一番落胆した点は、新しい三部作を始める時点で、三本の映画をどういう構成にし、ストーリーを紡ぐのか、ちゃんと決めないでスタートしてしまったことがハッキリ判ったこと。この映画が三部作の二作目である意味、エピソード7の後の話である理由、新たに語るべき物語、そんなものどこにも存在しなかったのだ。
もちろん金になるからという理由が大きいのは判る。だが、それは本音として建前をきちんと用意しておくのが、美しく完結していた物語を再開する際の礼儀だろう。『フォースの覚醒』時点ではまだ、「語るべき物語」があるように見せかけていた。だから受け入れることができた。なぜルークは、ハン・ソロは、再び戦いに身を投じなければならなかったのか。この三部作は『最後のジェダイ』において、その問いから逃げることを表明した。批判されて当たり前だろう。
この映画を賛美する批評家は言う。「まったく新しいスターウォーズ」と。冗談はやめてくれ。オープニングロールも同じ、音楽も同じ、メカも同じ、ガジェットも同じ、主要キャラも同じ、これだけ旧作に頼っておいて「まったく新しい」もないもんだ。まるで親の金で裕福な暮らしをしながら「俺は親みたいになりたくない」とのたまうガキを讃えているかのようだ。
偉大な過去を踏まえた上で、同じ土俵で超える。難しいことだと判っているが少なくともそれに挑戦する姿勢を期待していた。スターウォーズを名乗るのならば奇を衒わず、堂々と王道を歩んでほしかった。まさか臆面もなく逃げるとは。
この映画のせいでエピソード9が何を語ろうと、新三部作は失敗の烙印を押されるだろう。スターウォーズはただの映画ではない。マーチャンダイズの売上が全興行収入の2倍を超える、ファンが作り上げてきたカルチャーだ。その忠誠、その信頼を裏切ればどうなるか。玩具量販店で大量に売れ残り、早くも大幅に値下げされている新三部作グッズをみるたびに暗澹とした気分になる。
こんなことは絶対に望んでなかった。