筆が乗ってるうちに書き終えてしまおうそうしよう。

どうも、鳥谷部城クリスマスの予定を無理やり詰め込もうと思ったらなんのことはない一日稽古でした。

考えるだけ無駄なことって、あるよね。

さあ、締めようか。

東京VATS Reading Live 第2戦 Winter × LOVE『花と命星 HANA TO MYOJO』




最後は、仲野識さんの作品について。




そして、秦野一成。速水和也。




各作品の詳細なあらすじは、東京VATS代表の峯暢也さんのブログにとても分かりやすく載ってますので、そちらをお読みいただけると僕の役への想いがより伝わるかも。


さて。どーん。(敬称略)

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【脚本】

☆仲野識(少女蘇生)☆
僕個人の動画配信内ではたぶん何度か、もしかしたらSNSでも発言してるかもしれなくて、仲野さんご本人には実はお伝え済みのお話から。

無責任だと捉えられたらそれまでなんだけど、僕たち役者が稽古をいくら積み重ねて努力したって、脚本が、物語がおもしろくなければ、ぜっっっっったいに良い作品にはならないと僕は思っています。

あ、特定の出演者のファンでその方が目の前で動いて喋ってれば他はもう何もいらない的なパターンは別です。それはそれ。それだって大事な商業だから否定する気はまったくないです。

話を戻す。

『花と命星』で紡がれた、冬と愛を題材にした四篇の物語。



「山茶花泣くころ」


「星の降る夜」


「零れる極楽鳥」


「祈りのアングレカム」



どれをとっても、たとえどの一篇に配役されることになったとしても、僕の今回の出演作品は「間違いなく勝ち戦になる」と確信していました。



結果、その通りだったでしょ?



その通りだったんだよ。

嬉しい感想しか耳にしなかったんですよ。



とても綺麗なお話たちでした。
叶うなら、全部に出演したかったくらい。



仲野さんが、少女蘇生ご出演を控えてらした木下章嗣さんとご一緒に稽古見学にいらっしゃった日は、たまたま僕たちチームWhiteの稽古日で。

緊張した。ほんとに。

稽古終わり、お二方とWhiteの面々とお話(6時間飲み)をする機会をいただいて、仲野さんの口から
「祈りのアングレカム、Tankさんの淳と鳥谷部さんの和也がイメージ通りでした!」
とおっしゃっていただけて、どれほど安心したことか。

そして木下さんはもはやただただイケメンさんでした。穏やか。笑顔が優しい。いい声。褒め上手。ああ…人としてのスペックの違いが…ああ…。



お二方とも、ご自身の本番が迫っているなか本当に本当にありがとうございました。



いつか、ご一緒にお仕事をさせていただける日がきたら幸せです。



そんな日がくることを願いつつ、精進しておきます。












続いて、僕が今回預けてもらった役について。


キャスティングは稽古初日、各出演者の希望を考慮したうえでの読み合わせ、バランスの擦り合わせを経て決まりました。

僕は有り難いことに、当初希望をした二役を与えてもらいました。


それでは、まずはこの人から。






【山茶花泣くころ】
☆秦野一成☆
この役を希望した理由は単純。

いま僕を応援してくれている方に観てもらいたい役だと、きっとみんな観たいと思ってくれる役だと、そう感じたから。

今より若い頃、20代なりたての頃は恐れ多くも主演を担わせていただくことが多くって。

まっすぐで熱さを宿した少年、青年といった役はいくつか経験済でした。

だから正直、一成もそんなに苦労しないと思ってたんです。


甘かった。なめてた。



僕は確実に年齢を重ねていたよ。

ぜんぜん当時と感覚が違うんだもの。びっくりしちゃった。おじさんびっくり。
そりゃそうだよ最近やたらと胸焼けを感じるもの。味の濃いものそんなに量食べられないもの。ざーーーん。




一成は、大正時代の青年。地方から上京してきた書生のひとり。


現代に生きる僕が、どうしたらあの時代の人になれるのか。そう見えるのか。

ピンとこなくて、いくつかの作品を観てあれこれ考えたりもしたけれど、きっとそんなには僕たちと変わらない。そんな大げさに考えるほど昔じゃない気がして。

だから時代性はあんまり意識せずに。

工夫はほんの少しだけ。
礼節と、感情の単色さをほんのちょっと、本当にほんのちょっと、いつもの僕よりも強めにしようかなどうしよっかなってくらい。

あとは共演の3人が助けてくれたから、それに乗っかるだけでした。


しゅおんちゃんの真下智嗣は、慕ってくれる後輩感がただただ可愛くてもはや弟だった。こんな弟ほしくなった。
出だしの「秦野さん!」も、再会時の「秦野さん?!」も、仔犬ですかコノヤロウ愛でるぞなでなで!!!ってくらいの笑顔でねえ。一成としてはほっこりさせてもらったよー。ありがとう。


