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処方薬にポイント付与 許される?
厚生労働省は10月、調剤薬局でのポイントカードのサービスの提供を省令で禁止しました。処方薬の代金支払いでポイントを付けるのは、「値引き」などを禁じた健康保険法の趣旨に反するというのが理由です。ただ、まだサービスを続けている薬局も多くあります。ポイントカードは本当に使えなくなるのでしょうか。
■禁止か猶予期間か あいまい
――処方薬の代金にポイントが付くとはどういうことですか。
「医師の処方箋に基づいて調剤薬局で調剤してもらった薬は、保険が利きます。1万円の薬代(技術料など含む)が、3割負担の場合は3000円で済みます。ポイントは、この3000円の支払いに付きます。還元率は多くのカードで1%。3000円なら30円(ポイント)です。ポイントは市販薬や日用品の買い物の値引きに使えます。処方薬の支払いにポイントで値引きを求めることはできません」
――そうしたサービスはいつ頃始まったのですか。
「2010年秋・冬頃からです。きっかけは月刊誌に厚労省がポイントカードを暗に認めた旨の記事が掲載されたことでした。記事の真偽を確かめる問い合わせに対し、同省は『法律に規制する規定がない』などとあいまいな回答を行ったため、ドラッグストアが見切り発車でサービスを始めました。現在では、調剤薬局のチェーン大手もポイントカードを導入しています」
――ドラッグストアも処方薬を出しているんですね。
「全店舗の約2割にあたる3450店で保険調剤を行っています。ただ、病院の近くなどに立地する調剤専門の薬局の利用者が、圧倒的に多いです。厚労省は、病院の調剤を院外の薬局に移す『医薬分業』を進めています。比較的高い技術料を得られることもあって、薬局数、処方薬関連の医療費(調剤医療費)ともに増えています。11年度は薬局が5万4780か所、調剤医療費が6兆5601億円でした。調剤医療費のうち、ドラッグストアの扱い金額は4%程度です」
――10月から「禁止」になったのはどうして。
「日本薬剤師会や中小薬局などから、健康保険法の趣旨に合った対応を求められたためです。保険医療は、保険料や公費で運営されています。保険の恩恵で1~3割の支払いで済んでいるうえに、自己負担金額の1%相当とはいえ、ポイントで『得をする』というのは、公平性の点から許されないという判断です」
――それなのに、いまもサービスが続いているのはなぜ。
「同じようにポイントが付くクレジットカード、電子マネーの取り扱いが不明確なためです。厚労省は、処方薬の支払いの時だけ、ポイントが付かないようにできるかどうか、来年3月末までに検討するとしています。公平性の点から、日本チェーンドラッグストア協会は、クレジットカードの結論が出るまでポイントカードのサービスの提供も可能、と主張しています。つまり『まだ猶予期間』というとらえ方です」
――今後の見通しは。
「厚労省も、導入当初、あいまいな対応をした負い目があって、強い指導ができずにいます。ともかく来年3月までは、このままの状態が続くでしょう」
――調剤薬局で競争は起こらないのでしょうか。
「処方薬は、値引きなどが許されない公定価格です。同じ薬での価格競争はありえません。ポイントカードにしても還元率は1%程度と低く、利用者に戻るのは支払った金額に比べれば小さな金額です。この還元率を上げることに薬局側は消極的です。なによりポイント付与による大幅な実質値引きを厚労省が許さないでしょう」
――ならば、どこの薬局でもサービスに大きな違いは出てこないのでしょうか。
「お金の面でいうと、新薬に比べ価格が低いジェネリック医薬品(後発医薬品)の品ぞろえで薬局間で差があり、今後の薬局選びのポイントになりそうです。ジェネリックが薬局にあるとないでは、長い目でみると支払金額が大きく変わってきます。利用者の薬局選びも厳しくなるでしょう」(渡辺理雄)
読売新聞(ヨミドクター)より
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