お店に入ると、店長さんが僕を座席に案内してくれました。


オシボリを僕に手渡しながら


「ご指名はございますか?」と尋ねてきます。


困ったことに、彼女の名前を覚えてません。


メールのやり取りは「you」とか「anata」で済ませていたもので.....


おぼろげな記憶を頼りに、


「きちんと名前を覚えていないのですが、犬の様な名前の女性はいませんか?」


名前くらい聞いておけばよかったなぁ、と後悔しながら指名の意思があることを伝えました。


「ぽっちさんですか?」

(ごめんね、これから此処では君の名を「ぽっち」にするね。素敵な本名の代わりに...)


「はい。」


そのまま、ソファで1分程待っていると、彼女が現れた。


良かった、名前は間違っていなかったのだと安堵した。


ぽっちさんは、僕の隣に座ると直ぐ、僕のうなじに鼻を寄せ、匂いを嗅いだ。


「イイニオイ、アナタノニオイ スキナンダヨ。」


とぽっちさんは言った。


少し汗ばんでいた僕は、軽いショックを受けた。


文化の違いなのだろうか、それともフェチの類の物なのだろうか。


不思議と悪い気はしなかったのだが..


(でも、やっぱり変な人だよなぁ)そう思いながらお酒を呑んだ。


ぽっちさんは楽しそうだった。


二時間ほどお店に居て、その日は帰った。








そのまま、