あきらくん演じる本原学には本当に本当に助けられた。
何か投げるとちゃーんと受け止めてちゃーんと返してくれてうひょーっ楽しーいっ!てなる役者さん。
夕子様の死を告げられたとき、現実を直視できずに狼狽える一成を声だけで制してくれてありがとう。あそこで掴みかかって止められてたら、一成はあの流れで死を受け容れはじめることはできなかったと思います。
僕がつくった一成を理解してくれて、その一成とあきらくんの学との関係性・距離感を的確に一緒に築いてくれて、ありがとう。
回想終わりの学のひとセリフ、いつも最後のひと押しをもらってました。ほんとありがと。


そして夕子様。かたみな。
一成を演じるうえで、とにかくとにかく夕子様に恋をすること、外に漏れてしまうくらいの好きという感情を持ち続けることを最優先しました。
きっと、かたみなのプランができあがる前から、僕が告白のシーンで好きの気持ちをぶつけすぎて、やりづらいところもあったかと思います。
あのシーン、いつも好きだと伝えることに必死すぎて、言ってしまったことへの気の動転と、夕子様の困った様子への後悔と、それでも拭えない答えへの期待とで、動けないわ目もそらせないわでなんかごめんね!何秒間見つめ続けたか分かんないね!ごめんね!
いつも絶妙な声音で断ってくれてコノヤロ…じゃない、ありがとう。
ショックでしばらく声出せなくて、たくさん間をつかわせてもらってごめんね。いつもいつも待ってくれてありがとう。



一成は本当に夕子が好きだったんだと思います。

少し意地っ張りで、別れの日に白い山茶花を渡して去ってしまうような男の子。
ばかやろう。ほんとお前ふざけんなよ。夕子様になんて顔させてんだよ。


そんな去り方しといてたった一年で秋羽家を訪ねてくるんじゃないよ!どんだけ会いたかったんだよ。素直かよ。かわいいとこあるなぁ許す。


会いたくて仕方なかったんだよね。夕子様に。


亡くなってるだなんて、夢にも思わないよな。

久しぶりに会ったとき、どんな顔すればいいかなとか、どんな第一声にしようかなとか、夕子様こそどんなお顔をするのかなとか、きっともっとお綺麗になられてるんだろうなとか、心臓ばくばくしながら門を叩いたはずだよね。

受け容れられない。それはそう。


そして夕子様の真意を、赤い山茶花を通して。

そんな知り方したくなかったよね。



通し稽古が始まってから、このシーンは演じるたびに本当に涙が込み上げてきました。

引き金のひとつになったのは、演じる最中、学から山茶花を受け取った直後に峯さんがふと、
「その花を愛おしんで。大事そうに抱きしめて。」
って小さく演出をつぶやいたことでした。

それからはもう、赤い山茶花が出てくるたびに夕子様とのシーンが脳裏によぎってダメでした。



赤い山茶花=夕子様という脳になってから、劇場入りして照明がついて以降、ラストシーンの暗転で赤い山茶花に目を落とす芝居が自然にでてきました。



悲しい、本当に悲しい物語。


だけど、いくつもの美しい愛を描いたとても大好きな作品です。



本番初日、えげつないくらい泣いちゃって鼻水がでろんでろんに出てしまい、ラストシーンのモノローグへいく暗転→明転のさなか、

「うわああぁぁあ【暗転】ぁぁ(泣)………(あっ、鼻の下やばいやばい左手に台本、右手に山茶花で鼻水拭けない!あれ…衣装は白いからバレないんじゃ……いやいやいやまだ初日だよ!!汚せないよ!!ああぁやばい明かり点いちゃ【明転】…った…)…………俺の心に残るのは、(やべーお客さんの記憶にこの光る鼻水が残ったら笑えねー)」




本当に悲しい物語。














ちょっと待った、予想外にかかる!!!


というわけで、「祈りのアングレカム」編は次回!


そしてそれこそが真の最終回だ見逃すなよーーう!!!なんつってーーー!!!

ばいばーーーーい!!!