Behind the Scenes of the Translation Process That Brought the BTS Memoir to English-Speaking Fans

 

「Beyond the Story」英語版制作の舞台裏について翻訳者であるAston Hurがインタビューに答えている記事が。

 

「Beyond the Story」はニューヨーク・タイムズのベストセラー・リストのトップ。

韓国人作家による初めてのトップとなった。

 

ここでまず明かされたのが翻訳依頼の時期。

「Beyond the Story」はArmyの誕生日である7月9日発売は決まったうえで、翻訳者に原文が渡ってきたのは何と2023年の春。発売3か月前。

しかも、この段階で原稿はまだ未完成状態だったと。びっくりびっくりびっくり

Unbelievable!!!!!!

 

当初は大まかな内容しか明かされず、400ページある原稿を1か月で翻訳しなければならいないと言う。しかも「この本はまだ執筆中...」だったとか。ガーンガーンガーン

それから、猛烈なスピード以上のハイスピードで作業に取り掛かるわけだが、もちろん一人の翻訳者で400ページを1か月でできるわけがない。

そこで、韓国・英語文学翻訳界のスーパースターのSlin Jung(スーパースター1) とClare Richards(ロンドン在住、スーパースター2)が加わり、翻訳を開始することに。

 

通常、本を出版するのに要する時間は原稿ができてから1年半から2年。

しかも翻訳版というのは、原語で成功を収めた後に依頼されるのが一般的で、基本的に本を翻訳するのに約4カ月、少なくとも6カ月、最長1年は必要とされる。

 

つまり、通常のプロセスだと2023年7月9日に韓国語版ができてからその2年後の2025年7月9日頃に他の言語の翻訳版が出版されるのが一般的。それを3か月で翻訳するというのはまさに神業なくして実現不可能な状況。

 

その神業を成し遂げるに至った背景が...

 

韓国語の書籍が英語に訳されることは稀で、年間13冊しかないとのこと。

英語圏の市場において、英文訳された韓国語の書籍を買ってもらうのは「石から血を吸おうとするようなもの」と表現している。

韓流ドラマや映画、K-POPがこれだけ流行っていても文学、書籍においてはまだまだ認知度が低かった、と。

 

そのような背景があったため、Hur氏はどんなに大変なプロジェクトであってもこの乗りかけた「船」に乗ってみたいと言う思いに駆られたとのこと。

 

実は、この本の発売はデビュー10周年にあたる2023年6月13日の予定だったそう。

それがArmyの誕生日である7月9日に変更になったという。Armyの誕生日に発売してくれて嬉しいが、現実問題として4月の段階でまだ執筆中だったことを考えると、とても6月13日発売は不可能と判断した...というのが本当のところかもしれない。

 

そして翻訳者を苦しめたのは、「原稿は1か月かけて少しずつ渡された」ため、翻訳者はさらなるプレッシャーを受けることに。

 

本来、この本はカン・ミョンソクがBantanメンバーと3年かけて共同執筆したもの。

「当初は、BTSに過去についてのインタビュー行い、それをまとめのに約1年を費やすことができると思っていた。しかし、『Dynamite』のリリース後、『この時期をカバーしないわけにはいかない』と。その後、『Butter』がでてきて、コロナが終息したので、再会できるようになり、スタジアムツアーが始まって...」 とカンは7月にWeverse Magazineに語っている。

 

同じ記事の中で、HYBE出版物のプロジェクトマネージャー兼編集者であるキム・ヨンジュ氏は「時間の経過とともに感情が変化するため、「本当の最終バージョン」がどのようなものになるかを常に確認する必要があった。」と付け加えている。

 

「Beyond the Story」は世界23か国で同時発売された。

一貫性を持たせるために、Hybeが指南書的なものを作り、例えばメンバー同士の名称はニックネームではなく正式な芸名を使うなどの指示があったという。

しかし、韓国語版ではそのままニックネームが使われているそう。

 

そして、翻訳をする中で、楽曲の英語訳が間違っていることに翻訳者は気づき、英語の歌詞の一部をより正確な翻訳に変更したとのこと。

 

