[ストレスが引き起こす「飛蚊症」
女房との口げんかで普段は隠れてる症状が…]
(ZAKZAK 2013年10月2日)(今日のストレス 明日の病気)
猛暑の夏もようやく終わり、過ごしやすい季節が訪れた。
しかし、秋が来たというのに、“蚊”に悩む人がいる。
視界の中をゆっくりと動き回る蚊を追い掛け回すうちに、目ん玉が蚊取り線香
みたいになっていく。
Aさん(65)は中小企業の経営者。
ご多分に漏れず忙しい毎日だ。
そんなAさん、半年ほど前から飛蚊症に悩んでいる。
気が付くと視界の下の方を、黒い点がゆっくり動いているのだ。
気にならない時はまったく気にならないのだが、気にし出すと黒点の存在感が
増してくる。
特に気になるのがストレスを抱え込んだ時だとAさんは言う。
「朝っぱらから女房と口げんかをした日などは、一日中“蚊”が飛んでいる
こともあるんです。でも、好きなゴルフに興じている時に“蚊”を意識する
ことはありません」
やはりストレスが原因なのだろうか。
「その可能性はあります」と答えるのは、東京都港区にある「梶田眼科」
院長の梶田雅義医師。そのメカニズムを解説してくれた。
「飛蚊症の原因を悪い順に挙げて行くと、外傷やかゆくて掻いたりした刺激に
よって起きる網膜裂孔、糖尿病網膜症や高血圧などが原因となる網膜硝子体
出血、そして加齢に伴う硝子体の融解によって起きる硝子体混濁など。
いずれもストレスから発症することは考えられないものの、実際には普段から
飛蚊症があるのに、ストレスがかかった時だけその症状を自覚する-という
ことはあるようです」
Aさんもその可能性が高い。
梶田医師によると、ストレスが強い時には、いろいろと異常を探すような
動作が多くなるので、正常な生理現象でも異常現象として捉えてしまうことが
あるという。
Aさんにとって、夫婦げんかはそれだけ重要な問題ということ。
60代も半ばになって、仲のよろしいことでございます。
それより気になる治療法だが、梶田医師はこう説明する。
「加齢による飛蚊症に治療法はありません。本来見なければならないものに
意識を集中すれば、自然に飛蚊症は感じなくなります」
日々の仕事にもゴルフ並みの集中力が出せればいいのだが…。
(長田昭二)
http://www.zakzak.co.jp/health/doctor/news/20140319/dct1403191907073-n1.htm