年末年始からの休暇中、観てみたいと思っていたドラマがありました。
それは、昨年韓国でのケーブルテレビ市場最高視聴率28%をたたきだした「夫婦の世界」というドラマ。
このドラマはイギリスBBCで1,000万人が観たとされる大人気ラブサスペンスドラマ「女医フォスター 夫の情事、私の決断」(Dr. Foster) のリメイク版。
1話から話がどんどん進み、不倫が家庭生活に破壊的な影響をもたらすその様を克明に描いています。たった一夜の情事であっても、まして遊びの浮気でも夫婦間、子供、その他の家族、友人など様々な人たちを巻き込み、影響を及ぼすこともこのドラマを通して見えてきます。愛と憎しみは表裏一体。
架空の都市で起こる中流階級の幸せな夫婦の生活が夫の浮気により一瞬にして家庭が崩壊。
すさましい憎悪、復讐劇が繰り広げられます。
韓国版ではさらにその憎悪、男と女の痴情のもつれを克明に描いています。
個人的にはこの韓国版の「夫婦の世界」のほうがドラマとして完成度が高くおもしろいと思いました。
イギリス版はセリフがグロテスクなまでに相手の感情を逆なでするようなセリフや、元夫婦同士の嫌がらせ、執着など、不快に感じるほどあからさまな表現が多く、最終話などは聞いていられないような重い空気が漂い、もやはドラマではなく、ドキュメンタリー番組を観ているかのようでした。
また、イギリス版はストーリーを盛り上げる状況設定が乏しい気がしました。
タイトルにもある通り、女医のフォスターさんが主役で、彼女は一生懸命仕事をする女医さんという設定ですが、ドラマには女医として働くシーンがあまり出てこないこと。
韓国版では、毎回彼女の職場や職場の同僚がでてきて、ストーリー展開にも大きくかかわっています。
離婚によって、子供の取り合いや子供が受ける影響など、イギリス版ではあまり深く描かれていない気がしました。
子供への深い愛情は韓国のオンマにかなわないところがあります。
それがこのドラマにのキーポイントにもなっているので、それがイギリス版では夫婦間のすさまじい愛憎劇にフォーカスされ、それに十分描き切っていないように感じました。
韓国版は登場人物の心理描写を衣装の色や小道具で克明に描いています。加えて、音楽によってそれぞれのをシーンを盛り上げているところも大きな特徴でしょうか。
ドレスルームを観ると妻の入れ替わりだとわかる、とは離婚弁護士と心理学者。
.子供への双方の愛情が家庭崩壊することにって、愛憎劇に変わり、苦悩していく..という流れになるので、韓国版のエリート医師の妻、オンマ、子供、愛人、再婚相手、ダメ男の描きかたのほうがストーリーの流れ的にはしっくりくるかなと思いました。
加えて、役者の演技力の差とでもいうのでしょうか。
イギリス版の俳優さんたちも賞を取るほどですのですばらしいのかもしれませんが、韓国版のほうが、役者揃いで、演技力も高く、この難しいストーリー展開を表情や目、後ろ姿だけで感情を表現するなど、韓国の俳優たちの演技力によって、このドラマはさらに特別なものになっていると思います。
また、韓国ドラマ特有の「金持ち」、「権力者」、「学歴」、「お受験」など、イギリス版にはない設定も、韓国版をさらに深みのある内容にしていると思いました。
愛人から妻の座についた2番目の妻役も、韓国版のハン・ソヒのほうがぴったり合っていると思いました。イギリス版の女優さんは何もしらない20代前半の大学生のような純粋無垢でお金もちのお嬢さんのように描かれていますが、ハン・ソヒは若く美貌もそなえ、それでいて狡猾な女性を演じています。一言でいえば、彼女も含めて韓国俳優陣のほうが華がある感じがします。それによって、ドラマをさらに魅力的にみせていると言えるかもしれません。
ちなみに、このドラマの息子役として出演したチョン・ジンソ君(15)は、幻と消えたBantanメンバーの実名を使ったドラマ「Youth」にキャスティングされていました。
時間がある方はぜひ、両方を観て比較してみるのはいいのではないでしょうか。
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日韓夫婦のうかるかさんたちも2020年上半期で一番面白いドラマと絶賛しています。
