満員電車の中。


もうギュウギュウ! な中に、

若い男女が乗り込んでくる。


小柄なかつこは、押しのけられた。


ラブラブカップルには二人の世界以外に目に入らない。

彼氏の腕の中には大事な彼女だけ。


彼女を守ろうとする腕。

その周りでキュウキュウな人々。


彼氏のひじは、おもいきりかつこの胸にあたっていた。


彼氏は気づかない。彼女しか目に入っていない。

エルボーはちかんに入らないのか?


失礼よ! と言いたいが、小心なかつこは言えない。

体の位置をずらそうにも、この場所はせますぎる。


彼女、いいのかそんな男で。 周りが見えなすぎる男で。

って彼女も彼しか見えてない。


そんな彼と彼女が羨ましくもあり、被害を受けてただ耐える自分がせつなくもある。