総評75点(うちアクションシーンによる加点+50点)

原題 KINGSMAN: THE GOLDEN CIRCLE
製作年 2017年
製作国 イギリス
配給 20世紀フォックス映画
上映時間 140分

(あらすじ)

スパイ機関“キングスマン”の拠点が、謎の敵“ゴールデン・サークル”の攻撃により壊滅。残されたのは、一流のエージェントに成長した主人公エグジー(タロン・エガートン)と、教官兼メカ担当のマーリン(マーク・ストロング)の2人だけになってしまう。敵を追い、同盟を結ぶスパイ機関“ステイツマン”の協力を得るため、アメリカへ向かう2人。しかし、表ではバーボン・ウイスキーの蒸留所と最高級のバーボンを提供する店を経営しているステイツマンは、英国文化に強い影響を受けたキングスマンとは対照的に、コテコテにアメリカンなチームだった。彼らは文化の違いを乗り越え、ゴールデン・サークルの陰謀を阻止することができるのか……?(以上MovieWalkerより抜粋)

 

なんて言ったらいいか・・・。

2017年末に『最後のジェダイ』をこき下ろして「目新しさと、アクションシーンだけで映画を面白いと思える奴らがうらやましいぜ!」的なことを、あちこちで言って回って、買わなくてもいい反感を集めて回った舌の根も乾かぬうちに、年明け早々、今度はその言葉を自問する羽目になろうとは。

 

傑作と名高い前作『キングスマン』も一言で評するなら「スタイリッシュで楽しいB級スパイ映画」といった風情でしたが、今作は続編ということもあって力が入ったのか雑多な要素をつぎこみまくったせいで肝心のストーリーが非常に散漫な印象。主人公エグジーの成長という確固たる物語の軸足があった前作とは異なり、緊迫した事態が次々と起こるにも関わらずどこかのんびりした話運びで、前作の長所であったテンポの良さは影をひそめてしまっています。

 

だがしかし、いいですか皆様。この作品の監督マシュー・ヴォーンという方。私見では、アクションシーンを撮らせたら当代一、右に並ぶものがちょっと思いつかないくらいの天才演出家です。走行中の車内での戦闘や、大人数による乱戦などともすれば画面上何が起こってるか判らなくなりがちな場面での、効果的な視点切り替えと、緩急自在のカメラワークは観客の視点を迷子にすることはありません。前作も教会での戦闘が話題になりましたが、アクション以前にその場面が持つ露悪的な意味に好き嫌いが大きく別れたところでもありました。そういう意味では今作のアクションは安心して鑑賞できます(露悪的な場面がないわけではありません、むしろ前作より強烈かも)

 

 

 

 

また、人間だけでなく、カーチェイスや戦闘機、挙句はメタルアームまで、とにかく「動く画」がいちいちカッコいいです。ですから先ほどクサした「雑多な要素」が必ずしも足を引っ張るだけになっておらず、次に起こるアクションを期待するだけでも、鑑賞に堪えうると言いましょうか。雑多な場面も、物語に必要あるかはともかく面白くないわけではないので、アクションシーンの素晴らしさに押される形で、総評点くらいの評価になります。

 

ステイツマンを主人公としたスピンオフが企画されているという話ですが、監督が同じなら是非見てみたいです。

 

 

↑監督の出世作。2は違う監督なので注意しましょう。

 

↑シリーズの原作。話は大きく異なりますが、映画の持つ露悪趣味は原作由来のものです。