タカマサユキの『ザ・タカデミー賞』
第25回受賞作品「運命じゃない人」
古今東西の名作を取り上げ、インプロ(即興劇)のシーン作りやゲームに役立てる『ザ・タカデミー賞』!
第25回の受賞作品は、「運命じゃない人」です!
2005年公開の日本映画。第14回PFF(ぴあフィルムフェスティバル)スカラシップ作品。「鍵泥棒のメソッド」の内田けんじ監督がメガホンを取った作品です!
今回『ザ・タカデミー賞』では「運命じゃない人」に、
『今この時間も誰かと誰かは繋がってるで賞』
を授与したいと思います☆
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【あらすじ】
婚約破棄となり、二人で住む家を出てきた桑田真紀(霧島れいか)。婚約指輪を質屋に持って行ったが3500円にしかならず、一人入ったレストランはカップル、家族、友達同士でにぎわっている。寂しさがこみ上げて今に泣きそうだ。
サラリーマンの宮田 武(中村靖日)は、頼まれ事は断れず、すぐに人を信じてしまう典型的ないい人。結婚前提でマンションを購入した途端、行方知れずになってしまった前の彼女・あゆみ(板谷由夏)のことでさえ、心配しているほどの人の良さだ。
そんな宮田の親友で私立探偵の神田(山中聡)は、宮田のことが歯がゆくて仕方がない。いつまでも前の彼女にことを引きずっていても仕方がないと、宮田のために女の子をナンパしてやる。それはレストランで一人で寂しそうに食事をしている真紀だった。
泊まる家もない真紀に、宮田は自分の家に泊まるようすすめ、二人は宮田の家に帰っていく。そこに行方知れずだったあゆみが現われる。あゆみのあまりの身勝手な言動に、真紀はあきれて宮田の家をでていってしまう。宮田は追いかけ、勇気を振り絞り真紀の電話番号を聞くことに成功する。
宮田にとってはちょっと勇気を出した一晩。しかし実は彼を取り巻く人々、真紀、神田、あゆみ、そして、あゆみの現在の恋人である浅井(山下規介)の視点から見た一晩はまったく違う夜だった。
複雑な人間関係に、浅井の金2000万円が加わり、事態は誰も予想がつかない方向へと転がっていたのだ──
※「運命じゃない人」特設サイトより
【見どころと役の成長】
『1番の見どころ』
この作品は是非構成に注目して下さい!
一見すると宮田視点の純情青年の成長物語ですが、実は同じ時間にこれだけの人物が連動していたということがストーリーが進むごとに明確になっていきます!
インプロにおいては「ハロルド」というロングフォームのフォーマットが、この見せ方に近いかなと思います。同じ時間軸で別の場所で様々な人間模様が描かれるのは、繋がった時に「うおぉ!」って思いますしね。
是非この興奮を味わってみてください!
『役の成長』
ここはシンプルに宮田に注目してみましょう。
「好きな人が出来た」といって出て行ってしまった元カノ・あゆみを忘れらずうじうじとしている宮田。
親友である神田は先日の合コンで気に入った女の子の電話番号を聞かなかった宮田に「いいかお前。あの11桁の数字を舐めるなよ。知ってるか知ってないかで赤の他人とそうじゃないかを分けてるんだからな。」と次の恋へ促します。
そこで神田が声をかけたのが真紀なのですが、その後のやりとりで宮田の誠実な人柄がすごくよく伝わってきますね。
だいたいそういう人ほど最後の押しが足りないことだけで残念な結果になることが多い気がしますので、タクシーを追いかけて電話番号を聞いた宮田の満足そうな表情が素敵でしたね。
あれ、これは自分にも言え…おっとそんな話は置いておきましょう。
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というわけで今回の『ザ・タカデミー賞』はいかがでしたでしょうか?
よくストーリー重視で作品を観ると「伏線を張る」と言いますが、ここまで伏線のオンパレードな作品はなかなかないですね。
しかもしっかりと最後には回収されてスッキリして観終わることが出来ました。内田けんじ監督の手腕に脱帽でした!
担当はタカマサユキでした!次の『ザ・タカデミー賞』もお楽しみに☆
【今後の更新予定】
12月16日(火)「永田麻依のまいっぷるマガジン」第25回
12月21日(日)「浅井ケンスケの志事発見伝」第26回
12月26日(金)「タカマサユキのザ・タカデミー賞」第26回