[やっぱり音楽最強 子守歌を「生」で聴かせると
子どもの痛みがより軽減すると判明:英研究]
(IRORIO 2013年11月02日)
音楽や子守歌に幼い子どもの気持ちや痛みを癒やす効果があることは、
これまの研究からも分かっているが、またそれを裏付ける研究結果が学術誌
『Psychology of Music』に発表された。
英国ロンドンにあるグレート・オーモンド・ストリート病院がローハンプトン
大学との共同研究で、心臓や呼吸器の疾患で入院している子ども(生後1週間
~4歳)37人を対象に、1回につき3~10分、音楽療法士が昔ながらの
子守歌を聴かせ、絵本の読み聞かせをした場合と比べて、心拍数や痛みの
レベルにどのような変化が見られるか調べた。
痛みの評価には、 カナダの心理学者と麻酔科医のチームが小児の術後痛
評価のために考案した「CHEOPS(Children’s Hospital Eastern Ontario
Pain Scale)」と呼ばれる スケール(泣き方、表情、痛みの訴え、姿勢、
傷を触れようとするか否か、脚の位置の6項目より段階的に点数をつける。
スコア4~13)が用いられた。
その結果、子守歌を聴かせた場合、心拍数の平均は134.1から128.7へ、
痛みのレベルは6.21から5.64に下がることが判明した。
読み聞かせでは、このような変化が見られなかったそうだ。
共同研究者である神経科学者Tim Griffiths博士によれば、音楽には子どもの
関心をそちらに向かせる効果があるだけでなく、脳の感情中枢に深く作用する
効果もあるらしい。
また、グレート・オーモンド・ストリート病院で長年音楽療法を実施している
Nick Pickett博士によると、子守歌は録音で聴かせるよりも、「生」で、
すなわち目の前で表情を見せながら歌って聴かせるほうがより効果的で、
楽器を使うのであれば、1つに留めることがポイントだと指摘している。
子守歌は昔から歌い継がれてきたものだが、世の親たちは、穏やかな
メロディーに子どもの痛みや苦しみを癒やす効果があることを本能的に
理解していたのかもしれない。
http://irorio.jp/kondotatsuya/20131102/85188/