 「(翻訳をしていると)いくつかの矛盾が見つかるため、権利所有者(HYBE の子会社である Big Hit Music)に問い合わせる必要があったが、直接話をすることができまなかった。そして、権利所有者の名誉のために言っておくが、彼らは常に変更にイエスと答えてくれた。 プロジェクトの終わり頃になると、彼らはもう少し柔軟になったと思う。 しかし、その時点では時間がまったくなかった。」

 

言語学的、文学的、文化的背景が違う場合、翻訳には限界があり、それをどう伝えるかは翻訳者にかかっている。そこで、翻訳者たちは「私たちの優先事項は、ARMYと彼らが望んでいることを尊重することだった。」と言う点にフォーカスを当てて翻訳したとのこと。ラブラブキラキラ

 

もともと、韓国語がわからない海外Armyのためにいろいろな言葉に翻訳してBantanメンバーの行っていることを理解してきたArmyたち。だから翻訳者たちはBantanメンバーが何を言っていることをきちんと残そう、届けようという思いで翻訳したとのこと。

 

「私はメンバーがどれほど正直で率直であるか、そしてそれが翻訳を通して輝くだろうと信じていた。明らかになったのは、彼らがどれほど思慮深く、どれほど慎重で、どれほど堅実であるかということ。 彼らは、アルバムや歌、ダンスだけでなく、公の場で話す言葉や、ファンへのアプローチ方法など、自分たちがリリースする作品のあらゆる小さなことについて考えている。」byHur氏。

 

確かにそれはBTSが他のアイドルとは一線を画している点で、BTSが成功した理由の一つであることは間違いない。

 

続けてHur氏はこの本の中で最も感動した箇所について述べている。

それはジンの箇所。

 

彼はメンバーの中で最年長で、韓国文化の考え方の中では年上ということですべての責任もあるのに、同時に不安と戦ってたという気持ちを包み隠さず表現しているところ。これは下手すれば誤解を招きかねない部分でもあるが、それは、Armyとの信頼関係があるからこそ正直に伝えることができたのでは、とHur氏は語っている。

 

これは、「BTSが常に謙虚さを失わない理由のひとつだった」とも述べている。

 

「人は成功すると、権利意識に陥りやすく、自分の思い通りにならないと些細な事でいちいち腹を立てるようになる。でもBTSは逆で、成功すればするほど謙虚になっている。それは、自分たちにとって成功は何を意味するのか再評価しようとしている。成功と失敗を自分なりの言葉で理解し表現しているところが、この本の感動的なテーマだと言える」

 

そして、翻訳者たちはArmyから受けたサポートと熱意に衝撃を受けた、と。

「このような温かく、愛情深く、協力的なコミュニティは、BTSが経験してきたすべてのこと、そしてARMYがBTSを守りサポートするために経験したことへの反応。一方が他方なしでは存在できない。 そして実際に、翻訳者である私たちにもその温かさとサポートが届いているのを見るのは素晴らしいこと。」と述べている。

 

この翻訳者たちは、翻訳プロセスを通してBTSの計り知れない「力」についても述べている。BTSが持ち歩いている本が話題になるだけでそれがベストセラーになったり、RMやSugaが作り出す音楽へのアプローチが実は非常に文学的で、彼らは韓国の内面性について豊かで奥深く、素晴らしい認識を生み出しているのを感じることができる、と。 

ARMYがBTSの音楽にアプローチする方法はとても豊かで寛大で奥が深い。 

彼らは、『ああ、この本を読めば、この文学作品である BTS の音楽を理解するのに役立つだろう』といった感じで、これまであまり関心を寄せられなかったり、差別的な固定観念で観られていた韓国文化や文学などにも影響を及ぼしている、と。

 

「非常に限られた時間の制約の中で最善を尽くした」と。

何しろ2年近くかかるプロセスを3か月でやってのけたわけですから...

 

 

 

2021年AMAの後のお疲れ様会でBTSが飲んでいたシャンパン