歯痛:彼女にふられ、上司と合わず病院行ったら「治療法なし」 | アクティブエイジング アンチエイジング

[歯痛 彼女にふられ、上司と合わず病院行ったら「治療法なし」]

(ZAKZAK  2013年12月25日)(今日のストレス 明日の病気)


明らかに痛いから医者に行ったのに「異常なし」と言われる。
患者にしてみればこんな理不尽な話もないが、医者の立場としても困惑する
ばかり。

実は歯科診療でもそんなケースがあるという。
ストレス社会ならではの不可思議な症状だ。


最近、Uさん(30)はイライラしている。
もともと短気な人だが、最近は特に面白くないことが続いたようだ。
彼女にはフラれ、新しく来た上司ともソリが合わない。
そもそも仕事が面白くないから転職したいのだが、相談した両親からは
「甘ったれるんじゃない!」と叱られた。
事実、ただの甘ったれだが、当人にはその意識がない。
周囲の理解の無さにイライラは募るばかり。


そうこうしているうち、歯が痛くなった。
「こんな時に虫歯かよ」とイライラしながら歯科医院へ。

ところが、口の中を見た歯科医師は「特に異常はない」という。
「そんなことはない。ちゃんと診て治してくれ」と食い下がったが、悪くない
ものは治せない。
しまいにはモンスター的な扱いを感じたため慌てて退散してきたが、今も
奥歯がズキズキと痛む。
一体これは何か。


愛知県大府市にある国立長寿医療健康センター研究所口腔外科疾患研究部の
松下健二部長に話を聞いた。
「器質的な異常はないのに痛みを感じる-というケースは時々ある。病名は
“不定愁訴”あるいは“非定型歯痛”とする以外になく、根本的な治療法もない」

ただし、ストレスが症状を引き起こす“仮説”はあるという。
「ストレスによって神経の末端で何らかの神経伝達物質が出て、それが炎症や
痛みという症状を起こす原因となっている可能性は考えられる。ただし、
それを実証した研究はまだありません」


松下部長によると、こうした痛みから三叉神経の異常が見つかることもある
そうだが、単に精神的な不安が痛みを呼び込んでいることも少なくない
ようだ。


最近ではUさんのようなケースを専門に診る心療内科の“歯科版”も登場して
いるとか。


いずれにしても、元のストレスを放置して症状改善は見込めない。
Uさんももう少し冷静に自分自身を見られるようになれば、そんな歯痛も
起きないと思うのだが・・・。




(長田昭二)




http://www.zakzak.co.jp/health/doctor/news/20140319/dct1403191903037-n1.htm