(1)伸張反射(Stretch reflex):
伸張反射は唯一の単シナプス反射で筋伸展による刺激が脊髄内の運動ニューロンに達して筋肉の収縮を起こします。 伸張反射の例として膝蓋腱反射があげられます。大腿四頭筋の腱をたたくと腱にひっぱられて筋が伸張し、筋肉内の伸張受容器である筋紡錘が興奮します。この興奮によって生じたシグナルがIa神経線維を通って後根から脊髄へ入ります。さらに脊髄の前角内で運動ニューロンとシナプス結合を介して信号が伝達され、この運動刺激が大腿四頭筋を刺激して収縮させます(下肢が動く)。
(2)屈曲反射(Flexion reflex): 四肢の皮膚を刺激すると屈筋がすばやく収縮して刺激から四肢を遠ざけようとします。これを屈曲反射といいます。この反射は危険から身を守るとための防衛反射です。
強い刺激をうけると同側の肢の屈曲だけではなく、反対側の肢の伸展が起こります。これを交叉性伸展反射(Crossed extension reflex)と呼びます。
屈曲反射は多くのシナプスを介した多シナプス反射です。