではありません!

アッポジオテクニックがこれほど様々なバランス感覚を意識しながら歌わざるを得ない技術だとしたら・・・、概念的な腹式呼吸が役に立たないのと同じように、アッポジオ・テクニックも役に立たないと言えます。

アッポジオ・クニックは意識でどうのこうの・・・のではなく・・・

歌唱の際に支えれれてしまう、そうなってしまう・・・『摂理』なのです。つまり「意識的な力」ではないのです。



そして、その摂理を生み出す呼吸の循環こそが「メビウスの輪」なのです。

通常の「輪」においては異なる裏表の2面は絶対に交わらない、しかし一か所を「よじる」事で互いの面が無限につながっていく・・・そう、あのメビウスの輪です。

要するに、この2面こそが「胸声」と「裏声」です。



ここからが「K-メソッド」の肝です・・・・

アッポジオ・テクニックを習得した歌手の歌唱にはメビウスの循環が生まれています。

逆に・・・!

力まないと歌えない喉声歌手は・・・どこまで行っても片方の「胸声の面」だけでしか歌っていないのです。

そう、どこかで一度「よじりを入れる」事が出来ないのです。どこまでも胸声で克服できる・・・と言う固定観念の元、フィジカル的な対応しか出来ないのです。



そして・・・、最大の肝は・・・

一度「よじる」・・・つまり、「ジラーレ」することでその後のブレスの際に、延長上にある同じ面から歌い続けることが出来ます・・・、そこで初めて歌唱の中に・・・

胸声~頭声(男性のアクートも含めて)~胸声~頭声(男性のアクートも含めて)・・・「メビウスの循環」が生まれるのです。

そして、この胸声域~頭声域~胸声域~頭声域の「メビウスの循環」が生まれてはじめて・・・

歌唱の中で「呼吸の循環」が生まれ・・・そして最終的にブレスのタイミングでアッポジオ「支え」が生み出されます。このことはベルカント唱法、アクート唱法のどちらにも共通して言えることです。

アッポジオ・テクニックを習得する第1段階は、貴方の歌唱スタイルの中で「胸声~頭声~胸声のメビウスの循環」が生まれることが大切です!


後学ですが・・

工業現場の中での「メビウスの輪」の応用として・・・。機械の動力を伝えるベルトをメビウスの輪にするそうです。

通常のベルの場合は摩耗が激しいが、メビウスの輪はベルとの両面を使うので摩耗が少なく長持ちするそうです。

歌唱においても然り・・・、両面(胸声、頭声)を使った方が「労少なく、多彩な表現」が可能になるはずですす・・・


【K-メソッド】 




~直前のブレスでアッポジオが生まれ、自然にアクートにつながります~