🌿東洋医学的に見る「多汗症」とは?
こんにちは。今日は「汗が異常に多い(多汗症)」というお悩みについて、東洋医学の視点からお話しします。
汗は本来、体温調節や老廃物の排出という大切な役割を持っています。けれども、必要以上に汗が出る場合、体のバランスが崩れているサインかもしれません。
🔍多汗症の原因 ― 東洋医学ではこう考えます
東洋医学では「汗」は「気(き)」や「津液(しんえき)」に関係しており、以下のような体質や状態が原因で多汗になると考えられます。
① 気虚(ききょ)タイプ ― エネルギー不足
-
特徴: 体がだるい、疲れやすい、声が小さい、汗がダラダラ出る
-
原因: 脾や肺の気が不足して、体表の「汗の門」を締められない状態
-
改善法: 気を補うツボや食事で体力回復をはかります
→ 例:中脘(ちゅうかん)、関元(かんげん)、足三里(あしさんり)
② 陰虚(いんきょ)タイプ ― 潤い不足
-
特徴: 手足のほてり、寝汗、口が渇く、顔が赤い
-
原因: 身体の潤い(陰液)が足りないことで、内熱がこもって汗が出る
-
改善法: 潤いを補って身体をクールダウン
→ 例:太渓(たいけい)、三陰交(さんいんこう)、陰谷(いんこく)
③ 心火亢盛(しんかこうじょう)タイプ ― ストレスや熱のこもり
-
特徴: 胸がドキドキ、眠れない、イライラ、手のひらに汗をかく
-
原因: ストレスや不安で「心(しん)」に熱がこもり、汗として発散
-
改善法: 心を鎮めることで、汗も落ち着いてきます
→ 例:神門(しんもん)、内関(ないかん)、少府(しょうふ)🌿ツボの位置と解説
✅ 中脘(ちゅうかん)
-
位置: おへそとみぞおちのちょうど中間(おへそから上に約4寸、指4本分)
-
目安: 仰向けになって、おへそとみぞおちの真ん中にある凹み
-
✅ 関元(かんげん)
-
位置: おへそから下へ約3寸(指3本分)
-
目安: おへそと恥骨の真ん中あたり。丹田(たんでん)とも呼ばれます
-
✅ 足三里(あしさんり)
-
位置: 膝のお皿の外側の下縁から、下へ約3寸(指4本分)
-
目安: すねの外側で、押すとズーンと響くところ
-
✅ 太渓(たいけい)
-
位置: 内くるぶしとアキレス腱の間のくぼみ
-
目安: 内くるぶしの真後ろ、脈が触れる場所(腎経の原穴)
-
✅ 三陰交(さんいんこう)
-
位置: 内くるぶしの最も高いところから上に約3寸(指4本分)、脛骨(すねの骨)の内側
-
目安: すねの骨のキワを指でたどると少しへこむ場所
-
✅ 陰谷(いんこく)
-
位置: 膝の内側、膝を曲げたときにできるしわの内側の端
-
目安: 膝の内側のくぼみに指を入れると感じる場所(腎経)
-
位置: 手首のしわ(小指側)の上、腱のすぐ外側
-
目安: 手のひら側の手首、小指側の腱の外側にあるくぼみ
-
✅ 内関(ないかん)
-
位置: 手首のしわから肘の方向へ約2寸(指2〜3本分)、2本の腱の間
-
目安: 手のひらを上にして、手首から指2~3本分の位置で押すとややへこむ部分
-
✅ 少府(しょうふ)
-
位置: 手のひらの中央よりやや下、小指と薬指の骨の間
-
目安: グーを握った時に、薬指の先が手のひらに触れるあたり
-
✅ 神門(しんもん)
🛌 生活のアドバイス
日常生活での工夫もとても大切です。
-
冷たいものの摂りすぎに注意(特に陰虚の方)
-
ストレスをためないように心を落ち着ける習慣を持つ
-
睡眠をしっかり取る
-
暴飲暴食を避けて脾胃を守る(気虚の方に特に大切)
💡鍼灸治療ではどうするの?
鍼灸では、**汗をコントロールする「肺・脾・腎・心」**の働きを整えるようにアプローチします。たとえば:
-
汗が止まらない体質には → 足三里・関元などで気を補う
-
寝汗やほてりがある方には → 太渓・陰谷で陰を補う
-
精神的に汗が出る方には → 神門・内関で心を鎮める
🧑⚕️最後に
汗の量が多いと、人前で不安になったり、日常生活に支障をきたすこともあります。東洋医学では**「汗は体からのメッセージ」**ととらえ、体質や生活習慣から根本改善をめざします。
もしご自分のタイプが分からなければ、お気軽にお近くの鍼灸院にご相談くださいね。一緒に体のバランスを整えて、過ごしやすい毎日を目指しましょう。