「なかなか体重が増えなくて、つらいですよね。周りから『細くていいね』なんて軽く言われても、ご本人にとっては体力がつかない、疲れやすい、食べても太れない…と悩みが深いこと、よくわかりますよ。」
東洋医学では、**ふとれない=“消痩(しょうそう)”**という状態としてとらえます。これは単に体重が軽いというだけでなく、身体の「気」「血」「津液(しんえき)」が不足していたり、消化吸収の働きをする「脾(ひ)」が弱っていると考えられます。
東洋医学的に見る「痩せ(消痩)」の主なタイプ
① 脾胃虚弱(ひいきょじゃく)タイプ
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特徴:食が細い、すぐにお腹がいっぱいになる、下痢しやすい
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原因:脾の運化作用(消化・吸収)が弱く、栄養がうまく体に取り込めていない
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対策:脾を補う食事(雑穀、山芋、カボチャなど)、足三里・中脘へのお灸がおすすめ
② 気血両虚(きけつりょうきょ)タイプ
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特徴:疲れやすい、顔色が悪い、めまい、動悸がある
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原因:食べたものをエネルギーや血に変える力が不足
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対策:補気・補血するツボ(関元、膻中、三陰交)や、黒豆、棗、ほうれん草などを積極的に
③ 陰虚火旺(いんきょかおう)タイプ
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特徴:ほてり、寝汗、イライラ、口の乾き
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原因:体を潤す陰液が不足し、栄養が消耗されやすい状態
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対策:陰を補う食事(白きくらげ、梨、豆腐)、腎兪、太渓への灸刺激も効果的
セルフケアアドバイス
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食事は「少量を回数多く」が基本
無理に一度に食べず、消化しやすい温かいものを中心に。 -
睡眠をしっかりとること
気血は夜間につくられます。睡眠不足は回復を妨げます。 -
定期的にお灸で体の土台を温める
とくに【足三里】【中脘】【関元】などはおすすめです。🌿1.足三里(あしさんり)
場所:膝のお皿のすぐ下、外側のくぼみから指4本分下で、すねの外側の骨のすぐ外側
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膝を曲げて、手の人差し指を膝の外側下のくぼみに置き、指4本分(人差し指〜小指)下におろしたところ。
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押すと少しズーンとする場所。
🌿2.中脘(ちゅうかん)
場所:みぞおちとおへその中間
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仰向けになった時に、みぞおちとへそを結んだ線のちょうど真ん中。
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胃の働きを調整し、消化力を高めます。
🌿3.関元(かんげん)
場所:おへそから指4本分(約6〜7cm)下
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丹田の位置。エネルギーの源とも言われ、元気を補う大切なツボ。
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虚弱体質や冷えの改善に効果的。
🌿4.膻中(だんちゅう)
場所:両乳頭を結んだ線の真ん中、胸の中央
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胸骨の中央にあり、気の流れを整えるツボ。
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呼吸や循環、気分の落ち込みにも関係します。
🌿5.三陰交(さんいんこう)
場所:内くるぶしの最上部から指4本分上、すねの骨の内側に沿ったところ
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婦人科系のトラブルにも使われますが、脾・肝・腎の三つの陰経が交わる重要なツボ。
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身体を内側から温め、栄養を巡らせる働きがあります。
🌿6.腎兪(じんゆ)
場所:腰の高さで、背骨から左右外側に指2本分(約3cm)離れたところ。第2腰椎棘突起の両側
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ウエストの最もくびれているラインの背中側。
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腰の疲れや冷え、元気不足のときにお灸すると効果的。
🌿7.太渓(たいけい)
場所:内くるぶしとアキレス腱の間のくぼみ
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腎の原気(生命力のエネルギー)を高めるツボ。
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冷えや倦怠感、虚弱体質に用いられます。
🔥セルフお灸の基本的なやり方
① 用意するもの
市販の 台座灸(せんねん灸など):初心者には熱さが穏やかで使いやすい
ライターまたはチャッカマン
火消し(アルミホイルや缶のふたなど)
ツボの位置を示した図(またはマーク)
✅補足:こんなときはお灸を控えましょう
発熱しているとき、強い疲労感があるとき
飲酒直後
妊娠中の下腹部・腰部へのお灸(施灸部位に注意が必要)
🌟セルフお灸におすすめのタイミング
朝:1日の気の巡りをよくする(足三里や中脘など)
夜:疲労回復・リラックスに(関元、三陰交、太渓など)
🔺5.空腹・満腹時は避ける
食後30分〜1時間ほど空けると◎
空腹時はエネルギー不足で刺激が強すぎる場合があります
🔺4.同じ場所に連日行わない
同じツボでも、毎日ではなく1日おき~週2~3回程度がベスト
皮膚の状態や体調を見ながら調整
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お灸は入浴の前後30分以上空けて行うのが理想
🔺3.入浴・運動直後は避ける
血流が良くなりすぎて、のぼせや刺激過多になることがあります
🔺2.肌の状態を確認してから行う
赤み・かゆみ・かさぶた・湿疹などがある部分にはお灸を避ける
特に皮膚の薄い高齢の方や、敏感肌の方は注意
⚠️セルフお灸の注意点
🔺1.熱さを我慢しすぎないこと
台座灸でも体質や部位によっては熱く感じることがあります
「熱っ!」と思ったらすぐに外してください。
無理に我慢すると火傷や水ぶくれの原因に。
③ お灸のやり方
台座灸をツボの上に置き、ライターで点火
燃え尽きるまでじっとしておく(約5〜7分程度)
熱くなりすぎる前に外してもOK(無理せず)
1ツボに 1〜3壮(1壮=お灸1つ)まで
両側ある場合は 左右どちらもに行うのがベター
② ツボの探し方と印のつけ方
指で押して「ズーン」と響く場所がツボ
わかりやすくするために、肌に小さな点をつけておく(皮膚に直接書くのが心配ならシールでもOK)
「ふとれない身体」は、決して意志の問題ではありません。身体の内側に原因があることが多いのです。東洋医学では、その人の体質に合わせて“整える”ことで、じわじわと太りやすく、元気な身体に変えていけると考えます。
少しずつでも、体に合ったケアを積み重ねていけば、ちゃんと変わっていきますよ。一緒に無理なく取り組んでいきましょう。
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