ついに本番がやって来た。
普通二輪を受ける女の子が先に検定を行うことになった。
雨の中順調にスタートした。
走る前はずいぶん緊張していたが大丈夫だろうか。
大型二輪を受けるのは男女合わせて4名。
みんな不思議と同じような連帯感を持っている。
「大丈夫だよ。落ち着いてやればだいじょうぶだってぇ。」
そう声をかけていた。
しかし,普通二輪の女の子は,スラロームで検定中止!
後で聞くと,パイロンに接触してしまったらしい。
う~ん残念。
そうなると緊張するのが大型二輪の4名。
「大丈夫だろうか・・・。」
という不安をかき消すかのごとく,みんなでいろいろと話し始める。
そういえば,大学受験や採用試験の時も,いろいろと心配なことを話していたなあ。
人間の習性かもしれない。
不安なことがあると,しゃべることで,誰かに自分を分かってもらい,何もかも吐き出した自分に少し安心できるのかもしれない。
などと考えているうちに私の番。
大型二輪の2番目だった。
1番目の方は,かなりすいすいとこなしていた。それだけに自分は大丈夫か・・・と緊張が走る。
しかし,考えてみたら・・・・私,劇団員でした。緊張は慣れっこ。
緊張を楽しもう,いつもどおり・・。
と思ってしまったら,何だか楽だった。
この日は誰もが予想しなかった2コース。
しかし,一本橋も難なくクリア。おまけに急制動は雨であったため,ずいぶん余裕をもって止まることができた。これは,むしろ雨に感謝すべきところだ。
波状路。
前の失敗は何だったんだ,と思えるようなスムーズな走り。
結局,無事終了。帰ってくることができた。
その後。
1時間近く待ち時間があった。
その間,若い子達がいっぱいいる普通免許の発表があった。
発表は電光掲示板に,合格者の受験番号だけが点灯するという,まるでミリ○ネアか,はたまたアタック25かというような発表だった。
でも,さすが若い子達。
「きゃ~!」
とうれしそうな声。しばらく聞いたことなかったあんな声・・・,とおやぢになるひと時。
ようやく大型二輪の発表。
俺たちも電光掲示板?
いや,別室に案内された。
そこでまた,待たされる・・・・・・・・・・・・・。
そこへいかつい検定の教官がやってきた。
「ええ・・残念ながら・・・・・。」
どういう意味それ。
一同固唾を呑む。
「全員合格と。」
やった,よっしゃのあいまった,安堵の声が上がった。
ほっとした。しかしその後の一言。
「まあ,これで大型二輪の免許を取れたんですが,大型二輪はとても死亡率が高いです。だから皆さん大型二輪は二輪車の一番上の免許。ぜひ,一番上の免許なんだというプライドを持って,みんなの模範になるような運転をしてください。」
この言葉に,何か心を打たれたような気がする。
そうだ,これまでと違うんだ。
やっぱり模範となるような運転をしなきゃ。いかつい体格の教官が,そのうち仏様に見えた。
幸運の女神と不幸の女神は表裏一体。その意味が良く分かる,現世に生きてて・・・。
そして雨だけど晴れて卒業(おやぢからもどれぬまま)
ところが,問題が1つ。
免許の切り替えは平日しかできない・・・。
平日なかなか休めない仕事・・。
平日に免許の切り替えにいったら大ブーイングだぁぁぁぁぁ!
どうする俺!!!